京浜急行電鉄の時刻表「京急時刻表」を紹介します。
平日朝の座席定員制列車「モーニング・ウイング号」2本の新設と、夜間の羽田空港発着列車と土休日朝の泉岳寺発着列車の一部増強を実施した、2015年12月5日ダイヤ改正の時刻を収録しています。
時刻表そのものは、2000年7月以来の大規模変更。大きさがA5判からB5判に変わり、交通新聞社の発行からJTBパブリッシングの編集に変わり、京急アドエンタープライズが編集者から発行者に変わりました。中身の構成は従前を踏襲。本文の数字が大きくなり、フォントが「JR時刻表」風から「JTB時刻表」風に変わり、巻頭カラーでモーニング・ウイング号の運行開始が案内され、巻末で2ページ分の「京急車両図鑑」が15年ぶりに復活しました。ページ数は巻末の広告も含めてカウントされています。価格は100円のアップ。
エアポート快速の所要時間を1分縮め、日中に都営浅草線内で快速運転する快特を倍増の20分間隔とし、平日の朝夕の神奈川新町・金沢文庫間で快特・特急・エアポート急行・普通の運行順を変更し、早朝や夜間の空港線列車の格上げや増発を実施した、2014年11月8日ダイヤ改正の時刻を収録しています。
表紙には、2003年7月以来11年ぶりにダイヤ改正のアピールが戻りました。表紙の電車は左から、この年の5月に登場した新1000形「京急イエローハッピートレイン」、2005年3月から継続中の600形「京急ブルースカイトレイン」、2013年8月の更新で前年10月誕生のキャラクター「けいきゅん」を貼り付けた2100形の並び。普通旅客運賃表の10円単位表記が1円単位表記になり、ページ数が1ページ増加。巻末の広告が1ページ分減り、全196ページは変わりません。10円の値上げは消費税率の改定分。
平日の朝夕の神奈川新町・金沢文庫間で快特・特急・エアポート急行・普通の運行順を変更し、混雑の平準化や待避の減少を実施した、2013年10月26日ダイヤ一部変更の時刻を収録しています。京急蒲田駅の高架化で大きく変えたダイヤを、ダイヤ「一部変更」の名のとおり、線内で部分的に改良した感じ。時刻表のつくりは変わりありません。定価の表記方法が変わり、巻末の広告が4ページ増え、全体のページ数が196ページになりました。
京急蒲田駅付近連続立体交差事業の進展による、本線と空港線の全面的な高架化に伴い、エアポート急行とエアポート快特の振替による品川方面・羽田空港間「快特」10分間隔化、横浜方面・羽田空港間「エアポート急行」の増発による10分間隔化、日中で品川・京急蒲田間普通車の毎時3往復の増発、平日朝ラッシュ時の羽田空港行の増発などを実施した、2012年10月21日ダイヤ改正の時刻を収録しています。
時刻表のつくりは変わりませんが、ダイヤ「改正」のとおりの列車の増発で、本文が平日で6ページ、土休日で2ページ増となり、時刻表のページ数そのものが8ページ増となっています。表紙写真は引き続き、新1000形ステンレス車。
2011年3月の東日本大震災による電力不足に伴う節電対策(一部列車の運休)の見直しに伴い、日中時間帯の普通車で南太田待避の解消や運休していた京急川崎・金沢文庫間毎時3本の正式な廃止などを実施した、2011年9月23日ダイヤ変更の時刻を収録しています。
中身の見た目は変わりませんが、内容がさらに削られています。前回に空港駅開業の記事を載せた巻頭4ページ分の特集エリアが消え、内容から他社線乗り換え時刻表がなくなり2ページ減、さらに巻末の広告が14ページ分から8ページ分に減り、全体のページ数が192ページから182ページへ減りました。表紙写真の新1000形ステンレス車の快特京急久里浜行は、どこの駅を走っているのでしょうか。裏表紙の東芝の広告では、実に9年間も使い回し、すでに高校生くらいの年齢になったのではないかと思う子供たちの写真が、ようやく差し替わりました。
羽田空港国際線ターミナル駅の開業に伴い、同駅にすべての列車が停車した、2010年10月21日ダイヤ変更の時刻を収録しています。
