banner  旅の友「駅弁」。館長が食べた駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。
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【掛紙】御弁當(30銭)調製年月日不詳
Obento

掛紙

戦前の調製と思われる、昔の四日市駅弁の掛紙。工業地帯として発展する前の伊勢湾岸を描いたと思われる。四日市は今も三重県最大の人口を抱える拠点であるが、駅弁は早くに消えている。

販売駅
関西本線 四日市(よっかいち)駅 1890(明治23)年12月25日開業 三重県四日市市本町
調製元
湊壽司 丹羽すへ 四日市駅構内 917番

JR東海・JR西日本 亀山(かめやま)駅2017年2月25日訪問Googleマップ
JR-Tokai and JR-West Kameyama Station

駅名標 駅舎 駅構内

名古屋駅から関西本線の電車で1時間強。亀山市は三重県の北部に位置する人口約5万人の宿場町で、鉄道の要衝、ろうそくの生産、液晶工場の立地で知られる。国鉄時代からの駅弁屋が1996年頃に撤退したため、現在は駅弁の販売はないが、当時の駅弁屋が今も駅前に店舗を構え、そこで当時の駅弁と同じ弁当が買える。1890(明治23)年12月25日開業、三重県亀山市御幸町。

名物志ぐれ茶漬(900円)2017年2月25日に亀山駅の駅前商店で購入
Meibutsu Shigure Chazuke

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昭和30年代に駅弁として登場した、亀山駅の元駅弁屋さんのお弁当。駅弁として現役だった頃は、全国で唯一の茶漬け駅弁だった。当時の駅弁屋は駅から撤退したが、今でも体裁や中身は当時のものと同じだそうで、現在は要予約と紹介されるものの、駅真向かいの売店兼軽食店に行けばその場で作ってもらえる。駅ホームまで届けてくれるサービスが実施されているという情報もある。

真っ黒で耐水性のあるプラ製の容器を使用、御飯の上に味の濃い桑名あさりしぐれ煮が、刻み海苔や紅生姜と一緒に載っている。そのまま食べると辛味が強いため、お茶漬けにして食べるのがベスト。昔懐かしいポリ容器のお茶を、ひとつ100円で売ってくれる。

亀山は、名古屋と奈良と大阪を結ぶ関西本線が伊勢へ行く参宮線を分けていた駅で、神宮参拝が国民の義務であった頃は職員と旅客で賑わい、現在でもその名残でホームが3面5線もある。戦後も千人の国鉄職員を抱える拠点駅で、昭和30年代には5分の停車時間に200個の茶漬が売れるほどだったそうだが、近鉄特急の隆盛で京都や大阪と伊勢を結ぶ列車は廃止、国鉄伊勢線(現在の伊勢鉄道)の開通で紀勢本線の特急が来なくなり没落、しかし関西本線の電化により毎時約1本の電車で名古屋と結ばれ、地元の利用者はまだそこそこある。

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お茶付きの写真は、このとおり。

販売駅
関西本線 亀山(かめやま)駅 1890(明治23)年12月25日開業 三重県亀山市御幸町
調製元
有限会社 いとう弁当店 三重県亀山市御幸町182−2 0595(82)1225

名物志ぐれ茶漬(850円)2003年12月20日に亀山駅の駅前商店で購入
Meibutsu Shigure Chazuke

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亀山駅の名物駅弁の、2003(平成15)年時点での姿。黒いプラ製の容器が丸い。こちらが駅弁として現役当時の姿に近いらしい。中身や味が変わるものではない。当時の価格は850円。

※2017年3月補訂:新版の収蔵で解説文を整理
※2015年8月補訂:値上げを追記
販売駅
関西本線 亀山(かめやま)駅 1890(明治23)年12月25日開業 三重県亀山市御幸町
調製元
有限会社 いとう弁当店 三重県亀山市御幸町182−2 0595(82)1225

【掛紙】お結び弁當(100円)調製年月日不詳
Omusubi Bento

掛紙

昭和30年代の調製と思われる、昔の亀山駅弁の掛紙。価格の印字がなければ戦前のものに見える古風な絵柄は「保示堂」を描いているようだが、これは何だろうか。

販売駅
関西本線 亀山(かめやま)駅 1890(明治23)年12月25日開業 三重県亀山市御幸町
調製元
伊藤弁當店 所在地の記載なし 40番

JR西日本 関(せき)駅2017年2月25日訪問Googleマップ
JR-West Seki Station

駅名標 駅舎 駅構内

亀山駅から関西本線のディーゼルカーで1駅6分。関は東海道の宿場町であり、江戸時代の町並みがよく残されているため、1984(昭和59)年12月に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。公式な駅弁はないが、駅舎代わりの亀山市施設「関宿ふるさと会館」の店舗で、関宿の名物「鈴鹿亭の巻寿司」を販売。1890(明治23)年12月25日開業、三重県亀山市関町新所。

