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寝台特急列車 カシオペア2015年4月11日乗車
Overnight Express Cassiopeia

食堂車 食堂車 食堂車

東京都の上野駅と北海道の札幌駅との間、1214.7kmを17〜19時間かけて結んだ寝台特急列車。1999年7月に「北斗星」1往復を置き換える形で、一日あたり片道1本の臨時列車として登場。全車A寝台2人用個室という空前絶後の高額列車で話題になった。食堂車は「トワイライトエクスプレス(大阪駅〜札幌駅)」や「北斗星(上野駅〜札幌駅)」と同じく、予約制ディナー、その後の予約なしのパブタイム、予約不要の朝食営業を実施した。2016(平成28)年3月に廃止。

【終売】カシオペアスペシャル弁当(3,500円)2009年8月22日に東京駅駅弁売店で購入
Cassiopeia Special Bento (end of sales)

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上野〜札幌間の寝台特急「カシオペア」のルームサービス専用メニューとして、乗車日の1か月前から3日前までに予約することで入手できた車内弁当。同列車の運行10周年を記念して2009年6月30日から8月31日まで東京駅の駅弁売店での予約販売が行われ、さらに8月の何日間かは無予約での購入も可能だったもの。

列車のヘッドマークや車体などにも描かれるロゴマークを配した青い風呂敷で立方体の弁当箱を包む。中身は三段重ねになっており、下段「三の重」では酢飯にウニ・イクラ・カニを載せて漬物を添え、中段「二の重」には有頭海老やカボチャやこんにゃくなどの煮物と肉じゃがを詰め、上段「一の重」は玉子焼、サケ揚げ、かすべ(エイヒレ)唐揚、ニンニク磯部揚げ、ニシン昆布巻、紅鮭とイカのこうじ和え、ホッケ味噌焼、ミニ大福などであった。

日本一の豪華列車であるカシオペアは、世界の豪華列車と違い料金に食事代が含まれておらず、それどころか食堂車の予約可能人数(28×3=84名)が列車の定員(174〜190名?)に満たないから、この弁当のような救済策が必要となる。一方で日本には駅弁文化があり、豪華列車に乗車しても食堂車を利用せずに弁当で食事を済ます乗客が多いかもしれず、同じ区間を1988(昭和63)年から走っている寝台特急「北斗星」の食堂車の利用状況も考えて、こういう列車に仕立てたのかもしれない。

カシオペア用の車両は1編成しかないため、片道17時間の道のりでは片道あたり隔日の運行が限度であり、車両の検査時には運休となる。大阪〜札幌間の寝台特急「トワイライトエクスプレス」のように車両を3編成用意すれば毎日の運行が可能となるが、1999年7月16日の運行開始からこのように10年を迎えるにもかかわらず車両の追加投入を行っていないため、利用状況がそんなものなのか、乗車率が良くても儲からないからそのままにしているのだろう。

調製元
株式会社 NRE大増 第二工場 東京都北区昭和町3−1−10 03(3810)7551 http://www.nre.co.jp/nre-daimasu/

【終売】カシオペアスペシャル弁当(3,800円)2015年4月11日にカシオペア車内で受取
Cassiopeia Special Bento (end of sales)

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上記「カシオペアスペシャル弁当」を、寝台特急「カシオペア」の乗車時に注文したもの。乗車日の3日前にJRの駅のみどりの窓口で寝台券を提示のうえ購入し、乗車当日に個室まで直接届けてくれた。下り列車の弁当の調製元がNREであることはよく記されるが、上り列車の弁当の調製元が札幌駅立売商会であることはほとんど紹介されていないと思う。ただ、外観や価格に加えて中身も、上下列車ともおそらく共通で作られていると思う。

2014年12月18日にリニューアルしたというこの中身は、上段の「一の重」がキングサーモン塩焼、玉子焼、有頭海老煮、笹蒲鉾、イカ照焼、カニ磯辺揚、アスパラガス天ぷら、帆立の雲丹ソース焼、海鮮麩着、くるみ豆腐、田楽味噌、くるみ甘露煮、ずんだ団子、中段の「二の重」がじゃが芋のキッシュ、鶏肉のマッシュルームソース、ブロッコリー、赤パプリカ、タコマリネ(バジル風味)、煮物(玉蒟蒻、春雨巾着、筍、人参、蕗、生麩)、ハタハタ南蛮漬、若布、二色パプリカ、下段の「三の重」がちらし寿司(カニフレーク、いくら醤油漬、錦糸玉子、北海道型昆布)。これにアツアツのお吸い物が付く。

