駅弁の消えた王寺駅で見つけた柿の葉寿司。厚めの木枠の正方形の容器に鯖の柿の葉寿司を8個詰めて、木目調のボール紙でふたをして押し寿司のようにゴムで留め、朱色の掛紙を巻いてビニールひもでしばる。調製元は社名どおりの柿の葉寿司屋さんだが、公式サイトによると戦前には現在の近鉄吉野線六田(むだ)駅の駅弁屋であったようだ。なお、伊丹空港と関西空港でも販売があるそうで、そこの空弁としても紹介される。
関西本線が和歌山線を分ける王寺駅は、かつて公式な駅弁販売駅で、安くて素朴な幕の内弁当が2000年頃まで売られていたそだが、駅前再開発を機にしたのかどうか、駅弁屋は駅弁と構内うどん店をやめて駅前のとんこつラーメン屋に変わった模様。
価格は2004年の購入時で1,030円、2015年時点で1,176円。今も駅や空港で売られているのだろうか。
※2015年9月補訂:値上げを追記駅弁の消えた王寺駅で見つけた柿の葉寿司。厚めの木枠の正方形の容器に鯖と鮭の柿の葉寿司を8個詰めて、木目調のボール紙でふたをして押し寿司のようにゴムで留め、朱色の掛紙を巻いてビニールひもでしばる。「柿の葉塾」なる小冊子を添付。この地域の駅売り柿の葉寿司を駅弁扱いしていてはキリがないが、王寺駅に駅弁がなく、駅で買えて、見栄えが駅弁らしいので、独断で駅弁と見たい。なお、伊丹空港と関西空港でも販売があるそうで、そこの空弁としても紹介される。
価格は2004年の購入時で1,100円、2015年時点で1,305円。今も駅や空港で売られているのだろうか。
※2015年9月補訂:値上げを追記昔の王寺駅弁の掛紙と考えられる。おそらく、御飯とおかずの折箱を重ねた上等幕の内の、御飯にかけた掛紙ではないだろうか。「空箱は備え付けの屑物入れに」とあるので、仕出し弁当でなく駅売り弁当のものだろう。
1910年代、明治時代末期か大正時代初期のものと思われる、昔の王寺駅弁の掛紙。笹藪と豹(ひょう)を描いた水墨の襖絵のように見える、味わい深い絵柄。調製元のさかたは、1928(昭和3)年4月にだるま軒が進出する前の構内営業者だろうか。
1910年代、明治時代末期か大正時代初期のものと思われる、昔の王寺駅弁の掛紙。上記の駅弁「御辨當」と同じ内容と構図の絵柄を持つ。
大阪阿部野橋駅から近鉄電車で約1時間半の終着駅。吉野町は奈良県の中部の山間に位置する、人口約6千人の町。千年以上の歴史が残る景勝地や聖地として、修験の道や春の桜など、年に百万人以上の観光客を集める。駅弁はない。1928(昭和3)年3月25日開業、奈良県吉野郡吉野町吉野山。
近鉄吉野駅前の食堂で店頭販売されていた奈良名物柿の葉寿司。柿の葉色一色の古風な包み紙で長方形の経木枠の容器を包む。中身はサバの柿の葉寿司が8個。飯は小粒で鯖は薄く、著名品と比較して旨味は劣る。中身はその場で詰められるので、鮭など他の種類を組み合わせることができる。
吉野は桜の時期には特に人を集める著名観光地で、吉野駅は大阪阿部野橋と近鉄特急で結ばれる。しかし訪問日は小雪舞う真冬の平日で、駅周辺には駅員と運転士と車掌と私しかいないような状態。それでも数軒が横並ぶ駅前商店群で唯一店を開けていた営業姿勢に敬意を表し、吉野駅の駅弁と考える。包装紙にも「近鉄吉野駅前売店」とあるのでOK。