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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

JR東日本 上諏訪(かみすわ)駅 JR-East Kamisuwa Station
2020(令和2)年11月訪問 GoogleMap「上諏訪駅」

駅名標 駅舎 駅構内

新宿駅から特急あずさで2時間強。諏訪市は長野県の中央部にある人口約5万人の城下町で、精密機械工業やハイテク産業が集積する工業都市であり、諏訪湖に面して諏訪大社を擁する観光地。駅弁は1906(明治39)年からの駅弁屋が1972(昭和47)年に廃業、辰野駅の駅弁屋が進出したが2003(平成15)年頃に廃業、塩尻駅の駅弁が置かれたが2014(平成16)年頃に終了。2020年に下記のとおり「諏訪弁ほいじゃねェ」が出現。1905(明治38)年11月25日開業、長野県諏訪市諏訪一丁目。

諏訪弁ほいじゃねェ(1,080円)2020年11月23日に上諏訪駅の売店で購入
Suwaben Hoijane

掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

2020(令和2)年1月24日の発売。上諏訪駅前の「れすとらん割烹 いずみ屋」、諏訪で1956(昭和31)年に創業したラーメンチェーン店「テンホウ」、2017(平成29)年に開業した上諏訪駅徒歩5分のゲストハウス「TATAMI」の3者が、諏訪の食と観光の魅力をアピールしようと弁当を開発し、JR上諏訪駅のコンビニエンスストア「NEWDAYS」で売られるようになったもの。調製はいずみ屋が担当。

掛紙には諏訪の寺院と紅葉の写真が使われる。6区画の中身は、ワカサギ唐揚と飯、川エビ煮付と飯、コイの甘酢あんかけ、野沢菜餃子と豚味噌焼、しみ豆腐、カリンの寒天やリンゴなど。この掛紙と中身は、発売1年未満ですでに何度か変わったという。諏訪の駅弁として食べて印象的で、それでいてそんなに癖はなく、そして他の事例ならばとても続かなそうな手の込んだものが、一年近くも駅売り弁当として続いていることもまた印象的だった。

10月にはJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2020」へのエントリー、第1位の駅弁大将軍を受賞した。今まではよく知られた駅弁やその派生品が受賞し、話題性では箔を追加したに過ぎなかったこのイベントで、調製元ともども新規の駅弁が受賞したことで、約10年前にJR九州管内で起きたように、新たな駅弁ブームを創出できるかどうか。

この駅弁は上諏訪駅では、2022年の秋までに終売の模様。購入には駅近くの調製元で事前に予約する必要がある。

※2023年9月補訂:駅での終売と現況を追記
販売駅
中央本線 上諏訪(かみすわ)駅 1905(明治38)年11月25日開業 長野県諏訪市諏訪一丁目
調製元
れすとらん割烹いずみ屋 長野県諏訪市諏訪1−2−4 0266(52)3267 https://akr6460327847.owst.jp/

【掛紙】杣人(そまびと)弁当(620円)1995年9月9日調製
Somabito Bento

掛紙

1995(平成7)年9月9日7時の調製と思われる、昔の上諏訪駅弁の掛紙。国土地理院の地形図が掛紙の絵柄となっている。この杣人弁当は上諏訪駅を代表する駅弁で、御幣餅や鯉甘露煮が入った幕の内弁当だった。

販売駅
中央本線 上諏訪(かみすわ)駅 1905(明治38)年11月25日開業 長野県諏訪市諏訪一丁目
調製元
有限会社 山なか 長野県上伊那郡辰野町1800 連絡先の記載なし

【掛紙】お好み弁当(400円)調製年月日不詳
Okonomi Bento

掛紙

1970年代のものと思われる、昔の上諏訪駅弁の掛紙。諏訪湖のほとりの高島城の、1970(昭和45)年に建てられた復興天守を描く。

販売駅
中央本線 上諏訪(かみすわ)駅 1905(明治38)年11月25日開業 長野県諏訪市諏訪一丁目
調製元
有限会社 山なか 長野県上伊那郡辰野町1800 連絡先の記載なし

【掛紙】たれはうなぎ辨當(100円)調製年月日不詳
Tare wa Unagi Bento

掛紙

昭和30年代頃の調製と思われる、昔の上諏訪駅弁の掛紙。当時の上諏訪駅の駅弁屋はすでにないが、同じ諏訪湖を沿岸として、やはり駅弁屋が消えた岡谷では、うなぎ弁当を名物駅弁化する動きがあり、昔からの地域の名物なのだろう。

