banner  旅の友「駅弁」。
 館長が食べた駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。
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JR東日本 小淵沢(こぶちざわ)駅2016年11月12日訪問Googleマップ
JR-East Kobuchizawa Station

駅名標 駅舎 駅構内

新宿駅から中央本線の特急列車で約2時間。北杜市(ほくとし)は山梨県の北西端を占める、人口約4.6万人の市。甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳や金峰山や茅ヶ岳に囲まれた高原に、農地が広がり、山や緑に観光客が来る。駅弁は売店に「小淵沢駅の名物は駅弁です」と掲示するほどの名物。1894(明治27)年12月21日開業、山梨県北杜市小淵沢町。

元気甲斐(げんきかい)(1,600円)2015年4月17日に小淵沢駅で予約購入
Genkikai

掛紙 外観 外観 外観 外観 中身 中身 中身

テレビ番組の企画から誕生した駅弁の元祖。1985(昭和60)年10月27日正午の販売開始時には、駅に祝砲の花火が上がり、三千人のファンが列を作ったという。テレビ朝日の料理番組「愛川欽也の探検レストラン」で、番組司会の愛川欽也氏、映画監督の伊丹十三氏、料理評論家の山本益博氏、デザイナーの島崎信氏、駅弁に詳しい林順信氏の5名で企画を練り、ネーミングをコピーライターの岩永嘉弘氏が、掛紙の絵柄をイラストレーターの安西水丸氏が担当した。

経木折の中身は、下段が東京の料亭「吉左右(きっそう)」の作品で、栗とシメジの混ぜ御飯にワカサギや鶏やアスパラの唐揚げ。上段は京都の料亭「菊乃井」の作品で、炊き込み御飯に香の物類が並ぶ。たちまち小淵沢の名物となった駅弁のこの姿は、発売当時から変わらない。調製元は発売当時の製作過程ビデオを用いて、品質を保っているという。同時に復刻販売が始まった汽車土瓶も、価格を上げながら販売を続けている。

2005年6月時点で多い日には一日で約500個が売れるという。価格は発売時から長らく1,300円であったが、2014年に1,500円へ値上げ、2017年時点で1,600円。

※2017年8月補訂:値上げを追記
※2015年5月補訂:写真と解説文の更新
※2014年7月補訂:値上げを追記
販売駅
中央本線 小淵沢(こぶちざわ)駅 1894(明治27)年12月21日開業 山梨県北杜市小淵沢町
調製元
株式会社 丸政 山梨県北杜市小淵沢町996 0551(36)2521 http://www.genkikai.org/

【掛紙】元気甲斐(げんきかい)(1,300円)2001年11月24日に品川駅コンコース駅弁大会で購入
Genkikai

掛紙

2001(平成13)年11月24日7時の調製である、昔の小淵沢駅弁の掛紙。おそらくこの駅弁の誕生の経緯により、絵柄は発売時から現在まで同じである。調製元所在地、食品表示、その他法令上の標記が、時代により変わる。

販売駅
中央本線 小淵沢(こぶちざわ)駅 1894(明治27)年12月21日開業 山梨県北杜市小淵沢町
調製元
株式会社 丸政 山梨県北巨多郡小淵沢町996 0551(36)2521

風林火山(1,350円)2006年4月9日に東京駅駅弁の日記念駅弁大会で購入
Furinkazan

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1988(昭和63)年のNHK大河ドラマ「武田信玄」放送にちなみ、同年に登場。調製元の公式サイトでは2005年4月10日発売としている。写真のものは2006年4月のリニューアル品だが、2007年のNHK大河ドラマは「風林火山」なので、これを意識したものか。大きく真っ黒な発泡材容器を、武田菱を柄とする赤い掛紙で包む。発売箇所によってはこれに同柄の専用紙袋も付く模様。