今回のダイヤ「変更」の内容は、単に空港線列車の停車駅が増えただけ。京急ではこの年の5月16日に、京急蒲田駅付近連続立体交差事業の進展による、本線の上下線と空港線の上り線の高架化に合わせて、品川・羽田空港間をノンストップ16分で結ぶ「エアポート快特」や、羽田空港・新逗子間で急行運転を行う「エアポート急行」の設定や、京急川崎・金沢文庫間の快特と空港直通列車との併結をやめた大規模なダイヤ改正を実施、7月17日には成田スカイアクセス(京成成田空港線)開業に伴い、京成線内の行先や経路や種別が変わるダイヤ改正を実施しましたが、いずれの際にも時刻表は発売されませんでした。
空港線周りの時刻は大きく変わりましたが、時刻表そのものの内容の構成は変わりません。特集ページでは久々に、適当な観光案内ではなく、新駅開業というダイヤ改正の内容に伴うものになりました。表紙はグード図法による世界地図と、ボーイング747と思われる飛行機と、新1000形ステンレス車との組合せ。
新たな信号保安装置「C−ATS」の導入や羽田空港再国際化に伴い、早朝や深夜の空港線での快特増発や普通車の急行化と、久里浜線の夜の上り快特1本の増発を実施した、2009年2月14日ダイヤ改正の時刻を収録しています。
平成20年度版の京急電車時刻表は発行されず、年が明けてこの「平成21年版」が発行されました。今回は定価が50円値下げの300円となりましたが、中身のつくりは同じです。前回からのページ数の減少は、巻末広告のページ番号がなくなったため。「他社線乗り換え時刻表」(駅時刻表)から品川駅が消えて2ページ減、巻末の広告が2ページ増で、全192ページが維持されています。表紙写真は京急川崎駅付近かと思ったら、目次に「*表紙の写真はCG合成です。」とあるため、架空の景色のようです。
京急蒲田駅付近連続立体交差事業の進展による、上り本線の仮設線路への切替に合わせて、平日朝の羽田空港行特急の快特待避廃止と一部列車の時刻修整を実施した、2007年12月2日ダイヤ修正の時刻を収録しています。
本文の時刻表を含め、表紙をのぞく内容の変更はほとんどありません。紙質の変更で、ページ数を変えないまま本の厚さが約6ミリから約8ミリへ3割ほど増えています。表紙は赤でも青でもなく、品川駅ですれ違う新1000形の高砂行と旧1000形の新逗子行。
京急蒲田駅付近連続立体交差事業の進展による、下り本線の仮設線路への切替に合わせて、同駅での日中の下り快特と羽田空港行との接続や、朝晩の増発や平日朝の急行の平和島待避の廃止などを実施した、2006年12月10日ダイヤ改正の時刻を収録しています。
引き続き、中身の見た目に変化はありません。ダイヤ改正もメインは京成で、京急も都営や北総そして新京成とともに同日のダイヤ改正をしたという感じ。一方で表紙には1987年7月以来約19年ぶりに、京急の赤色が戻ってきました。表紙写真では右から800形、2000形、新1000形、2100形、600形、1500形、旧1000形が勢揃い。
京急蒲田駅付近連続立体交差事業の進捗による、京急蒲田駅仮ホームの新設に伴い、秒単位での停車時間や運転時分の変更や、一部列車の待避駅の変更を実施した、2005年10月2日ダイヤ一部変更の時刻を収録しています。
ということで、見た目も中身も、本文も特集記事も、前年とほとんど変わりません。「改正」でも「修正」でも「変更」でもない「一部変更」号。まるで年に一度の刊行を続けるために出てきたように思えます。表紙にはアイコンに留まらない電車の写真が戻り、左上から2100形、新1000形、2005年3月登場の600形「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」、そして8形式が横並びの集合写真。
早朝深夜の羽田空港発着列車を若干増発した、2004年10月30日のダイヤ改正の時刻を収録しています。
発行元と本のサイズを変えないまま表紙のデザインを大きく変えて、価格は150円値下げの350円。前年までの平日時刻青紙、土休日時刻赤紙の色紙の使用をやめてすべて白紙とし、中身を鉄道の時刻表本文と路線図や営業案内と少々の沿線案内や広告など、鉄道時刻表に関する内容に絞り、高速・路線・リムジンバスや羽田アクセスの情報を削除。ページ数が減り、淋しくシンプルになりました。
品川・羽田空港間の日中の特急を快特に格上げし、平日朝夕の羽田空港・横浜方面間直通電車を増発、土休日の羽田空港・横浜方面間直通電車を全電車新逗子発・浦賀着から浦賀・新逗子発着半々に変更した、2003年7月19日のダイヤ改正の時刻を収録しています。