販売駅
中央本線 岡谷(おかや)駅 1905(明治38)年11月25日開業 長野県岡谷市本町一丁目
調製元
かわぜん 長野県諏訪市上諏訪 254番

【掛紙】御辨當(30銭)1934年1月21日調製
Obento

掛紙

1934(昭和9)年1月21日18時の調製と思われる、昔の上諏訪駅弁の掛紙。当時の人々はこんな格好をしてスキーを楽しんでいたことや、当時から霧ヶ峰(霧ヶ峯)がスキーの名所だったことが分かる。

販売駅
中央本線 上諏訪(かみすわ)駅 1905(明治38)年11月25日開業 長野県諏訪市諏訪一丁目
調製元
川善 上諏訪駅 連絡先の記載なし

【掛紙】御辨當(30銭)1931年8月3日調製
Obento

掛紙

1931(昭和6)年8月3日5時の調製と思われる、昔の上諏訪駅弁の掛紙。水面と笹藪と蛇籠で諏訪湖を描いたように思えるがどうだろう。ここでの名所は、諏訪湖畔温泉遊覧地、官幣大社諏訪神社、高島城跡。調製元の名前と駅名が温泉マークに入る。

販売駅
中央本線 上諏訪(かみすわ)駅 1905(明治38)年11月25日開業 長野県諏訪市諏訪一丁目
調製元
川善 上諏訪駅 連絡先の記載なし

【掛紙】上等辨當(35銭)Joto Bento
1928年9月3日調製 Sep. 3, 1928

掛紙

1928(昭和3)年9月3日の調製と思われる、昔の上諏訪駅弁の掛紙。下記の1927年のものとまったく同じ、諏訪湖と富士山と八ヶ岳を描く構図を、黄色い版を追加した2色カラーで表す。左右にあった注意書きも改訂。貝殻の調製元表記や、専用欄が風景に紛れ込む調製印と、工夫された絵柄が興味深い。

販売駅
中央本線 上諏訪(かみすわ)駅 1905(明治38)年11月25日開業 長野県諏訪市諏訪一丁目
調製元
川善 中央線上諏訪駅前 254番

【掛紙】上等辨當(35銭)1927年3月8日調製
Joto Bento

掛紙

1927(昭和2)年3月8日の調製と思われる、昔の上諏訪駅弁の掛紙。歌川広重「不二三十六景」信濃諏訪湖に似た構図で、諏訪湖と富士山と八ヶ岳を描く。ここでの名所は、諏訪大社と諏訪湖の納涼と高嶋城跡。

販売駅
中央本線 上諏訪(かみすわ)駅 1905(明治38)年11月25日開業 長野県諏訪市諏訪一丁目
調製元
川善 中央線上諏訪駅前 254番

【掛紙】御壽司(20銭)Osushi
調製年月日不詳 1920's

掛紙

おそらく1920年代、大正時代末期か昭和時代初期のものと思われる、昔の上諏訪駅弁の掛紙。諏訪湖と富士と八ヶ岳を描いたのだろう、江戸時代かそれ以前から現在まで親しまれる構図。上記の掛紙「上等辨當」と、色は違えどまったく同じ絵柄。

販売駅
中央本線 上諏訪(かみすわ)駅 1905(明治38)年11月25日開業 長野県諏訪市諏訪一丁目
調製元
川善 中央線上諏訪駅前 254番

【掛紙】普通辨當(20銭)Futsu Bento
調製年月日不詳 1920's

掛紙

おそらく1920年代、大正時代末期か昭和時代初期のものと思われる、昔の上諏訪駅弁の掛紙。諏訪湖と富士と八ヶ岳を描く構図は、上記の掛紙「御壽司」「上等辨當」と同じで、色が違う。「、色は違えどまったく同じ絵柄。「並等辨當」や「御辨當」でない「普通辨當」の名は、当時の鉄道省の規程にあるものの、この名をそのまま使う事例は珍しいと思う。

販売駅
中央本線 上諏訪(かみすわ)駅 1905(明治38)年11月25日開業 長野県諏訪市諏訪一丁目
調製元
川善 中央線上諏訪駅前 254番

JR東日本 下諏訪(しもすわ)駅 JR-East Shimosuwa Station
2020(令和2)年11月訪問 GoogleMap「下諏訪駅」

駅名標 駅舎 駅構内

新宿駅から特急あずさで2時間強。下諏訪町は長野県の中部で諏訪湖に面する、人口約2万人の門前町(鳥居前町)。古くから諏訪大社下社と下諏訪温泉があり、中山道と甲州街道の下諏訪宿が位置する。下諏訪駅の駅弁があったと聞いたことはないが、小淵沢駅や塩尻駅などの駅弁が売られたことはあるらしい。1905(明治38)年11月25日開業、長野県諏訪郡下諏訪町広瀬町。