鈴鹿亭の巻寿司(450円)2017年2月25日に関駅の売店で購入
Suzukatei no Makizushi

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関駅の駅舎で、正確には駅舎代わりの亀山市施設「関宿ふるさと会館」の、売店と待合室と軽食堂か喫茶店を兼ねた店舗で売る巻寿司。駅弁として紹介されることはないが、駅近くの重要伝統的建造物群保存地区の関宿を紹介するチラシやガイドブックには、ここの名物としてたいてい載っていると思う。調製元は駅の真正面にある寿司屋。中身は、玉子焼とかんぴょうなどの太巻き。とてもふんわり柔らかく、外観や中身に特徴がないのに、この風味は記憶に残る。水曜定休。

販売駅
関西本線 関(せき)駅 1890(明治23)年12月25日開業 三重県亀山市関町新所
調製元
鈴鹿亭 関駅前 0595(96)0616

JR西日本 柘植(つげ)駅2017年2月25日訪問Googleマップ
JR-West Tsuge Station

駅名標 駅舎 駅構内

亀山駅から関西本線のディーゼルカーで3駅30分。柘植駅は関西本線が草津線を分ける駅で、汽車の時代は幹線鉄道の要衝であり、駅弁が売られた。今は駅弁はないが、当時の駅弁屋が駅前で喫茶店を営んでおり、復刻駅弁を時々売る。1890(明治23)年2月19日開業、三重県伊賀市柘植町。

御辨當(1,080円)2017年2月25日に柘植駅前の喫茶店で購入
Obento

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JR草津線のラッピング電車「SHONOBI-TRAIN」の運行開始を記念し、2017(平成29)年2月25日限りで販売。近年は草津線全線開通120周年を記念して2010年2月20日に、柘植駅構内の清掃活動などの地域行事に合わせて2016年4月10日に売られたという、かつての柘植駅弁の復刻版。

四角く平たい経木折に、白御飯を詰め、たくあんを添え、かまぼこ、伊達巻、煮豆、牛肉しぐれ煮、焼ブリ、エビフライ、 昆布巻、タケノコと高野豆腐、リンゴなどを詰める。柘植駅弁が現役であった頃の幕の内弁当を再現したそうな。昭和の頃の掛紙ともども、歴史を感じて味わうお弁当。

販売駅
関西本線 柘植(つげ)駅 1890(明治23)年2月19日開業 三重県伊賀市柘植町
調製元
中村屋 三重県伊賀市柘植町3339−1 0595(45)2002 http://tugenakamuraya.iga-log.com/

寿司丸忠(にぎり)(630円)2013年1月10日に近鉄津駅改札外コンコース店舗で購入
Sushi Maruchu Nigiri

掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

近鉄の津駅で見つけた、持ち帰り向け惣菜としての寿司。紙箱に入っているので、駅弁に見えなくもない。写真のとおり、惣菜として標準的なネタを載せたにぎり寿司などが入っていた。調製元は中京地区に寿司食堂や回転寿司や持ち帰り寿司店の店舗網を築く名古屋の水産商社。

津は三重県の県庁所在地であり、津駅は近鉄とJRと伊勢鉄道が乗り入れるターミナルである。国内で(あるいは世界で)最も短い地名や駅名でも知られる。しかし三重県内に限っても、津市は人口で四日市市に負け、駅の利用者数は近鉄でもJRでも県内1位でなく、観光地としても伊勢志摩や熊野古道に匹敵するものはない。駅弁もずいぶん前に消えている。「津々浦々」と言われるくらい日本全国に存在する地名あるいは施設名の一般名詞を名乗るくらい、重要な土地であったのだと思うのだが。

販売駅
近畿日本鉄道 津(つ)駅 1932年(昭和7年)4月3日開業 三重県津市羽所町
調製元
株式会社 寿司丸忠 近鉄津駅店 三重県津市羽所町242 059(222)5005 http://www.maruchu-g.co.jp/

お伊勢参りむすび弁当(750円)2013年1月26日に阪神百貨店駅弁大会で購入
Oise Mairi Musubi Bento

掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

2013(平成25)年1月の阪神百貨店駅弁大会で登場か。容器に巻き付けた掛紙に書かれるとおり、伊勢は神宮の第62回式年遷宮で賑わっており、これに伴い開発されたのだろう。デパ地下の惣菜容器に、あさりしぐれ、あなご天、えび天の天むすを2個ずつ詰める。軽い塩味の、お手頃でお手軽な軽食。宇治山田駅に加えて鳥羽駅でも売られているそうな。

宇治山田駅は伊勢神宮の玄関口として、現在の近畿日本鉄道の前身である大阪電気軌道の子会社であった参宮急行電鉄が、ターミナル駅として巨大かつ荘厳な駅舎と高架橋を建てた。第二次大戦後も玄関口として君臨したが、1969(昭和44)年の鳥羽線の開業により終着駅でなくなり、車社会化や伊勢自動車道の開通、バブル経済以降の伊勢・志摩観光の停滞、中心市街地の衰退などにより、駅の利用者(定期券客を除く)は30年で3分の1に減った。それでもすべての近鉄特急が止まり、皇族や内閣のお伊勢まいりではここの貴賓室が使われるなど、駅としての地位の高さを守る。駅舎は2001年に国の登録有形文化財となった。

