









新大阪駅から新幹線と特急列車「やくも」を乗り継いで約3時間。米子市は鳥取県の西端で日本海と中海に面した、人口約15万人の城下町。県庁所在地でないにもかかわらず、商業都市として山陰地方を代表する都市のひとつとなっている。駅弁は国鉄時代からの駅弁屋が「吾左衛門鮓」シリーズなどの駅弁を販売。1902(明治35)年11月1日開業、鳥取県米子市弥生町。
1978(昭和53)年に発売。米子駅で名物の駅弁であり、主力の商品。鳥取県産米を使う酢飯に身の厚いサバを合わせ、北海道産の黒板昆布で巻いた棒寿司を、製造直後に急速冷凍し出荷する直前にゆっくり解凍し、専用の袋に密封し、紙箱に詰める。食べるときは付属のプラ製ナイフで切り分ける。分量も価格も味の良さもひとりぶんではなく、お土産として持ち帰り自宅で食べるのが便利だろう。
紙箱のデザインは2023年4月に十数年ぶりに更新され、消費期限が3日間から5日間に延長された。価格は2004年当時で1,774円、2014年時点で1,850円、2016年6月から1,950円、2019年9月から2,000円、2023年2月から2,100円、2024年4月から2,300円。
吾左衛門鮓の駅弁としての歴史は昭和時代の終わり頃からとなるが、郷土料理あるいは弁当としての歴史は江戸時代に遡ることが、パッケージ底面の記載事項で分かる。1716(享保元)年頃に鳥取藩の命令で年貢米の取扱と船での運搬を行った米屋吾左衛門の妻が、船員のために作った弁当なのだそうな。
※2024年4月補訂:写真を更新し値上げを追記
2010(平成22)年11月14日に購入した、米子駅弁の紙箱。下記の2009年のものと、色彩やデザインはまるで異なるが、絵柄は多くが転用され、箱の大きさや中身は変わらない。
2009(平成21)年2月11日の調製である、米子駅弁のパッケージ。商品の名前がシリーズごと「吾左衛門寿し」から「吾左衛門鮓」へ変わるとともに、色彩も青系に変わった。
2004(平成16)年12月30日の調製である、米子駅弁のパッケージ。2008年8月までは現在の「吾左衛門鮓」ではなく「吾左衛門寿し」と表記されていた。読み方は同じ「ござえもんずし」。この頃は鳥取米ヤマヒカリの酢飯と境港のサバを合わせて、北海道日高産の昆布で巻いた商品だった。2004年度のJR西日本の駅弁キャンペーン「駅弁の達人」の対象駅弁。
米子駅弁の吾左衛門鮓シリーズの最高峰。見た目や構造は通常版と同じ。通常版より大ぶりのサバを使うという中身は、ゴマを混ぜた酢飯よりサバの身のほうが多いのではないかと思うほど、たっぷりでプリプリのサバが、黒板昆布に巻かれていた。価格は2019年の購入時で2,800円、同年9月から2,900円。
※2020年5月補訂:値上げを追記
米子駅の名物駅弁「吾左衛門鮓 鯖」の、1人前サイズ。酢飯とシメサバを分厚い黒板昆布で巻く構造は同じで、サイズを小さくした吾左衛門鮓鯖を1本、カットせずラップで巻き、専用の袋に密封し、ボール紙の化粧箱に詰める。上記の駅弁「山陰吾左衛門寿し本舗鯖」と、値段や内容は同じで、包装と商品名が異なるもの。味はもちろん変わらない。価格は2017年の購入時で1,350円、2020年時点で1,450円。
※2020年5月補訂:値上げを追記
2015(平成27)年1月17日に購入した、米子駅弁のパッケージ。箱の中身と包装が同じなので、2年後の上記の駅弁「吾左衛門本舗 鯖」と同じものだと思う。紙箱の絵柄と、そこに書かれる駅弁の名前が、微妙に異なる。
