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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

【終売】一乃松膳 一丁来(いっちょうらい)(3,000円)Itinomatsuzen Icchorai (end of sales)
2007年11月4日に小田急百貨店藤沢店駅弁大会で購入

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北陸自動車道南条サービスエリアの速弁の、2007年の秋バージョンとして、2007(平成19)年9月22日に発売。おそらく12月8日か11月10日の冬メニューへの切り替えで早々と消滅。正八角形の専用容器を二段に積んで、紙帯風シールで止めて、風呂敷風のナイロン紙で包む。中身は下段が紅葉型の松茸、栗、白の各御飯と干し柿など、上段が秋の色彩や食材を織り込んだ18種類もの秋の味。

弁当の価格がこのクラスになると、容赦なく多種の食材を詰め込んできたり、そもそも公式速弁は地元との結び付きが中身で判別しにくく、「よくできたお弁当でした」以外の感想を出しにくいところ。こうやって北陸と無縁な催事場に出るくらいだから、話題づくりには確実に成功している。南条SAは鉄道でいうと北陸トンネルの福井側出口の近くに位置するサービスエリア。

販売駅
北陸自動車道 南条(なんじょう)サービスエリア 1977(昭和52)年12月8日開業? 福井県南条郡南越前町
調製元
日本料理 一乃松 所在地の記載なし 連絡先の記載なし

かに本釜めし(870円)Kani Hon Kamameshi
2008年4月28日にドンキホーテで購入

掛紙 掛紙 外観 外観 外観 外観 外観 中身 中身

2007〜2008年の駅弁大会シーズンの頃に、スーパーやホームセンターなどで見掛けている商品。駅弁に使われているような陶製釜飯容器に、早炊米パックと具のレトルトパックを詰めて、陶製のふたとボール紙のふたと、商品名やつくり方を書いた紙を載せて、透明なビニールでラッピングする。

具と米を容器に開けてかき混ぜ、電子レンジで加熱した中身は、商品名どおりのカニが入った釜飯ではあるものの、そんな風味はどこにいったのか、酒のつまみにもならない、飯の塩辛。商品の外観や印刷から感じる、福井の駅弁の雰囲気はどこにもない。電子レンジが必要だから非常食にもならず、どういう用途や市場を想定した商品なのだろうか。

このシリーズは福井のかにの他に、北海道の紅鮭、青森の帆立、秋田のとり、山形の舞茸、東京のあさり、長野の山菜、静岡の桜えび、愛知の野菜、三重のはまぐり、京都の栗、大阪のたこ、神戸の牛肉、岡山の竹の子、広島のかき、瀬戸内海の穴子、高知の松茸、長崎の五目と、全18種が揃っているそうな。容器を除いたパックも通信販売されている。

調製元
上野食品 株式会社 東京都大田区千鳥3−14−3 03(3757)4711
催事駅弁

【終売】数の子いり蟹ちらし(880円)Kazunoko iri Kani Chirashi (end of sales)
2011年1月29日に阪神百貨店の駅弁大会で購入

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2011(平成23)年1月の阪神百貨店駅弁大会で「バス弁」として販売されていたお弁当。調製元と同じ所在地で同じ読み方をすると思われる「有限会社PFD」という会社が2005年に商標を出願した「バス弁」のシールが掛紙に貼られる。ここでのバス弁の定義は、観光バスに積み込むお弁当、である模様。しかし収穫報告はもちろん調製元の公式サイトへの掲載もないので、阪神百貨店駅弁大会向けの催事弁当なのかもしれない。

赤いプラ製トレーを接着した円形の容器に透明なふたをして、商品名とカニを印刷した白い正方形の掛紙をかける。中身はシイタケやカズノコやきぬさやの小片が少し混じったカニほぐし身で酢飯の上を覆うもの。小さなわっぱ飯風お弁当で、かなり少量ですが食べやすい感じ。

