東京と日本の中央駅。東海道・山陽・東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線、東海道・中央・総武・東北の各線、山手線や京浜東北線などの電車が、一日あたり3000本以上行き交い、100万人以上の利用者で終日賑わう。駅弁はJRの子会社が調製するもので100種類以上とも、エキナカの商品を含めて400種類以上とも、デパ地下の弁当を含めて1000種類以上ともいわれる、世界一の駅弁販売駅。1914(大正3)年12月20日開業、東京都千代田区丸の内1丁目。
2014(平成26)年10月10日の発売。E7系は翌年3月の北陸新幹線向けの新幹線電車であるが、同年3月から当時の長野新幹線で営業運転を始めていた。その先頭車の形状を模したプラ容器を、駅弁の名前を三面に記したスリーブに収める。中身は鮭おにぎりとツナおにぎり、鶏唐揚、海老フリッター、ポークウインナー、肉団子、ポテトフライ、玉子入りマカロニサラダ、パプリカ、大根漬、丸いプチケーキなどの、少々大人向けなお子様ランチ。この容器は販売者側にとって使いやすく売りやすいのか、台湾の台北駅や2018年のフランスのリヨン駅での日本駅弁の販売でも使われた。価格は2015年の購入時で1,300円、2022年6月から1,350円。
※2022年6月補訂:値上げを追記2018(平成30)年8月1日に東京駅で発売。調製元はなんと兵庫県は新神戸駅などの駅弁屋。同社の「ひっぱりだこ飯」などの主な駅弁は東京駅でも毎日売られ、リラックマの駅弁も来たことがあるが、ここでは「JR東京駅 淡路屋」とパッケージに明記し、さらにびっくり。
正八角形の容器と、駅弁の名前のとおりリラックマと山手線を描くスリーブは、JR山手線の色であるウグイス色(黄緑色)をしている。中身はマーガリン飯、目玉焼き、とんかつ、ペンネ、鶏つくね、ブロッコリー、エビフライ、ポテトサラダなどのお子様ランチ。山手線の環状運転にちなみ、丸い食べ物を多用したそうな。2020年1月までの販売。
サンエックスはキャラクター「リラックマ」の15周年を記念して、2018(平成30)年8月1〜15日にJR山手線でリラックマのラッピング電車を運行、電車や乗務員とこのキャラクターを使う雑貨を販売するなどの商業展開を実施した。
※2020年12月補訂:終売を追記趣旨から2014(平成26)年3月のE7系新幹線電車デビューの頃に発売か。ボール紙でその先頭車の特徴を再現した容器に、プラ製の細長い惣菜容器を二段に重ねて入れる。中身は下段はチキン弁当のケチャップライスにパインなど、上段はハンバーグやエビフライやポテトフライなどのお子様ランチ。同年内のみの販売か。
JR東日本のE7系新幹線電車は、北陸新幹線の長野駅〜金沢駅の開業に向けて作られたものだが、同区間の開業1年前である2014(平成26)年3月のダイヤ改正時から、東京駅〜長野駅の長野新幹線「あさま」で使い始めた。1997(平成9)年10月に開業した高崎駅〜長野駅も、公式な路線名称は北陸新幹線なので、金沢駅行きでなくても北陸新幹線で使い始めたといえる。17年の時を経て、従前のE2系新幹線電車の8両編成から、グランクラス付きの12両編成へ進化した。JR西日本も同型のW7系新幹線電車を製造する予定。
東北新幹線「はやぶさ」のデビューを記念して、2011(平成23)年3月5日に発売。同列車に使われるE5系新幹線電車の車体をデザインした専用のボール紙箱は、その底面に封入されるパーツを付けることで先頭車の形状を模したものに化ける。小さく透明なプラ製容器にはケチャップライスが一面に敷かれ、その上にハンバーグ、半熟玉子、鶏唐揚、エビフライ、ハッシュドポテト、ブロッコリー、マカロニ、ポテトサラダ、鳥形のニンジン煮、りんごシロップ漬、チェリー。