2005(平成17)年の発売か。棒寿司1本をラップで巻いて、袋詰めして箱詰めする姿は、米子駅弁の吾左衛門鮓シリーズと同じ。これは「ノルウェー鯖のスモーク仕立て」ということで、果実酢も使う酢飯と燻したサバを使い、エクストラバージンオイルとペッパー別添して、洋風あるいは今風の香りを楽しませるように作られている。価格は2005年時点で1,869円、2015年時点で2,000円、2019年9月から2,100円。
※2021年2月補訂:写真を更新し解説文を手直し
2005(平成17)年11月19日に購入した、米子駅弁の紙箱。中身は上記の2020年のものと同じだが、箱のデザインは通常版の「吾左衛門鮓」(当時は吾左衛門寿し)と大きく異なっていたほか、中身は袋入りでなく竹皮で包まれていた。
米子駅弁「吾左衛門鮓」のハーフサイズ。商品名のとおり、昆布に巻かれたサバの棒寿司を4切れ分、ラップに包まれたままカットされて、小箱に詰める。森駅の駅弁「いかめし」くらいの大きさしかないが、分量はこれが一人前でよいと思う。味は当然に、通常版と同じ。5貫入りは駅でも買えるらしいが、この4貫入りは催事向けか。
吾左衛門鮓の1人前サイズ。紙箱にも赤い文字で「一人前」と書かれる。さらにこちらは名称が「山陰吾左衛門寿し本舗」である。中身は通常版と変わらず、完璧にそのままの姿と味で縮小コピーされていた。価格は2013年の購入時で1,100円、2015年時点で1,250円。2020年時点で同じ名前の商品が1,200円となっている。
※2020年5月補訂:価格の改定を追記
下記の過去のものによらず、2021(令和3)年に米子駅や催事などで発売か。その名のとおり、米子駅弁の吾左衛門鮓シリーズの、1人前バージョン「吾左衛門本舗」の、照り焼き鯖のもの。体裁は他のものと同じく、棒寿司をラップで巻いてトレーに収め、袋詰めしてから紙箱に収めるもの。これは白ごまを混ぜた酢飯に、甘酢生姜を挟んで焼き鯖を貼り、包んだラップごと8切れにカットしていた。
身は「吾左衛門鮓」のものを思うとだいぶ薄めで、サバは紙箱の見本写真ほど焼かれておらず、サバ寿司向け焼きサバと焼かないサバの中間くらいに感じたのは気のせいか。価格は2021年時点で1,450円、2023年時点で1,500円、2025年時点で1,700円。
米子駅の名物駅弁「吾左衛門鮓」の、焼さばタイプで1人前サイズ。胡麻混じりの酢飯に、甘酢生姜を敷いてから焼サバを載せ、ラップで巻いてカットして、トレーに置いて専用の袋に密封し、ボール紙の化粧箱に詰める。つまり焼きサバ寿司。身の厚さに吾左衛門鮓シリーズを感じる。照り焼きという雰囲気は、なかったと思う。このシーズン限り、あるいは催事場限りの販売か。
※2020年5月補訂:終売を追記
昆布が白板になっている以外、容器も内容も価格も通常版と変わらないと思うが、パッケージを読むと酢も違うらしい。今回の味は酢締め鯖と焼鯖の中間にあるミディアムレアな焼き魚という感じ。江戸を名乗るも、東京で売られるものとも異なる。価格は2011年の購入時で1,890円、2015年時点で1,900円。2015年頃までの販売か。
※2020年5月補訂:終売を追記
上記の駅弁「吾左衛門鮓鯖4貫入り」の、2010(平成22)年時点での姿。見栄えも価格も異なるが、中身は実はまったく同じ。ラップが棒寿司に直接でなく容器にまるごとかかっていたので、こちらのほうが列車内では食べやすかったのではないかと思う。
※2017年12月補訂:新版の収蔵で解説文を全面改訂