小田急電鉄の時刻表「小田急時刻表」を紹介します。
世田谷代田・喜多見間の複々線化の完成で所要時間の短縮し、「快速急行」「区間準急」の新設や多摩急行の増発、急行の経堂停車に「サポート」の愛称廃止、多摩線はるひ野駅開業などが実施された、2004年12月11日ダイヤ改正の時刻を収録。発行年月は翌年ですが、ダイヤ改正前の12月3日頃に発売が開始されています。
冊子も内容も前号と同じく薄いままで、価格は高いまま据え置かれました。今度は表紙に「トラベルMOOK」という交通新聞社の弘済出版社時代からのブランド名が付いており、その一冊として発行されたのでしょうか。
湘南急行の運転時間拡大と増発、多摩急行の増発、多摩線や新宿・向ヶ丘遊園間や江ノ島線の普通列車増発に、小田原線や江ノ島線での大増結で普通列車の輸送力増強が図られた、2003年3月29日ダイヤ改正時刻を収録しています。発行者は小田急電鉄から交通新聞社に変更されましたが、表紙や本文のデザインに大差はありません。
ダイヤの増強とは裏腹に、時刻表は大減量。巻頭カラーは6割減の16ページで特集や宣伝を削除、本文は千代田線の時刻を削除し各ページでの乗換案内をやめてページ数2割減、他社線時刻も東海道新幹線と江ノ電を除き全列車時刻表から駅時刻表に変更しページ数半減、路線バスの駅時刻表と巻末のポケット駅時刻表をすべて削除、という具合。本の厚さは半分以下となったものの価格は1割少々しか下がりませんでした。
新宿・藤沢間に「湘南急行」、千代田線方面・唐木田間に「多摩急行」が登場した、2002年3月23日のダイヤ改正の時刻を収録。つまり、2001年は初めて新刊の時刻表が発行されない年でした。組織改正に伴い発行者が運輸部旅客営業課から旅客サービス部に、合併に伴い編集協力者が弘済出版社から交通新聞社に、それぞれ変更されています。前回の再発行版で青くなった題字の背景は以前の赤に戻りました。
本文は小田急線と江ノ島線が同一ページ掲載となり、多摩線に小田原線方面直通列車の主要駅時刻が追加されたため、最近の流行に反して活字が小さくなりました。他社線では2000年12月開業の都営大江戸線新宿駅の時刻表が登場し、中央本線の時刻表が削除されています。
下記「小田急時刻表(2000ダイヤ改正号)」の新版です。「特集パスネット誕生!」のページが差し替えられたほか、写真のとおり表紙の色使いに変更点が見られます。その他のページと大きさや価格は回収された時刻表と同一です。表紙を差し替えたことで、1997ダイヤ改正号から省略されていた背表紙の書名記載が復活しました。
多摩線に特急と急行が登場し、千代田線直通列車が大増発された、2000年12月2日のダイヤ改正の時刻を収録していますが、発売開始後わずか2日で発売中止、回収となった幻の時刻表です。約57,000部が回収され廃棄されたそうです。
回収の理由は誤植とだけ発表されていますが、誤植のない時刻表はまずありえず、小田急時刻表についても過去には発行後に訂正表を配布しているので、今回の措置は不自然です。誤植の箇所はバスの時刻表部分で15箇所以上とされていますが、本当の理由は17ページ「特集パスネット誕生!」で京急本線、京急空港線、京急大師線をそれぞれ「東急本線」「東急空港線」「東急大師線」と誤植した点にあると言われています。
ページ数は20ページ増と3年ぶりに増加し、定価は逆に10円下がっています。
「1999ダイヤ改正号」発行の翌月に配布された訂正版です。分未満の時刻の端数処理の関係で登戸や南林間など20駅の発車時刻を1分間違えたためとあり、本文の33〜208ページを広告も含めて収録しています。
「あしがら」「さがみ」が廃止され「サポート」「ホームウェイ」が登場した、1999年7月17日のダイヤ改正の時刻を収録しています。総ページ数がまた減少し、以前は充実していた沿線の観光案内がごく簡単なものとなってしまいました。
小田原線と江ノ島線の全線で急行の10両編成での運転を開始した、1998年8月22日のダイヤ改正の時刻を収録しています。改正日に発行が間に合わなかった前号の反省ではないでしょうが、小田急時刻表史上最大となる3週間前の時刻表発売です。総ページ数が38ページも減少、定価は30円の値下げ。