過去に出た新幹線先頭車型の容器を使う駅弁と同じく、これも中身はお子様ランチ。ボール紙製容器の組み立ては簡単で、「チキン弁当」のケチャップライスに「ポケモン弁当」のハンバーグなど、既存の駅弁で実績のある中身がしっかりしており、その分量も価格も悪くない。駅弁大会向け粗製濫造商品とは一線を画す、お子様連れでの新幹線旅行のお供になれる一品。2012年までの販売か。
E5系新幹線電車は、いわゆる名古屋新幹線訴訟を受けた世界一厳しい環境基準を時速320km運転で満たすため、先頭車は全長25mのうち15mがノーズとなり、先頭車の客室がとても小さなものになった。東京方先頭車である1号車は普通車として、中間車であれば最大20列を取る座席を6列分だけ取り、新青森方先頭車である10号車は、普通車で横5人、グリーン車で横4人取る座席を3人分だけ取り、これを6列並べて定員18名の仮称「スーパーグリーン車」、正式名称「グランクラス」としている。
JRのグリーン車より上級な座席は、昔の三等級制は無視するとしても、すでにJR九州が2005年10月から「DXグリーン」を設けている。しかし在京マスコミは少なくとも1988(昭和63)年4月の全駅全列車分煙化の頃からJR九州の施策を知らないか取り上げないようで、グリーン車より高級なグレードを初めて設けたと騒ぎ立てた。おかげでグランクラスは連日満席の賑わい。見学禁止のために係員を張り付けるほどの注目を集めている。
※2019年9月補訂:終売を追記掛紙に記載のとおり、2011(平成23)年3月5〜6日に東京駅で開催された第13回東日本縦断駅弁大会で販売された記念駅弁。この駅弁大会そのものが、東北新幹線「はやぶさ」のデビューを記念したものである。真っ黒な長方形の容器に、「はやぶさ」用新幹線電車の写真をデザインした、その車体の色の掛紙を巻く。
中身は「深川めし」とあるアサリ炊込飯、「鮭はらこめし」とある鮭の混ぜ御飯、メヒカリ唐揚、ホタテフライ、しそ巻クルミ揚、アピオス(ほどいも)の素揚げ、ナスずんだ和え、梅しそ巻、ミズ生姜漬、笹かまぼこ、ナガイモやニンジンなどの煮物、南蛮味噌。その内容は「はやぶさ」停車駅である東京と仙台と青森にちなんでいると思う。しかしそれぞれの具材はNREの駅弁に普段入るものより味が落ちる感じ。掛紙があれば足りる記念駅弁ではあるが、今回はどうしたものか。
東北新幹線「はやぶさ」は2011年3月5日の登場。最高時速320km運転を目指す新型の新幹線電車「E5系」のデビューに際し、2009年3月に廃止された東京発着九州方面の寝台特急列車から列車名を召し上げて、この車両を使う列車に付与した。この日から東京〜新青森2往復、東京〜仙台1往復で運行を開始、将来的にE5系は東北新幹線の標準的な車両とするようで、「やまびこ」「なすの」は分からないが「はやて」はすべてこれに置き換わるという新聞報道がなされている。
東北新幹線「はやぶさ」のデビューを記念して、2011(平成23)年3月5日に発売。E5系新幹線電車の写真を焼き付けたアルマイト製の弁当箱を、その車体色やロゴマークに弁当名とデビュー年月日などを印刷したボール紙の枠にはめる。中身は日の丸御飯にじゃこ山椒ともろみ漬を添えて、おかずとして大きな玉子焼とサーモントラウト塩焼、ホタテ煮、タケノコとレンコンとニンジンの煮物、イカ煮、ミズ生姜漬、りんごシロップ漬を詰めるもの。
これはまるで9年前の「はやて弁当」のフラッシュバック。今回は中身の紹介がまったくないため、そのコンセプトは分からないが、鮭やタケノコや玉子焼がなんとなくロングノーズしている気がする。容器は数量限定とされ、5月頃までは販売されていた模様。この駅弁の購入日である3月6日付でNREは容器在庫切れのニュースリリースを出したが、タイミングが良すぎるので話題作りの確信犯なのではと思うところ。