カシオペアが16年間、一日あたり最大で片道1便の臨時運行を続ける間、同じ区間の先輩の寝台特急「北斗星」は一日2往復が1往復に減り2015年3月ダイヤ改正で廃止されるなど、各地で夜行列車や寝台特急はJRが粛々と廃止、連日満席の「トワイライトエクスプレス」(大阪駅〜札幌駅)でさえ同日に廃止というか粛清された。

1979(昭和54)年の運輸大臣の発言で発覚した国鉄〜JRグループによる夜行列車の全廃がいよいよ最終段階へ入ると、まるで半世紀前のSL(蒸気機関車)ブームと同じく、様々な雑誌や書籍が夜行列車を特集したり、線路端にカメラの砲列が待ち構えたり、寝台券の蒸発でダフ屋がネット上で横行するなど、1980年代のブルートレインブームを彷彿とさせる夜行列車ブームが起きている。オフシーズンや平日には空いていたカシオペアも、寝台券が取りにくくなった。

調製元
株式会社 札幌駅立売商会 北海道札幌市東区北8条東2丁目1番地 011(721)6101 http://www.ekiben-sapporo.net/

【終売】煮込みハンバーグセット(2,060円)2015年4月11日にカシオペアの食堂車で注文
Nikomi Hamberg Set (end of sales)

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カシオペアの食堂車を夜間に予約なしで利用できる時間帯「パブタイム」に提供されるメニューのひとつ。煮込みハンバーグ、スープ、パン又はライス、コーヒー又は紅茶のセット。高級な列車だからか、他の列車で使われる約40年前の食堂車になかった調理設備を備えるためか、見栄えも味もホテルのレストランのレベルにあったと思う。真っ黒なハンバーグは良く締まり洋食の味。

セットメニューにはもうひとつ「ビーフシチューセット」(2,570円)が存在。これは煮込みハンバーグがビーフシチューに変わるだけで、マッシュポテトとブロッコリーとニンジンの添付を含め、他はまったく変わらない模様。

【終売】カニのトマトクリーム(1,230円)2015年4月11日にカシオペアの食堂車で注文
Kani no Tomato Sauce (end of sales)

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カシオペアの食堂車を夜間に予約なしで利用できる時間帯「パブタイム」に提供されるメニューのひとつ。その名のとおり、見た目のとおり、カニのトマトクリームをからめたパスタ。もちもちして、おいしかった。

ワンプレートメニューに下記のものがあった。ビーフシチューと煮込みハンバーグは、セットメニューのメインディッシュを単品で提供。カレーは飯と鍋入りカレーとサラダが来る模様。いろいろ試したかったが、この日は朝から10個も空弁や駅弁を食べていて、とても手が回らなかった。

【終売】和朝食(1,650円)2015年4月12日にカシオペアの食堂車で注文
Wa Chosyoku (end of sales)

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カシオペアの食堂車での朝食。夕食と違い予約不要、つまり予約できないため、「カシオペアスイート」7室または「カシオペアデラックス」1室の客になりルームサービスにするか、朝6時半(下り列車では朝7時)の開店時の椅子取り競争に勝つか、それに負けて通路でしばらく待つことになる。

メニューは「和朝食」「洋朝食」(各1,650円)のみ。この和朝食は、ご飯、味噌汁、焼き魚、卵焼き、かまぼこ、わさび漬け、香の物など、デザート、コーヒー又は紅茶。過去の寝台特急の食堂車での和朝食は、箱入りの弁当タイプで提供されていたと思うので、このようなおかずのワンプレートで提供が目新しく感じた。

【終売】洋朝食(1,650円)2015年4月12日にカシオペアの食堂車で注文
Yo Chosyoku (end of sales)

外観
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こちらは洋朝食。パン、ミニサラダ、ロースハム、ソーセージ、ハッシュドポテト、卵料理(スクランブルエッグ)、ジュース(クランベリージュース)、フルーツのヨーグルトかけ、デザート、コーヒー又は紅茶。高価だとは思うが、そういう客はそもそもカシオペアに乗っていない。きっぷを買って乗れる全国唯一の食堂車の体験や、バイキング形式でない朝食を宿泊施設でいただく機会は、とても貴重である。

こうやって運行開始後約16年にして初めて寝台特急「カシオペア」に乗車。土曜日の便を狙い、当日に羽田から千歳まで飛び、その日のうちにこれに乗車し、日曜朝には上野に戻った。札幌駅の入線直後には食堂車にシャワーカードを求める行列ができ、夜にはパブタイムの行列があり、朝も朝食の席取りの行列ができ、乗る前にも寝台券を獲得するための駅での行列もあるかもしれず、どこかのブログでの表現「行列特急」がとても的を射ていた。