前号と比較して体裁の差異は少ないのですが、編集・発行者と編集協力者が入れ替わり、交通新聞社の編集・発行、京浜急行電鉄の編集協力となりました。表紙は品川駅を発車した快特羽田空港行。
羽田空港・横浜方面直通電車を一日4本から平日56本・土休日92本に大増発し、日中の品川始終着の快特を泉岳寺まで延伸し、エアポート快特が廃止された、2002年10月1日のダイヤ改正の時刻を収録しています。かつては三浦半島の観光名所が載っていた巻頭カラーは、今や半分以上が羽田空港アクセス関連。横浜方面・羽田空港間のアクセス時刻表に割かれています。表紙は新型電車1000形の空港線を行く特急羽田空港行。
日中の都営線直通快特も時速120キロ運転を開始し、夜に羽田空港発横浜方面の直通列車が初めて2本設定された、2001年9月15日のダイヤ改正の時刻を収録しています。これで3年連続、ダイヤ改正日に新刊の時刻表が間に合いました。
巻頭カラーの羽田空港アクセス時刻表が4倍増の16ページに増強され、背表紙と表紙の赤文字「羽田〜都心〜成田アクセス早見表掲載」が光ります。本文には泉岳寺・品川・横浜・羽田空港からの運賃の掲載を開始、巻末の営業案内を見ずに素早く運賃がわかり便利です。
一方、昨年の時刻表では辛うじて残されていた、巻頭カラーでの京急車両データファイルと駅別乗降人員と駅名の変遷はついに削除、以前の京急時刻表らしさが完全に失われました。
土休日や平日夕方の快特が8両編成から12両編成に増強された、2000年7月22日のダイヤ改正の時刻を収録。発行者が協和企画から京急に変更されると共に、弘済出版社が編集協力を実施することで、この号から大きさや価格は変わらないものの中身は大幅に変更されました。JR時刻表と同様に本文を二色刷とし、快特と特急と「京急ウイング号」が赤文字で、急行と普通は黒文字で時刻を掲載、追い抜きが本文に反映されない形となっています。表紙写真は最新型の2100形ではなく、引退間近の2000形クロスシート2扉車である点に興味がひかれます。
発行者が変更されたことで、「沿線ガイド」や「沿線釣り場ガイド」や京急の略史や、高速バス路線の開業年や走行距離などの詳細が姿を消し、ページ数は大幅に減少。時刻表としての機能を考えるとあまり意味のない部分に大なたが振るわれた感があります。巻頭カラーで京急車両データファイルと駅別乗降人員と駅名の変遷は残されています。
列車種別が快特と普通に整理され、朝夕ラッシュ時以外の特急と品川・羽田空港間以外の急行が廃止されるなど大きな変化があった、1999年7月31日のダイヤ改正の時刻を収録。金沢文庫・金沢八景間の複々線化、早朝に三浦海岸・久里浜発羽田空港行の列車が初登場したのもこのダイヤ改正です。平日ダイヤが青紙使用になりました。土休日ダイヤは引き続き赤紙を使用しています。
空港線天空橋(旧・羽田)・羽田空港間が開業した、平成10年11月18日のダイヤ改正時刻を収録。やはり改正日より1カ月程度遅れて時刻表が発行されていますし、4ページ規模の訂正表も添付されています。
大きさは横幅が拡大されてA5変形版からA5版に変更されると共に、土休日ダイヤが赤紙使用になりました。その他の体裁については変化がありません。各駅の乗降人員表や京急の略史の掲載は引き継がれ、この号では歴史の記述が詳しくなっています。巻頭カラーでは沿線の行事を特集。
快速特急や特急の増発や増結が実施された1997年10月4日のダイヤ改正の時刻を収録。表紙には「平成9年9月号」、ダイヤ改正は10月、時刻表の発行日は11月で「平成9年度版」。この号の発行も慌ただしいスケジュールであったのでしょうか。表紙は快速特急用新型車両2100形電車のイラストと、上大岡京急百貨店の写真です。消費税率アップにもかかわらず定価は据え置かれ、実質的な値下げ。
季節ダイヤの廃止と快速特急の野比・長沢停車に休日の快特の三崎口延伸が実施された、1996年7月20日のダイヤ改正時刻を収録。改正日より1カ月以上遅れて時刻表が発行されましたが、別紙添付での訂正個所は80箇所以上もあり、ずいぶんと慌ただしいダイヤ改正であったのでしょう。