山手線100周年をまた記念して、2010(平成22)年の京王百貨店駅弁大会の会期に合わせて1月7日から19日まで販売された記念駅弁。正方形の経木枠の容器に、山手線の昔の電車の写真を掲載した掛紙をかける。中身は日の丸御飯とあさり御飯、鮭塩焼、鶏照焼、とんかつ、玉子焼、ニシン昆布煮、有頭海老、ニンジンやサトイモなどの煮物、べったら漬、うぐいす豆など。掛紙と名前で駅弁と駅弁大会を盛り上げる目的の商品なのだろう、東京駅などで過去に出された各種の記念弁当と、同じ価格と容器でありほとんど同じ内容である。
写真の国鉄103系電車は、山手線のために開発された。中央線に投入されたオレンジ色の新性能電車101系は、電力消費量が多いため変電所設備の増強を必要としたため、当面の混雑緩和を目的に加速性能を落として製造費と電気代と設備投資費用を節約した新形式を起こして、1964(昭和39)年に投入されたものである。
この経済的な電車は高度経済成長で増加が止まらない首都圏の通勤電車需要と国鉄の財政難により量産が続き、最終的には21年間で3,447両も製造されるという、空前かつおそらく絶後の一大グループとなった。これは使い勝手の良さもあったのだろうが、国鉄末期に財政危機や組合問題で新しい車両や技術の導入が滞った影響でもある。
2011年現在でも、私鉄並行区間を除いて新車の投入が控えめなJR西日本と、1983年の筑肥線電化の際に製造された比較的新しめな電車のみを持つJR九州での活躍が続く。山手線からは1988年6月に撤退したが、写真の顔を持ついわゆる低運転台の車両は、信号設備のATC化により1981年までに撤退している。
2010(平成22)年1月10日に購入した東京駅弁の掛紙。中身や価格は上の駅弁「山手線100年の歴史弁当」と同じで、掛紙の写真が国鉄ホデ6100電車となっている。
今では鉄道や列車の代名詞となっている「電車」は、明治時代から第二次大戦を経て昭和20〜30年代くらいまで、通常の鉄道である「汽車」に比べて速度も輸送力も劣る、今では路面電車やチンチン電車と呼ばれるタイプの鉄道車両を指していた。鉄道ファンに機関車列車やディーゼルカーを電車と言うと怒られるし、古くから活躍する鉄道趣味界の重鎮に通常の鉄道を電車と言うと嫌悪感を抱かれるそうな。
2010(平成22)年1月10日に購入した東京駅弁の掛紙。中身や価格は下のものと同じで、掛紙の写真が国鉄63系電車となっている。
第二次大戦中に工場や工員の増加や自動車の燃料難で利用者が急増した都市部の路線の輸送力増強と、終戦直後の殺人的混雑をさばくため、1944(昭和19)年から1951(昭和26)年にかけて乏しい資材で688両も製造した通勤型電車。1951(昭和26)年4月に106人が焼死した電車火災「桜木町事故」を契機に車両の改善は進んだが、この電車が生んだ全長20メートル、片側4扉という車両構造は、その戦争中に発生して21世紀の今日まで続く首都圏の混雑電車にそのまま受け継がれている。
パッケージから判断しておそらく、下記「山手線命名100周年記念弁当」と同じく、山手線の命名100周年を記念して、2009(平成21)年10月に販売した記念商品だと思う。えらくワイドボディな山手線電車型のボール紙箱に、小さな小さな鮭おにぎり、梅干おにぎり、アサリ佃煮おにぎりを各1個、まとめて透明なプラ製容器に詰めるもの。コンビニおにぎりよりちょっと割高だけれども、鉄道ファンなら買って楽しい超軽食。