調製元
有限会社 ピーエフディー 福井県小浜市川崎1−2−1 0120-89-3844

JR西日本 九頭竜湖(くずりゅうこ)駅 JR-West Kuzuryuko Station
2023(令和5)年11月訪問 GoogleMap「九頭竜湖駅」

駅名標 駅舎 駅構内

福井駅からJR越美北線(えつみほくせん)の列車で約100分。越前と美濃を、福井と岐阜県美濃太田を結ぶ鉄道の一部として1972年に開業したが、以後に路線が延伸することなく終着駅となった。百貨店の駅弁催事によると、駅弁が2023年1月に誕生したことになっている。1972(昭和47)年12月15日開業、福井県大野市朝日。

九頭竜まいたけ弁当(1,200円)Kuzuryu Maitake Bento
2023年1月11日に京王百貨店の駅弁大会で購入 Jan. 11, 2023

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

2023(令和5)年1月の京王百貨店の駅弁大会で実演販売。福井県のJR越美北線の九頭竜湖駅で、冬期間(11月中旬から3月まで)予約販売される駅弁を名乗り販売。実際には京王百貨店の駅弁大会の担当者が、福井県大野市で九頭竜湖駅に隣接する「道の駅九頭竜」で買えた舞茸弁当、マイタケの炊き込みごはんを、催事の商品に仕立てたもの。2012年2014年にも、そんな触れ込みで売られた「駅弁」を、この催事場で見た気がする。

真ん丸の容器に、商品名とまいたけのイラストに、越美北線と越前大野城の写真を使うシールを貼り留める。これにマイタケの炊込飯を詰め、マイタケの煮物と天ぷらを載せ、焼サバ、さといも、玉子焼、紅生姜も載せる。福井県大野市の九頭竜まいたけは特産品で、道の駅でも使われたり売られ、この弁当にも使われる。

駅弁催事での実演販売の影響は、そもそも催事のための商品だから無いはずが、まいたけ弁当を名乗るのにマイタケの分量も存在感も味も薄く、焼サバを入れたり赤い刺激物が目立ったり、良いところがない。催事場でも販売が苦戦していたようにみえた。実際に道の駅で売られる舞茸弁当そのものを、マイタケの炊込飯をマイタケ煮で覆い尽くしたものを、増量してこの容器に詰めて値段を倍額の約1,000円にして売れば、九頭竜まいたけと大野市と越美北線を大都会東京の催事場でアピールできたのではないかと、残念に思う。

越美北線(えつみほくせん)は、福井県内で福井市の越前花堂(えちぜんはなんどう)駅と九頭竜湖(くずりゅうこ)駅の間、52.5kmを結ぶJR西日本の鉄道路線。「越美」の「北線」、つまり越前と美濃を、具体的には福井駅と岐阜県の美濃太田駅を結ぶ路線の北側として、1960年と1972年に開業した。南側では越美南線(えつみなんせん)が1923年から1934年にかけて開業しており、古くは大正時代には、最後には1980年代に全通するとされた。しかし予算が付かないまま1980年の国鉄再建法で建設(ただし当時はまだ調査の段階)が凍結され、越美南線は廃止されて1986年に長良川鉄道へ転換、越美北線は「代替輸送道路が積雪で年10日以上通行不可能」で廃止対象から除外され、1987年の国鉄分割民営化でJR西日本の路線となった。

乗客は昭和時代も今も少なく、特に越前大野駅から九頭竜湖駅までは一日に数十名しか使わないという。駅弁の需要も必要も無い。鉄道や駅がいつまで残るか、列車の運行がいつまで続くかも怪しく、最近ではコロナ禍で2021年には全便運休の検討が報道された。自動車交通の需要はあるようで、道の駅が舞茸弁当を山積みするほど賑わい、1987年には高速道路の建設が決まり、一日約1万台の需要を予測し2026年には全通するという。

販売駅
越美北線 九頭竜湖(くずりゅうこ)駅 1972(昭和47)年12月15日開業 福井県大野市朝日
調製元
調製元の記載なし 所在地の記載なし 連絡先の記載なし

JR西日本 今庄(いまじょう)駅 JR-West Imajo Station
2021(令和3)年12月訪問 GoogleMap「今庄駅」

駅名標 駅舎 駅構内

福井駅から普通列車で40分前後。南越前町は2005年1月に今庄町と南条町と河野村が合併してできた、人口約1万人の宿場町。今庄は江戸時代まで、現在の関西と北陸を隔てる峠道が3本も集まり、陸上交通の要衝として栄えた。明治時代に鉄道が開通すると、山中峠越えの機関車を付けたり外す鉄道の町となり、職員や旅客で賑わい栄え、駅弁が売られ、立ち食いそばが親しまれた。1962年6月の北陸トンネルの開通で、今は静かな山間の集落。1896(明治29)年7月15日開業、福井県南条郡南越前町今庄。

