空弁資料館ロゴマーク 旅の友「空弁」。館長が実際に食べた空弁を中心に、日本全国と海外の空弁を紹介します。
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大分空港の空弁(4種類を収蔵)

 大分空港 2006年1月28日訪問
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 1938年に大分市街で海軍の飛行場として開設。1957年に第二種空港として供用開始も、移転に伴い1968年に廃止。3年後の1971年に、大分や別府から約30km離れた国東半島の豊予海峡沿岸で、現在の空港が開港。国内唯一のホバークラフト航路が空港と大分市を結んでいた(2009年10月限りで廃止)。空弁はターミナルビル内の売店や通路で、サバやアジなどの寿司その他がいくつか売られていた。

海鮮棒すし(1,575円) 2012年2月26日に大分空港ターミナルビル内商業エリアで購入
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 商品名を描く白紙を巻いた真っ黒なボール紙製容器に、7切れにカットされたアジの棒寿司が1本、竹皮柄の紙に包まれてガリと醤油を添えて収まる。お値段はなかなかのものだが、アジの身は見た目も味にも透明感があり、全国有数のブランド「関あじ」を名乗るに恥ずかしくない感じ。

 関あじとは、豊予海峡で獲れて大分県佐賀関で水揚げされたアジに付けられる登録商標。一本釣りと活け締めにより刺身で引き締まった身の歯応えを味わえるとあり、偽物が出回るほどの高い人気と価格を誇る。

【大分空港】1938(昭和13)年開港 大分県国東市安岐町下原 http://www.oita-airport.jp/
【国東物産株式会社】大分県国東市武蔵町糸原3284−5 0120-179-230 http://www.e-saki.com/

海の玉手箱(1,050円) 2012年2月26日に大分空港ターミナルビル内商業エリアで購入
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 大分県漁業協同組合と調製元との共同開発により、2011年2月頃に「おさかな満彩弁当」(780円)と共に登場した、「おさかな空弁」。朱塗りの色をした弁当箱の6区画の中に、タイのかぼす風味あんかけにナスやシイタケなどの煮物、タチウオのひつまぶし御飯、ブリのカツ、ヒラメのムニエル、有頭海老と玉子焼、ハモの桜そぼろ御飯、アジの南蛮漬、サバの味噌煮、花形の白御飯を収める。

 魚でこれだけの種類と分量を備える空弁や駅弁は記憶にないし、中身はほぼ魚と飯だけなのに妙な偏りを感じない普通の一食だし、見た目も味もていねいに作られた印象。空弁が話題にならなくなった昨今、この空弁の知名度は購入者と県庁職員に限られるようだが、もっと知られてよい秀作。

【大分空港】1938(昭和13)年開港 大分県国東市安岐町下原 http://www.oita-airport.jp/
【大分空港ターミナル株式会社】大分県国東市安岐町下原 0978(67)1178 http://www.oita-airport.jp/

吉野鶏めし(567円) 2012年2月26日に大分空港ターミナルビル内商業エリアで購入
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 大分県内ではだいぶ有名な鶏肉とゴボウの炊込飯。分厚い三角おむすびの形状で3個が、梅干しやヒジキと共に専用の透明なプラ容器に収まり、竹皮で巻かれてしおりと共にゴムで留められる。柔らかくて少し油っぽくてほのかに香る、そして意外に分量がある空港売りおにぎり。

 吉野鶏めしは、大分市南部の吉野地区に伝わる鶏飯を、1988(昭和63)年に地域の主婦が「吉野鶏めし保存会」というチームを組んで商品化し販売したものだという。2003年(または2004年)には法人化し、今では全国各地の百貨店での催事で売られる大分県の県産品となっている。

【大分空港】1938(昭和13)年開港 大分県国東市安岐町下原 http://www.oita-airport.jp/
【吉野鶏めし保存会 吉野食品有限会社】大分県大分市大字吉野原278 097(595)0332 http://www.torimesi.jp/

豊後牛あっぱれ弁当(840円) 2012年2月26日に大分空港ターミナルビル内商業エリアで購入
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 2008年までに大分空港で登場か。商品名を描いた掛紙を巻く、長方形のデパ地下タイプの容器の中に御飯を詰め、大分県産の牛肉煮で覆い、シイタケ煮、ゴボウ、高菜漬、紅生姜などを添えるもの。各地の空弁や駅弁と同じ内容だなとも思うし、シイタケが見えて大分らしくも思うし、比較的ビーフの香りが強いワイルドな風味があったと思う。調製元は地元の海産物屋さんのレストラン部門。

 大分空港といえばホバークラフト。1971年10月に道路が不便な国東半島へ移転してしまった大分空港と別府や大分を結ぶため、移転前の大分空港や別府観光港と新しい空港を30分で結ぶ海上旅客輸送向けの船体として導入された。空気で海面から浮いてプロペラで滑走する奇特な乗り物は、当時は日本国内でも国鉄の宇高航路や名鉄の鳥羽航路などで活躍していたが、騒音や震動の大きさ、燃費の悪さ、保守費の高さなどで高速船やジェットフォイルなどに置き換えられ、平成に入ってからはここでのみ活躍を続けていた。

 その後、大分空港道路の開通などの道路整備、2000年代の燃料価格の高騰、バブル崩壊以降の大分空港の利用者の減少に伴う乗船客の減少などの理由で、運行会社である大分ホーバーフェリーの経営が行き詰まった。航路は2009年10月限りで運行を停止、会社は清算されホバークラフトは中国へ売られ、訪問時には乗り場は建物を失い、海から空港ターミナルビル脇までのドリフト走行が見られたコンクリートの走路が放置されていた。

【大分空港】1938(昭和13)年開港 大分県国東市安岐町下原 http://www.oita-airport.jp/
【国東物産株式会社】大分県国東市武蔵町糸原3284−5 0120-179-230 http://www.e-saki.com/

2006年2月19日開館 2012年12月3日更新 URL:https://kfm.sakura.ne.jp/soraben/
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