第二次大戦前の路線名は、漢字名こそかっちり定義されたが、これに読み仮名が振られていなかった。第二次大戦後に日本へ進駐した米軍の指示により、鉄道の駅名標や列車の行先表示板にアルファベットを振る際に、当時も今と同じ「やまのてせん」と呼ばれていた山手線に「YAMATE LINE」と書いたため、「やまてせん」の呼び方も昭和の頃は広く使われた。
今は時刻表でも電車の行先表示器でも「やまのてせん」「YAMANOTE LINE」で統一されているが、業務用や鉄道ファンの間では、ヤマテセンの名こそ聞かないものの略称として「ヤマテ」の呼称も使われる。
駅弁の名前のとおり山手線の命名100周年を記念して、2009(平成21)年10月1日から31日まで東京・品川・新宿・上野の各駅で販売された記念駅弁。真円形の経木枠の容器に透明な丸いふたをして、容器の形状に合った緑色の掛紙を巻いて、食品表示ラベルで留める。中身はケチャップライスに丸いグリーンピースと円形の玉子焼、丸いトンカツとハンバーグとポテトコロッケとパスタと揚げナス、さくらんぼなど。
円形と緑色にこだわった、しかし食べておいしい洋食弁当。付録のシール2枚とおしながきも緑色で丸いし、実はケチャップライスの上に「100」の数字が描かれるし、掛紙の「山手線うんちく劇場♪」は販売駅ごとにその駅の情報が書かれたという、1か月で販売期間を終えるのがもったいないほどたくさんのこだわりに包まれていた。
現在のJR線の路線名の多くが、1909(明治42)年10月12日の鉄道院告示第54号「国有鉄道線路名称」で制定されており、山手線に限らず北は富良野線から南は長崎本線まで命名100周年となる。当時の山手線は赤羽〜品川間と池袋〜田端間と大崎〜大井間で、現在は品川〜田端間となっている。公式には東京〜品川間は東海道本線を、東京〜田端間は東北本線を走っているということは、鉄道ファンへの初級問題。現在のような環状運転が開始されたのは1925(大正14)年11月1日のことである。
下記の駅弁「はやて弁当」の通常版。中身はまったく同じで、箱のデザインも同じで、その材質がアルマイトではなくボール紙となっている。発売時の話題性が先行したものの、上質な内容は千円出して買う価値があると評判を呼んだ。2004年1月の終売という。
東北新幹線八戸延伸に伴い八戸発着列車に付けられた新しい列車名「はやて」。1929(昭和4)年に当時の鉄道省が旅客誘致のために、従前は列車番号で呼ばれていた特別急行列車に愛称を付ける際に公募した名称の上位十傑で、現在までに唯一使用されたことがなかったものが「疾風(はやて)」であった。
産業や生活に悪影響を及ぼす暴風のイメージが敬遠されたとされているが、第一次産業の従事人口が1割を切るに到ると、最高時速275km(新線区間は260km)の速さを表現するのにふさわしい名前と判断されたようだ。近年に何度も風台風が津軽平野のりんごに壊滅的打撃を与えたのに、よくぞ青森県内初進出の新幹線列車名に採用できたものだ。
※2011年11月補訂:終売時期を追記東北新幹線八戸延伸による新幹線「はやて」登場を記念して、2002(平成14)年12月1日に発売。大きな南高梅とゴマやじゃこを載せた御飯に、東京築地の玉子焼専門店が手作りしたという玉子焼、色鮮やかな紅鮭、大粒な帆立や野菜の煮物など、普通の駅弁にありふれた食材を高級志向にして詰める。
通常の紙箱入り「はやて弁当」の定価は1,000円だが、2万個限定でアルマイト製容器に入れた1,600円のバージョンを期間限定で発売し、これが大変な人気だった。いずれも容器には新幹線「はやて」型車両と月光仮面を描いたイラストを載せる。東京・上野・大宮・仙台・八戸の各駅と新幹線「はやて」車内での販売。