武田菱状に仕切られた中身は、その外側に「風の信玄笹寿司」ことアワビ煮貝添え笹寿司、「林の里村炊き込み御飯」ことアワビとシメジの炊込飯、「火の甲州鉄火味噌おにぎり」こと鉄火味噌載り笹御飯、「山の栗おこわ」こと山栗おこわ、内側に「甲斐の味あわせ」として牛肉巻、玉子焼、紅鱒西京焼、ほうとう揚げ、かぼちゃ茶巾揚げ、アンズのシロップ漬など。値段は高いがどこまでも本格派、思い出作りの旅にはとてもふさわしい昼食になると思う。価格は購入当時で1,200円、2014年時点で1,350円。常にある駅弁でなく、断続的あるいは間欠的に発売されている。

風林火山の「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」(疾(はや)きこと風の如(ごと)く、徐(しず)かなること林の如く、侵(おか)し掠(かす)めること火の如く、動かざること山の如し)は、武田信玄の創作ではなく孫子の句の部分引用で、しかも軍旗には四字熟語ではなく14字の漢文で記される。しかし後の歴史書や歴史小説などにより甲斐の国と武田信玄のキーワードとして定着し、これが駅弁や観光資源になっている。

※2014年7月補訂:値上げなどを追記
販売駅
中央本線 小淵沢(こぶちざわ)駅 1894(明治27)年12月21日開業 山梨県北杜市小淵沢町
調製元
株式会社 丸政 山梨県北杜市小淵沢町996 0551(36)2521 http://www.genkikai.org/

そば屋の天むす(750円)2016年6月19日に河口湖駅の駅弁台売りで購入
Sobaya no Tenmusu

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2013(平成25)年12月の発売。キクラゲの混ぜ御飯で小さなエビ天を巻く、ピンポン球くらいの大きさのミニおむすび5個とタクアンを、竹皮に包んで、紙袋に詰める。調製元は小淵沢駅の駅弁屋であるが、同時に駅そば屋や立ち食いそば屋でもあるため、この商品名で合っている。駅売りの天むすは名古屋のものに一日の長があり、そちらはエビ天が顔を出していて見栄えがするが、こちらは味とつくりで名を広め、今は東京駅の人気商品だったり、駅弁催事に出てきたりする。

販売駅
中央本線 小淵沢(こぶちざわ)駅 1894(明治27)年12月21日開業 山梨県北杜市小淵沢町
調製元
株式会社 丸政 山梨県北杜市小淵沢町996 0551(36)2521 http://www.genkikai.org/

おやき三昧(650円)2016年10月10日に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で購入
Oyaki Zanmai

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JR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2016」へのエントリーに合わせて、2016(平成28)年10月の発売か。現物に駅弁の名前が書かれていないが、調製シールでは「おやき三昧」、キャンペーン上では茅野駅弁「信州名物 おやき三昧」となっている。おやきの写真と断面と中身をデザインした、正三角形のボール紙製容器に、ラップに包まれた「なす」「野沢菜」「キンピラ」のおやきを各1個収める。味もそのもの。おやきは信州であれば、どこでも温かいものが買えると思うので、これは東京駅その他の県外で売られるのが正しい姿に思えた。

販売駅
中央本線 小淵沢(こぶちざわ)駅 1894(明治27)年12月21日開業 山梨県北杜市小淵沢町
調製元
株式会社 丸政 山梨県北杜市小淵沢町996 0551(36)2521 http://www.genkikai.org/
疑義駅弁

高尾山天狗弁当(1,200円)2015年1月10日に京王百貨店駅弁大会で購入
Takaosan Tengu Bento

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2015(平成27)年1月の京王百貨店駅弁大会で販売。ダルマ型かヒョウタン型に見える黒いプラスティックの容器に、天狗の顔のパッケージを被せる。中身は食材の配置で天狗を模しており、白御飯の上に目のシイタケ、鼻のエビフライ、眉の花レンコン、髭のワラビやゼンマイやヒメタケ、髪の牛肉煮、他にクリ、玉子焼、大根漬け。具は見栄えのみで選んだと思われるので、当然に内容と風味が散漫になる。食べるのではなく見る弁当。

