banner  旅の友「駅弁」。
 館長が食べた駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。
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ストーブ弁当(1,100円)2015年12月19日に五所川原駅で予約購入
Stove Bento

掛紙 掛紙 外観 外観 外観 外観 中身 中身 中身

2007(平成19)年9月に登場した、津軽鉄道史上初の駅弁。とはいえ、駅で売られるのではなく、12〜3月に限り、3日前まで2個以上の事前予約により、11〜14時に限り津軽鉄道本社、津軽五所川原駅、金木駅のいずれかで受け取れるという、団体やグループ向けのオリジナル弁当。もちろん、条件を満たせば個人でも買える。調製元は五所川原郊外の居酒屋さん。

客車内のストーブをレトロモダンに描いた掛紙を巻く、竹皮編みの容器の中身は、ゆかりとめはりの丸いおにぎりが各1個と、イカとニンジンなどの和え物、焼鮭、カズノコや昆布などの和え物、エビフライ、サトイモ、ホタテなど。中身はメインの食材以外は一定しないようで、様々な内容の写真がネット上で見て取れる。今回に購入したものでは、サケハラスないし焼鮭の代わりに、小さく太めでごつい形の魚一匹を頭を落として焼いて挿入。白身で骨っぽく、腹にはスジコにもなりきれない紅色の卵を抱え、これはなんという魚なのか、個性が強く印象に残った。価格は2007年の発売当時で1,000円、2015年の購入時で1,100円。

津軽鉄道では、現在の路線の開業時から中古車での運行であったり、乗客や貨物の減少による慢性的な経営難により、古く暖房のない客車を使い続けていた。冬になると客席の一部を撤去し、1両あたり2基の石炭ストーブを据え付けた。そのような客車や路線や鉄道会社が各地で消え、気が付けば全国でここだけの存在になると、これが「津軽鉄道のストーブ列車」として注目され、1980年代には観光客が好んで乗りに来るようになっていた。

今はさらに乗客が減り、朝の通勤通学時間帯に客車を使う必要がなくなり、補助金で入れた新車で暖房付きのディーゼルカーで輸送をまかなえるようになったが、ストーブ列車は観光客向けの運行を続けている。毎年12〜3月の日中に、2〜3往復の運転。

調製元
神家 青森県五所川原市稲実字稲葉50−33 0173(34)9056
販売元
津軽鉄道 株式会社 青森県五所川原市大町39番地 0173(34)2148 http://tsutetsu.com/

りんごりんご弁当(1,000円)2017年1月28日に阪神百貨店駅弁大会で購入
Ringo Ringo Bento

掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

2016(平成28)年11月の発売。調製元はJR新青森駅弁のつがる惣菜で、販売元は津軽鉄道。「ストーブ弁当」その他の季節の弁当と同じく、3日前まで2個以上での注文販売となる。りんご色の掛紙には商品名と鉄道会社名、リンゴと鉄道車両、お品書きと「献立:高瀬亘」「監修:小林しのぶ」の文字が描かれる。旅行ジャーナリストの小林しのぶ氏が考案し、東京都代々木の和食店主の高瀬亘氏が具体化。つまり、東京生まれの商品なのだろう。

今回は駅弁大会で購入。とても細長い容器に収まる中身は、「焼きりんごと豚ロースのミルフィーユカツ」「エビしんじょうりんご皮巻き」「りんごのきんぴら」「りんごと鶏ひきにくのミートボール」、りんご酢のちらし寿司と姫りんごの甘露煮。本当にリンゴづくし。デザートでそのまま食べるか、せいぜい焼かれるかのリンゴが、こんなにいろんなものにできるのかと驚いた。

調製元
つがる惣菜 青森県五所川原市一ツ谷540−11 0173(35)4820 http://www.hirajimu.jp/tsugarusouzai/top.html
販売元
津軽鉄道 株式会社 青森県五所川原市大町39番地 0173(34)2148 http://tsutetsu.com/

青い森鉄道 野辺地(のへじ)駅2008年9月13日訪問Googleマップ
Aoimori Railway Noheji Station

駅名標 駅舎 駅構内

青森駅から電車で40〜50分、かつてのJR東北本線である青い森鉄道がJR大湊線を分ける駅。野辺地町は陸奥湾の奥部に位置する人口約1.3万人の港町で、ホタテが特産品であるほか、駅弁「とりめし」そのものが名物とされる。駅弁は改札外駅舎内待合室の立ちそば屋での販売。1891(明治24)年9月1日開業 青森県上北郡野辺地町野辺地。

