banner  旅の友「駅弁」。
 館長が食べた駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。
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5.駅弁の販売方法

駅弁は駅で売られるのが当たり前とはいえ、その形態は確実に変化してきています。かつては立ち売りやホーム上でのカート売りが主流でしたが、現在は一部の駅を除き専用ないし兼用の売店での販売が主流です。また、駅以外でその多くを売り上げる駅弁も少なくありません。

(1)立ち売り

駅弁販売の原点です。専用の駅弁収納ケースに駅弁やお茶を収納、首や肩に紐をかけてホーム上を歩きながら販売します。国内ではあと十数駅を残すのみの貴重な風景で、鉄道省規格の弁当販売箱や売り子さんの掛け声はもはや絶滅寸前です。なお、駅弁立売の現況については「駅弁立売情報」をご覧ください。

(2)カート売り

青森駅ホームでのカート売りの光景

専用売店と立ち売りの中間的な存在です。移動式のカートに駅弁や飲み物を積み込み、ホーム上で販売します。基本的に販売中はカートは移動しません。特急や急行の始発列車の多いターミナル駅でよく見られましたが、特急列車が多く発着するゆとりある在来線ホームが少なくなったため、最近は見る機会も少なくなりました。福岡県・鹿児島本線博多駅など。
写真:青森駅ホームでのカート売りの光景

(3)台売り

直江津駅ホームでの台売りの光景

立ち売りやカート売りに似ていますが、立ち売りと呼ぶにはふさわしくなく、カート売りにしては移動手段がないので、一項目とします。立売容器を脚に乗せたものから売店や屋台の体裁をしたものまで、簡単に設営や撤収が可能な設備での販売で、新幹線のターミナル駅でよく見掛けます。東京都・東海道新幹線東京駅など。
写真:直江津駅ホームでの台売りの光景

(4)車内販売

臨時SL列車での車内販売の光景

列車内でかごやワゴンを使っての移動販売です。かつては特急や急行に車内販売があるのは当たり前でしたが、最近は短区間の列車や寝台特急では見られないことが普通です。取り扱う種類は基本的に1台1種、多くても片手で数えられるほどで、入手できるのはだいたいが著名な駅弁か変哲のない幕の内弁当になりますが、大幹線かローカル線ではそうでないケースも見られます。全国の新幹線や特急列車など。
写真:臨時SL列車での車内販売の光景

(5)兼用売店

成田駅ホーム上の兼用売店

小さな駅での一般的な形態です。キヨスクなどの売店や立ちそば屋などのカウンターに駅弁を置き、店員が他の品物と一緒に取り扱います。近年は都市部でウォークイン式というコンビニ型の店舗が駅構内に数多く進出し、サンドイッチやおにぎりと共に駅弁を陳列し、セルフサービスでレジに持ち込むスタイルも増えてきました。
写真:成田駅ホーム上の兼用売店

(6)専用売店

高山駅ホーム上の専用売店

一般的な駅弁販売の形態です。駅構内に駅弁業者の売店を設置、駅弁やサイドメニューに飲み物など、食事に必要なアイテムを販売します。最も多種類の駅弁を比較検討できるスタイルですが、一定の種類や販売量がなければ成り立たない形態でもあります。
写真:高山駅ホーム上の専用売店

(7)ドライブイン・サービスエリア・道の駅

群馬県内の駅弁ドライブイン

有名駅弁を擁し、駅弁販売以外に飲食業や小売業を総合的に展開する規模の大きい企業にだけ許される形態です。駅弁業者が道路沿いのドライブインや高速道路のサービスエリアに進出し、駅弁を販売します。駅弁は一般的な弁当より高級で高額なため、普通の弁当とは競争にならず、ここで売れるのは有名駅弁に限られます。
写真:群馬県内の駅弁ドライブイン

(8)駅弁大会

大阪市内の百貨店での駅弁大会の光景

駅弁を駅で売らない形態の代表です。デパートやスーパーで期間限定の催し物として駅弁を販売します。これでは駅弁ではないと憤慨する駅弁ファンも多いのですが、鉄道駅の構内という限られた市場では商売が成り立ちにくくなっているため、大都会を除く駅弁が生き残るための重要な市場です。なお、食品事故の防止の観点から、その開催時期はおおむね10〜3月に限られます。
写真:大阪市内の百貨店での駅弁大会の光景

(9)通信販売

インターネット通信販売の画面例

通信販売やインターネットの普及で、駅弁の世界でも徐々に浸透しつつある形態です。電話注文またはネット上での発注で手軽に駅弁を購入できますが、駅弁の多くは日持ちがしないため、入手できる種類は限られるのが一般的です。旅の気分はまるでなく、中毒的に特定の駅弁が食べたくなった際にのみ利用したいものです。
写真:インターネット通信販売の画面例