販売駅
近畿日本鉄道 宇治山田(うじやまだ)駅 1931年(昭和6年)3月17日開業 三重県伊勢市岩渕二丁目
調製元
有限会社 勢の国 三重県伊勢市古市町198 0120-20-6166 http://senokuni.co.jp/

磯巻寿し(892円)2003年1月3日に五十鈴川駅構内台売りで購入
Isomakizushi

掛紙 外観 外観 中身

伊勢神宮の内宮の最寄り駅である近鉄五十鈴川駅で、弁当と共に台売りされていた商品。羊羹でも入っていそうなボール紙の容器の中に、真空パックの牛肉の太巻寿司が入る。カットされているのでそのまま食べられ駅弁代わりになり、一方で保存が利くのでお土産にも向くようで、パッケージに暖めるともっと美味い旨のコメントが付いている。私はそのまま食べたが、飯がパラパラで牛の風味が薄く感じられたため、暖めるのが正解のようだ。

現況は不詳だが、遠く静岡県で近鉄が経営する東名高速道路浜名湖サービスエリアで同種異名の商品を見たりしているので、駅売りに限らずどこかで取り扱われているかもしれない。

※2015年8月補訂:現況の推測を追記
販売駅
近畿日本鉄道 五十鈴川(いすずがわ)駅 1969(昭和44)年12月15日開業 三重県伊勢市中村町桶子
調製元
有限会社 磯巻寿司の魚九 三重県松阪市立野町437−5 0598(21)2046 http://www.tenmusu.com/

【終売】特選牛肉弁当(1,100円)2003年1月3日に近鉄鳥羽駅コンコース駅弁売店で購入
Tokusen Gyuniku Bento (end of sales)

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近鉄線の主要駅で販売されていた牛肉駅弁。折角の経木の容器に、トレーを入れてボール紙のふたをかけているのはもったいない。中身は白御飯に牛ステーキにフライドポテトという具合で、松阪駅の牛肉駅弁にそっくりだが、肝心の牛肉が固くて噛み切れず、こちらの弁当にはナイフの添付が欲しいところ。しかし、この地域の鉄道利用は近鉄がJRを圧倒しているので、これがあの松阪牛駅弁だと誤認して購入するお客さんは多いかもしれない。調製元が2008年度限りで駅弁から撤退したそうで、この駅弁は現存しない。

※2015年8月補訂:終売を追記
販売駅
近畿日本鉄道 鳥羽(とば)駅 1929(昭和4)年7月23日開業 三重県鳥羽市鳥羽1丁目
調製元
近鉄観光 株式会社 伊勢調理所 三重県伊勢市岩渕2−1−43 0596(28)8195

うまいにきまってる。かきめし(1,000円)2002年2月16日に横浜高島屋伊勢物産展で購入
Umai ni Kimatteru Kakimeshi

掛紙 外観 中身

これは駅弁ではなく、料理屋を持つ旅館が作る弁当で、横浜高島屋の物産展で実演販売されたもの。黒い長方形の発泡材容器の中身は、かきの混ぜ御飯にカキフライが3個入る、価格や内容や分量で駅弁とウソをついても納得されるような内容。弁当名から製造販売者の物凄い自信を感じるが、出来立てでほんのり暖かかったことも加わり、確かにとても美味かった。

三重県の駅弁販売駅は松阪駅のみ。参宮線の駅にこんな駅弁があればと思い、当館に収蔵した。2004年冬の情報では、冬期の土休日に限り近鉄志摩磯部駅で販売されているとのこと。

販売駅
近畿日本鉄道 志摩磯部(しまいそべ)駅 1929(昭和4)年7月23日開業 三重県志摩郡磯部町迫間
調製元
活料理 旅館 橘 三重県志摩郡磯部町的矢 0599(57)2731 http://www.tatibana.com/

さんま姿ずし(600円)2003年2月15日にユニーイセザキ店駅弁大会で購入
Samma Sugata Zushi

掛紙 外観 中身

腹から割いて強く酢で締めたさんまを、酢飯の上に置いて一口サイズにカット、これを細長い発泡材の容器に詰めて、厚手な空色のビニール袋に収めて密封している。価格は安めで味はそれなりだが、サンマなのに3日間も日持ちがするのは不気味でもある。これはスーパーの駅弁催事で紀勢本線尾鷲駅弁として出ていたもの。同じ商品が販売されているかどうか分からないが、サンマの姿寿司そのものは尾鷲の名物として、現地では食堂や土産物屋で取り扱われているそうな。

※2015年8月補訂:現況の推測を追記
販売駅
紀勢本線 尾鷲(おわせ)駅 1934(昭和9)年12月19日開業 三重県尾鷲市中村町
調製元
尾鷲サンプラザ 三重県尾鷲市矢浜岡崎町261−1 05972(2)4320