【掛紙】上等御弁当(35銭)調製年月日不詳
Joto Obento

掛紙

戦前の調製と思われる、昔の野辺地駅弁の掛紙。掛紙に印刷された駅舎より立派に見える建物は、コメントを読むと調製元の建物だろうか。

販売駅
東北本線 野辺地(のへじ)駅 1891(明治24)年9月1日開業 青森県上北郡野辺地町野辺地
調製元
飯田屋 所在地の記載なし 6番

【掛紙】とりめし(700円)2001年1月27日におそらく野辺地駅で購入
Torimeshi

掛紙

2001(平成13)年1月27日14時の調製と思われる、昔の野辺地駅弁の掛紙。野辺地は小さな街であり、幹線鉄道が支線と私鉄を分ける駅にしては小さな駅であるが、この菱形が確固たる名物として、地元や鉄道旅客に親しまれてきた。

販売駅
東北本線 野辺地(のへじ)駅 1891(明治24)年9月1日開業 青森県上北郡野辺地町野辺地
調製元
株式会社 伯養軒 野辺地支店 青森県上北郡野辺地町字前平2−1 0175(64)2421

とりめし(730円) 
Torimeshi

1952(昭和27)年の登場。菱形の発泡材枠容器に、駅弁の名前を描いたボール紙でふたをする。中身は鶏のスープで炊いた御飯の上を、錦糸卵、小柄な鶏照焼スライス、グリーンピースを数個置いた鶏そぼろで覆い、柴漬けを添えるもの。東北本線の鉄道旅客に広く知られた名物弁当であり、今では郷土の名物でもある。

2005年の伯養軒の清算により各地の支店が閉じられ、その前から東北各地の駅構内に展開していた食堂や立ちそば屋が消えていった中で、野辺地駅では改札外駅舎内待合室でホームに面したそば屋が2011年現在においても健在であり、とりめしの販売も続けられている。

野辺地駅では1893(明治26)年に全国で初めて鉄道林が設置された。これはドイツに範をとり、線路際にスギやマツなどの森林を造成することで、吹雪や雪崩から線路や列車を守るとともに、林業での収入を期待したものである。効果の高さにより北海道や東北地方の各地に広がったほか、斜面崩壊や飛砂の防止といった目的で暖地でも整備が進められた。

近年では林業の崩壊、路線の廃止や国鉄の解体に伴う事業用地の処分、駅周辺の都市化、構造物による防雪や機械による除雪の進歩などの理由で、鉄道林はその面積も存在も減じている印象である。しかし野辺地地区の約367ヘクタールなど東北各地に約1000ヘクタールの鉄道林を所有するJR東日本は、その重要性や環境面での効用を考えて、広葉樹種や郷土樹種などの転換により引き続き維持していくのだという。なお、2011年12月の東北本線の青い森鉄道への転換で、野辺地の鉄道林の所有者が変わったかどうかは分からない。

※2012年3月補訂:調製元の確定及び解説文の全面改訂
販売駅
東北本線 野辺地(のへじ)駅 1891(明治24)年9月1日開業 青森県上北郡野辺地町野辺地
調製元
株式会社 ウェルネス伯養軒 青森支店 青森県青森市安方1丁目2−13 017(723)1894 http://www.greenhouse.co.jp/w-hakuyoken/

てしゃば焼(300円)2008年9月13日に第3回のへじ停車場まつりで購入
Teshabayaki



掛紙 外観 中身 中身

2008(平成20)年9月13日に野辺地駅前の観光物産PRセンターで開催された「第3回のへじ停車場(てしゃば)まつり」の屋台で売られていたジャンクフード。蒸気機関車をイメージしてイカ墨を混ぜた、真っ黒なお好み焼きである。大正時代に製造され戦前の幹線で活躍したC51形式のサイドビューをCGで描く、意外に本格的な掛紙を巻いていたので、駅弁のようなものとしてここに収蔵。今後もお祭りの際に駅で売れば、そのうち話題を作れるのではないかと思う。

販売駅
東北本線 野辺地(のへじ)駅 1891(明治24)年9月1日開業 青森県上北郡野辺地町野辺地

【終売】鳥めし(700円)2008年9月13日に第3回のへじ停車場まつりで購入
Torimeshi (end of sales)

掛紙 外観 外観 中身 中身

2008(平成20)年9月13日に野辺地駅前の観光物産PRセンターで開催された「第3回のへじ停車場(てしゃば)まつり」の屋台で売られていたお弁当。駅弁でも使われる発泡材枠のプラ製容器に透明なふたをして、商品名を崩して大きく書いた掛紙をかけて、ひもで十字にしばる。中身は青森米つがるロマンを使った鶏そぼろの炊込飯に、鶏照焼と鶏そぼろと錦糸卵、ニンジンやシイタケなどを載せるもの。