京王百貨店駅弁大会で、百貨店の親会社の京王電鉄の沿線最大の観光地が高尾山ということで、こんな商品を作ってみたかったのではないかと想像する。調製元は東京のNREなどではなく、遠く小淵沢。中央本線の東京や新宿と小淵沢との間の駅弁屋がすべて消えた現状に鑑みると、中身を食べても悪くないものにして、行楽期の八王子駅や高尾駅で売り、話題にできないものかと思う。今のところ、京王百貨店駅弁大会以外で売られたことがない商品である模様。翌2016年にも出てきた。

販売駅
中央本線 小淵沢(こぶちざわ)駅 1894(明治27)年12月21日開業 山梨県北杜市小淵沢町
調製元
株式会社 丸政 山梨県北杜市小淵沢町996 0551(36)2521 http://www.genkikai.org/

【終売】駅弁誕生130年記念辨當(1,300円)2015年4月12日に東京駅「駅弁誕生130周年記念駅弁大会」で購入
Ekiben Tanjo 130-syunen Kinen Bento (end of sales)

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2015(平成27)年4月10〜12日に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」「駅弁屋 踊」で開催された「4月10日は駅弁の日 駅弁誕生130周年記念駅弁大会」で販売された記念駅弁。日本鉄道構内営業中央会がこの年の4月10日の「駅弁の日」を、駅弁発祥宇都宮駅説により1885(明治18)年から数えて130周年として祝っており、その施策の一環だとも思われる。公式発表や収穫報告はないが、その翌週の小淵沢駅でも販売されていた。翌5月頃までの販売か。

小淵沢の古い鳥瞰図を掛紙に使用、二段重ねの容器の中身は、下段がキクラゲ入りの白飯と黒米混じり飯のおむすびが2個ずつと赤かぶ漬、上段がおかずでサケ西京焼、玉子焼、鶏唐揚、かまぼこ、ニンジンや高野豆腐などの煮物、すずらん餅など。つまりだいたい幕の内駅弁であるが、最近話題の「おにぎらず」でふんわりと飯を詰めた点が目新しい。調製シールにも「お握らず」とあった。

その「おにぎらず」とは、スーパーなどで買える「全形」サイズ(約21cm×約19cm)の海苔1枚の上に、温かい御飯(茶碗1杯分とされる)を薄く広げ、好みで具も添えたり混ぜ、海苔の四隅で閉じて作る、握らずにできる四角いおむすび。週刊のマンガ雑誌「モーニング」で連載される、うえやまとち氏の料理マンガ「クッキングパパ」で、1990(平成2)年に掲載され翌年に単行本化された回「COOK.213『超簡単おにぎり おにぎらず』」の内容が、四半世紀の時を経て2014年の秋にインターネット上で話題になり、急速に普及した。駅弁で見たのは、これが初めて。

販売駅
中央本線 小淵沢(こぶちざわ)駅 1894(明治27)年12月21日開業 山梨県北杜市小淵沢町
調製元
株式会社 丸政 山梨県北杜市小淵沢町996 0551(36)2521 http://www.genkikai.org/

【終売】万作べんとう(700円)2014年12月19日に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で購入
Mansaku Bento (end of sales)

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昭和50年代に売られた、当時の小淵沢駅の名物駅弁。ワラビ、タケノコ、山ごぼう、シイタケ、赤カブ、クリなどを使う山菜おこわ、現役当時の表現では野菜の炊込飯が、竹皮に包まれ、八ヶ岳とかかしを描いたボール紙のパッケージに収まる。地元の農家が豊年万作を祈る祭の際に作った弁当をイメージしたそうな。今回は2014(平成26)年12月にのみ、東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で売られた模様。

販売駅
中央本線 小淵沢(こぶちざわ)駅 1894(明治27)年12月21日開業 山梨県北杜市小淵沢町
調製元
株式会社 丸政 山梨県北杜市小淵沢町996 0551(36)2521 http://www.genkikai.org/

【終売】ぐるり信州まるごと弁当(1,200円)2010年10月10日に東京駅東日本縦断駅弁大会で購入
Gururi Shinsyu Marugoto Bento (end of sales)