本線・久里浜線・逗子線の時刻を一括して平日・土休日別に掲載した後、空港線と大師線、都営線直通電車の都営浅草線・京成・北総・公団線内の時刻表、連絡他社線の駅時刻表、営業案内と東京湾フェリーや高速バスの時刻など。「沿線つり場ガイド」が路線の特色を表しています。沿線ガイドは観光要素がなく公共施設の住所と電話番号のみを掲載。巻頭カラーは沿線の公園の紹介が一部で、広告が主です。各駅の乗降人員表や京急の略史が掲載されています。
通勤快特と平日夕方の下り快速特急が蒲田に停車した、1995年7月24日のダイヤ改正の時刻を収録。前号発行の後の1995年4月1日に快速特急の時速120キロ運転と特急の時速110キロ運転が開始されたダイヤ改正も実施されています。特集は三浦半島のハイキングコース。フルカラー16ページで8コースが紹介されています。
土曜日を平日ダイヤから休日ダイヤに移行した1994年4月2日ダイヤ改正と、生麦駅に下り待避線が完成した同年同月25日ダイヤ改正の時刻を収録。日中の蒲田・羽田間列車が品川発着の急行に延伸された、1993年9月12日ダイヤ改正の時刻も反映されています。列車の増発により20ページの増、表紙はまだ高層ビルが3棟しか建っていない横浜みなとみらい地区と、この月にデビューした地下鉄直通なのにオールクロスシートの600形電車。
空港線が羽田駅まで延伸開業した、1993年4月1日ダイヤ改正の時刻を収録。日中に毎時3往復の品川方面直通急行が登場しましたが、羽田空港へ行くには東京モノレールに乗り換えなければならず、時刻表での宣伝も「新しい空港線」モノクロページ2ページと控えめ。巻頭カラーは三浦半島ハイキングコース案内で、表紙は一応飛行機っぽい図形が描かれるものの、メインは高層ビル群イメージイラストと、京急ウイング号。
京急の時刻表の1992年版です。
北総開発鉄道の全通により京急・都営・京成・北総・公団の5者相互乗り入れが開始された、1991年3月19日のダイヤ改正の時刻を収録。とはいえ時刻表には「5月1日現在」などとあり、改正日に時刻表の発行が間に合っていません。特集は「京急車両変遷史」。掲載モノクロながら6ページに渡り、明治32年の四輪電車から最新型の1500形まで22種類の車両が紹介されています。
京急の時刻表の1989年版です。今更何をとも思うサブタイトルは、前年に横浜博の情報を載せた巻頭カラーページの部分に、今回は沿線の名所やイベントカレンダーを載せたことを示すのでしょう。その他の内容は前号と同じで、価格は30円アップ。
昭和63年度版は「横浜博覧会特集号」(1989/3/25〜1989/10/1開催)として発行されました。南太田の待避線が完成して所要時間短縮と朝の輸送力増強が実施された1987年12月13日のダイヤ改正の時刻を収録。巻頭カラーはもちろん横浜博。しかし横浜博特集は1/3で、広告が1/3、沿線ガイドが1/3と横浜博一色ではありません。夏ダイヤの掲載がなくなりページ数は減りましたが、巻頭カラーは倍増の32ページで横浜博やレジャーガイドと広告を掲載します。価格は50円アップ。
京急の時刻表の1987年版です。価格を30円下げたのにページ数は3割増、接続JR線の駅時刻表が復活したほか、巻末に京急恒例の夏ダイヤを掲載、その他に駅間距離や所要時間、路線開通年表や駅乗降人数や車両紹介、沿線ガイドなる公共機関等リストなど、内容も増量されています。
京急の時刻表の1986年版です。前号と比較して、巻頭カラーの沿線レジャーガイド加わり、都営浅草線経由京成高砂までの京急戦争後直通列車主要駅全列車時刻表が加わりましたが、連絡他社線駅時刻表から国鉄線がすべて削除されました。価格は50円の値上げ。
京急時刻表の創刊号です。折り込みのフルカラー路線図と赤黒二色刷の広告4ページに独自の東京地下鉄路線図を除き、全文が白紙黒文字のモノクロ印刷で、京急線全線全駅全列車の時刻を、追い抜きを反映した協和企画のスタイルで、本線・久里浜線・逗子線の時刻を平日・休日の順でひとつの表にまとめ、空港線と大師線はその次に路線別に掲載しています。その後は接続他社線の駅時刻表、6ページだけの簡単な沿線案内、運賃表、京急リムジンバス時刻表。
久里浜線の休日ダイヤについて、日中毎時6本の4,5,10,11月用と日中毎時3本の1,2,3,6,9,12月用を同時に掲載している点が特徴的です。この頃の京急では三浦半島方面への旺盛なマリンレジャー需要に合わせて夏期に特別ダイヤを組んでいたのですが、時刻表の発行時期の関係か、その時刻は掲載されていません。
特殊な時刻表