ポケット駅時刻表がB5サイズに9枚収録から4枚収録となり、もはやポケット版とは呼べない大きさです。この号から前号までの誌面充実拡大路線が変更されたようで、カラーページの観光案内が激減し、東海道・山陽以外の新幹線、空港アクセス時刻表も消滅しました。本文では列車名の欄が登場し、ページ左に接続路線の掲載ページを記した「のりかえ案内」が付いていて、かつての交通公社の時刻表を思い起こします。
小田原線喜多見・和泉多摩川間の複々線化完成に伴う、1997年6月23日のダイヤ改正の時刻を収録しています。総ページ数が2ページだけ増えて、定価は80円もの値上げ。小田急では初めて、時刻表の発行が改正日に間に合いませんでした。
特急ロマンスカー用の新型車両「EXE」が登場した1996年3月23日のダイヤ改正の時刻を収録しています。相模鉄道線が新たに全列車収録となり、発行者は組織改正で運輸部旅客営業課に変更されました。
新宿・秦野間で急行の10両運転が開始された、1995年3月4日のダイヤ改正の時刻を収録しています。総ページ数が変わらずに定価が20円下がっています。他社線ページに「空港アクセス時刻表」が新登場、従来から掲載されていた東京モノレールと成田エクスプレスの時刻表を移動し、京急とリムジンバスの時刻表を新たに収録しました。組織改正があったのか、発行者の部署から「運輸事業本部」が取れています。
1994年3月27日のダイヤ改正の時刻を収録しています。巻末のポケット駅時刻表には特急ロマンスカーだけを収録したものが登場しました。
休日の多摩線が大増発され、江ノ島線急行が6両編成に統一された、1993年3月20日のダイヤ改正の時刻を収録しています。表紙のデザインに変化が見られる程度で、前号と比較して変更点の少ない時刻表ですが、定価は100円値上げの720円になりました。
平日の日中と深夜の輸送力増強が図られた、1992年3月28日のダイヤ改正の時刻を収録しています。ダイヤ改正の概要がカラーページに登場し、東京モノレール羽田駅の駅時刻表が追加され、発行者は運輸事業本部運輸部企画課で変更ないものの、発売元として株式会社メディアパルの名前が初めて登場しました。
小田急時刻表初のダイヤ改正号。新宿・御殿場間「あさぎり号」にJR東海と共に新型車両を投入し新宿・沼津間の運転とし、土曜日を平日ダイヤから休日ダイヤに変更した1991年3月16日のダイヤ改正の時刻を収録しています。
新たに伊豆箱根鉄道駿豆線と成田エクスプレスの全駅全列車時刻と東京モノレール浜松町駅の駅時刻表の収録を開始し、埼京線は新宿駅の駅時刻表のみに変更。巻末のポケット駅時刻表も復活しました。
この号から次号の発行予定月が消えて、以降はダイヤ改正号のみの発売となりますが、当時の小田急は毎年3月にダイヤ改正を実施していたため、結果として年刊のような発行となっています。
創刊号でもダイヤ改正号でもない小田急時刻表はこの号だけです。当時は年2回の定期刊を考えていたようで、次号が1991年3月に出ることが巻末に記されています。
創刊号との間にダイヤ改正を挟んでいないため、時刻は他社線やバス路線のみ変更が加えられていますが、本文が二色刷となり特急ロマンスカーの時刻の赤文字での表記がこの号から開始されました。また、この号だけ巻末のポケット駅時刻表は省略され、代わりに季節の観光ガイドを収録してます。高速バス時刻表をカラーページのまま路線バス時刻表の前に移動、赤紙の休日ダイヤの前後にもカラー広告を収録した点も主な変更点。なぜか南武線が全駅全列車収録から登戸駅の駅時刻表のみに変更されています。
小田急時刻表の創刊号です。内容はまず目次から始まり、カラーページで路線図、駅周辺地図、駅構内図、特急ロマンスカーと小田急高速バスの時刻表、観光案内とグループ会社の紹介、広告となり、白紙で平日の時刻、赤紙で休日の時刻、また白紙で他社線と路線バスの時刻、青紙で営業案内と広告を掲載、最後に全駅のポケット駅時刻表を収録しています。
時刻は箱根登山鉄道(ケーブル線を含む)と営団千代田線は全駅全列車を小田急線のページで収録、江ノ電、東海道・山陽・東北・上越新幹線、東海道線・伊東線・伊豆急行線、中央本線(普通列車は高尾以西のみ)、横浜線、相模線、御殿場線も全駅全列車を他社線のページで収録。山手線、中央・総武緩行線、南武線は全駅を、埼京線、中央線快速は全列車を、路線バス時刻表は自社、他社を問わず小田急線の駅についてはすべての路線を収録し、小田急線エリアで考えられる公共交通の利用はほぼカバーできます。
JR時刻表の弘済出版社が編集協力に名を連ねています。また、次号が1990年10月に出ることが巻末に記されています。
特殊な時刻表