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2010(平成22)年10〜12月のJRグループ「信州デスティネーションキャンペーン」や、2010〜2011年の駅弁大会シーズンに向けた投入か。真円形の発泡材容器に透明なふたをして、長野県と山並みと中身のイラストを描いたボール紙の枠にはめる。中身はパッケージに書かれるとおり、マスと野沢菜の巻寿司にクルミ味噌に大学芋、ウナギ飯にソースカツに凍豆腐、からしいなりに鶏山賊焼にニンジン、栗山菜おこわにそばかき揚げに舞茸煮。

パッケージの底面に書かれるとおり、中身はそれぞれ、東信、南信、中信、北信をイメージした模様。1,200円で12品目を欲張り過ぎたためか、「栗山菜おこわ」に山菜はシメジ1本だけだとか、「うなぎまぜ御飯」にウナギは小片が載るだけで混ざってないとか、文句を探せば挙げられるが、分量豊富で賑やかな記念弁当。

販売駅
中央本線 小淵沢(こぶちざわ)駅 1894(明治27)年12月21日開業 山梨県北杜市小淵沢町
調製元
株式会社 丸政 山梨県北杜市小淵沢町996 0551(36)2521 http://www.genkikai.org/

【終売】あつあつほうとう鍋(880円)2009年1月14日に京王百貨店駅弁大会で購入
Atsuatsu Hoto Nabe (end of sales)

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2009(平成21)年1月に登場。同年同月の京王百貨店駅弁大会に向けた投入か。土鍋型のプラ製トレーに凸状の透明なふたをかぶせ、駅弁名に山梨名物ほうとう鍋の写真を掲載したボール紙の箱に詰める。中身は平たい麺の上にカボチャ、サトイモ、ゴボウ、シメジを載せて豚肉を沈めて味噌汁に漬けたもの。煮込みのどろっとした感じの薄い、カボチャと麺がたっぷりの、すっきりした鍋うどん。2014年時点で現存しない模様。

山梨県内のほうとう駅弁は登場と消滅を繰り返しているが、今回はコンビニでおなじみの汁物固結技術を利用してきた。汁物を弁当や惣菜として販売するために、スープをゼラチンでゲル状に固め、これを電子レンジでの加熱により溶かして消費するもの。これに対応して、お湯を足すな、火にかけるな等の注意書きが紙片で添えられる。ゼラチンは味に影響せず、溶けたゼラチンは冷めても固まらないとされるが、この駅弁は冷めるにつれて汁が再固結し始めた点が気になった。

※2014年7月補訂:終売を追記
販売駅
中央本線 小淵沢(こぶちざわ)駅 1894(明治27)年12月21日開業 山梨県北杜市小淵沢町
調製元
株式会社 丸政 山梨県北杜市小淵沢町996 0551(36)2521 http://www.genkikai.org/

【終売】しなのゆきます(650円)2005年4月8日に東京駅駅弁の日記念駅弁大会で購入
Shinano Yukimasu (end of sales)

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細長い長方形の発泡材容器に、割り箸とマスの押寿司を詰め、蓋をして掛紙で巻いてセロテープで留める。見た目どおり淡泊な味。白く透き通るマスの身に載せた白昆布と、中に挟んだシソの葉が、風味を出さずにクセを消す役割を果たすか。駄洒落系でも元気甲斐と同様、商品そのものに実力がある。2014年時点で現存しない模様。

シナノユキマスは、長野県が1975年に当時のチェコスロバキアから導入し、佐久の水産試験場で9年かけて養殖技術を確立した東欧原産のサケ科の湖沼性淡水魚。1983年に当時の吉村長野県知事が命名したという。二十年も経つのに知名度が薄いのは、飼育が難しく佐久地方以外に広まらないためか。しかし駅弁ではなぜか県境を越えており不思議だ。

※2014年7月補訂:終売を追記
販売駅
中央本線 小淵沢(こぶちざわ)駅 1894(明治27)年12月21日開業 山梨県北杜市小淵沢町
調製元
株式会社 丸政 山梨県北杜市小淵沢町996 0551(36)2521 http://www.genkikai.org/