これは食べれば普通の鶏飯。しかし野辺地で50年弱の歴史を刻んだ名物駅弁が、仙台資本の駅弁屋の清算により東京資本に買収されたことで支店の閉鎖により消滅し、しかしこの味を守るために従業員有志が新会社を立ち上げ、昔ながらのレシピで製造しているというストーリーを聞けば、応援せずにはいられない。

訪問当時の野辺地駅では、その東京資本となったウェルネス伯養軒のとりめしが、清算前の容姿と価格で販売され続けているが、駅に隣接する野辺地町観光物産PRセンターで展示される地産品としては、こちらが置かれて紹介されていた。購入時点では町内のスーパーでも販売されており、PRセンターの売店での注文が可能だった。2010年3月限りないし6月頃の終売情報がある。

※2010年10月補訂:販売状況を追記
販売駅
東北本線 野辺地(のへじ)駅 1891(明治24)年9月1日開業 青森県上北郡野辺地町野辺地
調製元
株式会社 あおもり青養軒 青森県上北郡野辺地町字前平2−1 0175(65)1510

とりめし(700円)2007年4月8日に東京駅駅弁の日記念駅弁大会で購入
Torimeshi



掛紙 外観 外観 中身 中身

2007(平成19)年4月に東京駅構内で開催された駅弁の日記念駅弁大会で、野辺地の駅弁として売られていたもの。菱形の発泡材枠容器に茶飯を詰め、鶏照焼と炒り卵と細かい鶏そぼろで横にストライプを描き、刻み椎茸とグリーンピースで彩ってしば漬けを添え、前世紀からのデザインの紙ぶたをかける。

調製シールでの商品名「野辺地のとりめし」。しかし伯養軒野辺地支店は会社清算の際に閉められたため、この商品の製造者はウェルネス伯養軒の仙台支店。仙台駅に同じ商品もあり、これはれっきとした仙台駅弁。

販売駅
青い森鉄道 野辺地(のへじ)駅 1891(明治24)年9月1日開業 青森県上北郡野辺地町野辺地
調製元
株式会社 ウェルネス伯養軒 仙台支店 宮城県名取市植松字入生346番1号 022(382)8940 http://www.greenhouse.co.jp/w-hakuyoken/

JR東日本 七戸十和田(しちのへとわだ)駅2010年12月4日訪問Googleマップ
JR-East Sichinohe-Towada Station

駅名標 駅舎 駅構内

東京駅から東北新幹線で約3時間半。七戸町は青森県内で青森市の東に位置する人口約1.5万人の宿場町で、今は畑作や酪農などの農業の町である。駅弁は駅の開業日から「桜弁当」が販売されており、駅弁では稀な単独商品の宣伝チラシも駅や併設観光施設に常備して宣伝に努める。2010(平成22)年12月4日開業、青森県上北郡七戸町字荒熊内。

桜弁当(1,000円)2011年1月15日に京王百貨店駅弁大会で購入
Sakura Bento



掛紙 掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

七戸十和田駅の開業に合わせて、2010(平成22)年12月4日に登場。黒塗りの発泡材の長方形容器を、南部縦貫鉄道や八甲田連峰の写真とおしながきなどを印刷したボール紙の枠にはめる。中身は青森県産米の白御飯の上に馬肉の味噌だれ和えを敷き詰め、ニンニク素揚げとグリーンピースを載せ、ナガイモ煮、みそ南蛮、赤かぶ酢漬、ゴボウ味噌だれ和えを添えるもの。

馬肉は南部と会津と伊那と熊本を除いてなかなか一般受けしないため、これは舌や口に痛くはないがかなり濃い味付けにより、肉がちょっと固めな牛丼かなという風味になった。ニンニクまで付けて臭みをしっかりガードするやり方は、旅行者という部外者が来て食べたり、こうやって東京の催事に出てくる駅弁としては、アリだと思う。

パッケージに登場する南部縦貫鉄道は、七戸駅と東北本線野辺地駅を結んだローカル私鉄。沿線の砂鉄を下北半島の製鉄所へ輸送するために1962(昭和37)年に開業したが、まもなく製鉄所の計画が頓挫したため開業4年で倒産する。以後は会社更生法の下で再建を図りながら、東北新幹線の開業を待って待って待ち続けて、1997(平成9)年についに力尽きた。2002(平成14)年には法的に正式に廃止され、廃線跡がはやぶさ号やはやて号を迎えている。七戸駅跡は車両ごと営業当時のままに保存され、毎年のゴールデンウィークには写真の車両の走行会が開催されている。

販売駅
東北新幹線 七戸十和田(しちのへとわだ)駅 2010(平成22)年12月4日開業 青森県上北郡七戸町字荒熊内
調製元
株式会社 七戸物産協会 青森県上北郡七戸町字荒熊内67−94 0176(62)5777