【掛紙】上等御辨當(40銭)Joto Obento
調製年月日不詳

掛紙

1910年代、大正10年代のものと思われる、昔の今庄駅弁の掛紙。収集者は1920(大正9)年のものとしていた。今庄駅は1962(昭和37)年6月に北陸トンネルが開通するまでは、山中峠越えのための機関車を付けたり外す駅であり、急行列車を含む汽車が長く停まり、駅弁が売られ、駅そばが親しまれた。トンネルの開通で汽車と旅客の賑わいは消え、駅そば屋は福井駅に、駅弁屋は石川県の大聖寺駅に移転した。

販売駅
北陸本線 今庄(いまじょう)駅 1896(明治29)年7月15日開業 福井県南条郡南越前町今庄
調製元
大K屋 今庄駅構内 連絡先の記載なし

【掛紙】葛饅頭(20銭)Kuzumanju
1927年4月22日調製

掛紙

1927(昭和2)年4月22日の調製と思われる、昔の今庄駅弁の掛紙。15銭の価格が20銭に訂正されている。駅弁屋とは異なる構内営業者が、おそらく立ち売りで販売した、駅売り銘菓となろう。

販売駅
北陸本線 今庄(いまじょう)駅 1896(明治29)年7月15日開業  福井県南条郡南越前町今庄
調製元
本家豊岡 今庄駅 連絡先の記載なし

JR西日本 小浜(おばま)駅 JR-West Obama Station
2021(令和3)年12月訪問 GoogleMap「小浜駅」

駅名標 駅舎 駅構内

敦賀駅から小浜線の普通列車で1時間強。小浜市は福井県南西部の嶺南地方で若狭湾に面した、人口約3万人の城下町。古代から江戸時代まで、良港を擁する港町と、京へ至る街道との結節で、地域の拠点であった。駅弁は駅の開業時から売られ、1990年代に撤退したが、以後も小浜駅の駅弁と紹介される商品が時々出現する。1918(大正7)年11月10日開業、福井県小浜市駅前町。

【終売】御食国(みけつくに)若狭海鮮鯖づけ丼(1,400円)Miketsukuni Wakasa Kaisen Saba Zuke Don (end of sales)
2021年1月7日に京王百貨店駅弁大会で購入

掛紙 外観 中身 中身 中身

2021(令和3)年1月の京王百貨店駅弁大会で実演販売。 白飯の上を寒サバの漬けで覆い、大葉、カニ、ウニ、イクラ、サーモン、白ごまで彩り、漬物や玉子焼を添える。脂が乗ったり、みずみずしさのある、散らされた具の、海の幸の数々がうまい。コロナ禍で例年になく空いていた催事場で、行列ができる人気だった。

これ以外の場所や現地で売られたかは定かでない。この商品は駅弁大会で小浜駅の駅弁として売られたほか、この調製元の商品は、2020〜2021年の駅弁大会シーズンでは各地で、福井駅の駅弁として売られた。時と場合によって、福井駅や鯖江駅など北陸地方各地の駅弁だったり、羽田空港など関東や関西や北陸の空弁だったり、過去には北陸のバス弁を名乗ったこともある。今回は店内調製のため、食品表示は消費期限と百貨店の所在地のみとなり、原材料名や調製元の所在地などは表示されない。

販売駅
小浜線 小浜(おばま)駅 1918(大正7)年11月10日開業 福井県小浜市駅前町
調製元
若廣
催事駅弁

【終売】御食国(みけつくに)若狭海鮮鯖づけ丼(1,500円)Miketsukuni Wakasa Kaisen Saba Zuke Don (end of sales)
2021年1月9日に京王百貨店駅弁大会で購入

