東京駅から電車で約25分。横浜市は神奈川県の東部で東京湾に面した、人口約380万人の港町。東京の衛星都市として人口日本一の市であるほか、異国情緒とウォーターフロントで多くの観光客も集める。駅弁は、大正時代からの駅弁屋がコンコースやホーム上や駅周辺各地に駅弁売店を構え、「シウマイ弁当」は日本一売れる駅弁とされる。1915(大正4)年8月15日開業、神奈川県横浜市西区高島2丁目。
崎陽軒の創業100周年記念製品として、2008(平成20)年9月1日から11月30日まで販売した、シウマイまん史上初の季節商品。横浜市開港記念会館と神奈川県の形が見えるボール紙製の紙箱に、小さく真っ白なまんじゅうが12個収まる。中身にはシウマイが使われている。
宣伝文「シルクのようななめらかな食感」のとおり、通常版のシウマイまんから風味でも食感でもトゲをすべて抜いて、柔らかく滑らかに仕上げた印象。成分にシルクを混入したそうだが、絹や布の風味はなかった。
崎陽軒の創業100周年記念製品として、2008(平成20)年9月1日から11月30日まで販売。いつもの季節限定シウマイの木目柄ボール紙製容器を、横浜市開港記念会館と神奈川県の形が見える包装紙で包む。
中身は神奈川県産やまゆりポークを使い、ふかゼラチン、あわびソース、シルクなどを混入した季節限定特製シウマイが6個。宣伝文「シルクのようななめらかな食感」のとおり、通常版の特製シウマイから風味でも食感でもトゲをすべて抜いて、柔らかく滑らかに仕上げた印象。絹や布の風味はなかった。
開国から戦前まで、日本は現在の中国とともに世界有数の絹(シルク)やその製品の産地であり、当時の政策であった殖産興業を支える重要な輸出品となっていたから、開港場として生まれ貿易港として発展した横浜の歴史と密接な関係を持つ。シルクが国内では産業ではなく文化財となった現在では、横浜とシルクとの関係は忘れられがちだが、横浜第二合同庁舎やシルクセンターにシルク博物館、三渓園やJR横浜線に横浜スカーフなど、様々なところに由来が残っている。
崎陽軒の創業100周年記念製品として、2008(平成20)年6月1日から8月31日まで販売。ただし、特製シウマイを季節で回すことは年中行事。いつもの季節限定シウマイのボール紙製容器を、九州のシルエットや提灯の写真などを描いた包装紙で包む。
中身は黒豚を使い、椎茸やタケノコやトビウオに黒胡椒を混入した季節限定特製シウマイが6個。中華街で売っている焼売のような、崎陽軒らしくない豚臭さがある、一般に普通の特製焼売という印象。
崎陽軒や富陽軒という駅弁屋の名前にも見られる「○陽」は、○の地名を漢語調で表現したもの。崎陽軒の崎は、神奈川や武蔵ではなくなぜか長崎から来ているが、これは1908(明治41)年に横浜駅で構内営業の許可を取り商売を始めた久保久行氏の出身地が長崎であったことによる。2008年はここから100周年というわけで、この特製シウマイが九州にちなむのはそこからきている。
崎陽軒の創業100周年記念製品として、2008(平成20)年4月1日から5月31日まで販売。ただし、特製シウマイを季節で回すことは年中行事。いつもの季節限定シウマイのボール紙製容器を、商品名とコーンや枝豆や北海道のイラストなどを描いた包装紙で包む。
中身はコーンや枝豆とイカを混入した季節限定特製シウマイが6個。いつもの帆立貝柱ともども北海道産ということから、商品名「北の恵み」が来ているのだろう。コーンと枝豆の粒と味はシウマイに水気を出し、イカはどこかに隠れてしまった。
崎陽軒の創業100周年記念製品として、2008年12月1日から23日まで販売。この年に100周年記念で出た期間限定特製シウマイ、つまり上記の「北の恵みシウマイ」「黒豚シウマイ」「シルクシウマイ」を3個ずつ収めたパッケージ。発想が安易だけど、復習に便利だった。しかし容器は他の特製シウマイの商品に同型が見当たらず、これのために新たに起こしたのだろう。