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2021(令和3)年1月の京王百貨店駅弁大会で実演販売。上記の商品「御食国若狭海鮮鯖づけ丼」について、京王百貨店駅弁大会限定で、その名を記した特製どんぶりに入れて販売した。2020年の岡山駅「岡山名物デミカツ丼」、2019年の金沢駅「蟹のドリア」、2018年の水戸駅「常陸牛山椒風味カルビ弁当」、2017年の鳥取駅「山陰鳥取かにめし」、2016年の米子駅「海の宝箱丼」、2015年の名古屋駅「抹茶ひつまぶし日本一弁当」と同じ。ベースの商品が人気だったためか、毎日早くから完売していて、買いにくい商品だった。

調製元
若廣

オバマまんじゅう(650円)Obama Manju
2009年1月3日に小浜駅の売店で購入

掛紙 外観 外観 中身 中身

2008(平成20)年2〜3月頃の発売。前面の全面に焼き印のある円形の酒饅頭が5個、個別にラップで包まれて半透明のトレーに収まり、透明な袋に入れてB5判の包装紙に巻かれる。風味は柔らかく上品な感じ。

アメリカの上院議員であったバラク・フセイン・オバマ・ジュニアは、2007年の年明けに翌年のアメリカ大統領選への立候補を表明、演説のうまさを武器に、前大統領婦人のヒラリー・ローダム・クリントン候補を激戦の後に破り、2008年8月に民主党の大統領候補の指名を獲得、同年11月の大統領選でも共和党のジョン・シドニー・マケインに勝利し、第48代大統領に就任した。黒人の血を引く大統領は、アメリカ合衆国約220年の歴史において初めてのことであった。

大統領予備選の激戦が日本でもテレビで大きく取り上げられる中、有力候補者と同じ名前を持つ福井県小浜市では、市長がオバマ陣営へプレゼントを送付したり、「オバマ候補を勝手に応援する会」なる地域グループが出現、この騒動もテレビに乗って全国へ宣伝された。地元の菓子店は主力の酒饅頭をアレンジして、このような商品を売り出した。

焼き印や掛紙のマークは、肖像権に配慮して後ろ姿に変えたのだそうな。その他様々な地域おこしグッズが登場したが、この饅頭が現時点では筆頭格だろう。地元の駅でもスーパーでも観光施設でも買え、デパートの催事にも出品されたりしている。価格は2009年の購入時で630円、2017年時点で650円。2017年1月にオバマ大統領が任期を満了し退任した後も、この饅頭は売り続けられる。通販でも買える。

※2021年2月補訂:現況を確認
販売駅
小浜線 小浜(おばま)駅 1918(大正7)年11月10日開業 福井県小浜市駅前町
調製元
有限会社 井上菓匠 福井県小浜市南川町9番10号 0770(52)0199 https://www.inoue-kouyouan.jp/

【終売】御食国(みけつくに)濱のかあちゃんのまごころ焼き鯖そぼろ寿司弁当(840円)Miketsukuni Hama no Kachan no Magokoro Yakisaba Soboro Bento (end of sales)
 

2004(平成16)年12月11日に発売。楕円形の竹皮編み容器に、駅弁の名前を墨字風に書いた掛紙をかける。中身は小浜産有機米コシヒカリの酢飯の上に錦糸卵と焼鯖のほぐし身を載せて、若狭ワカメの酢の物や煮野菜などを添える。日本一名前が長い駅弁ではないかとの指摘がある。土休日のみ一日15個ないし10〜20個程度が販売されるが、人気で入手が難しいと新聞等で紹介される。2014年時点で売られていない模様。

国鉄時代からの調製元の撤退で、2000(平成12)年に駅弁がなくなった小浜駅に駅弁をと、小浜市直営の食文化館兼眺望風呂で食堂を運営する、小浜市食生活推進員の有志グループ「グループマーメイド」に、JR西日本が駅弁の開発を依頼したもの。市施設は駅から一日わずか2〜3便のバスで10分もかかる、他地域公共施設と同様に鉄道その他公共交通機関でのアクセスを想定しない場所に建てている。

※2014年6月補訂:終売を追記
販売駅
小浜線 小浜(おばま)駅 1918(大正7)年11月10日開業 福井県小浜市駅前町
調製元
お食事処 濱の四季 福井県小浜市川崎3丁目5番 0770(53)0141