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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

【終売】うながっぱ釜めし(1,050円)Unagappa Kamameshi (end of sales)
2012年1月28日に阪神百貨店の駅弁大会で購入 Jan. 28, 2012

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

2012(平成24)年1月の阪神百貨店の駅弁大会で水了軒の大阪駅弁「八角弁当」とともに販売されていたお弁当。ふたまで陶製の釜飯駅弁タイプ容器に、マスコットキャラクター「うながっぱ」など岐阜県多治見市のことを書いた掛紙を輪ゴムで留める。中身はワサビ飯の上を錦糸卵と刻み海苔で覆い、ウナギ蒲焼きを刻んで並べ、ワサビ味噌とキュウリ漬物を添えるもの。つまり、ひつまぶしのようなもの。中国産と明記されるウナギがとろけるおいしさだった。

調製元の公式サイトによると、この弁当は2011年7月ないし8月から多治見駅の駅ビル「アスティ」の惣菜屋で販売し、名古屋駅や水了軒ブランドでも販売予定とある。販売予定のまま1年が過ぎたと思う。岐阜県大垣市の惣菜屋が大阪駅弁の水了軒を2010年に取得しているため、「八角弁当」とこれが併売されていることについては不思議ではない。購入時かその春までに売りやめた模様。

掛紙に書かれるとおり、岐阜県多治見市では2007年8月16日、埼玉県熊谷市とともに最高気温40.9度が観測され、1933(昭和8)年7月25日に山形県山形市で観測された最高気温記録40.8度を74年ぶりに更新した。掛紙に描かれる「うながっぱ」は、これを受けて観光振興の目的で創作されたキャラクターである。

※2017年4月補訂:終売を追記
販売駅
中央本線 多治見(たじみ)駅 1900(明治33)年7月25日開業 岐阜県多治見市音羽町二丁目
調製元
株式会社 デリカスイト 水了軒厨房 大阪府大阪市淀川区野中北1丁目16番地16号 06(6150)4137

飛騨むすび(うなぎ)(150円)Hida Musubi Unagi
2003年7月26日に新岐阜駅の乗換通路おにぎり屋台で購入 Jul. 26, 2003

掛紙 中身
外観 中身 中身

名古屋鉄道の新岐阜駅(当時)構内のおむすび屋台で販売されていた握り飯。鰻蒲焼の具が見えるように御飯を海苔で包むという最近流行のスタイルのおむすびをひとつ、おむすび型のビニール容器に詰めたもの。駅弁と呼べる品物ではないが、御飯の風味が良かったことと、新岐阜駅に駅弁がないので、おまけで紹介。

販売駅
名古屋鉄道 名鉄岐阜(めいてつぎふ)駅 1948(昭和23)年4月18日開業 岐阜県岐阜市神田町
調製元
村瀬米穀店 岐阜県岐阜市徹明通1−19 058(212)0277

おらが鉄道せんべい(ひまわりシナモン)(350円)Oraga Tetsudo Senbei
2008年5月26日に入手 May 26, 2008

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身

明知鉄道が2007(平成19)年5月から恵那、岩村、明智の各駅で販売しているおせんべい。大きさが直径6センチ程度の、ヒマワリのタネを混ぜたシナモン風味で甘めの小麦粉せんべいを個別包装して、せんべいのしおりと鉄道のしおりとともに袋詰めする。他に「ピーナツ」「パンプキンシード」「ココナツ」で計4種類があり、6枚入りで250円、10枚入りで350円。電話注文による代金引換販売でも入手可能。

1985(昭和60)年11月に国鉄の廃止対象線であった明知線の恵那駅から明智駅までの25.1kmを転換した明知鉄道は、同様の形態で誕生した他の第3セクター鉄道会社と同様、毎年の赤字に苦しんでいる。2006年11月に千葉県の銚子電気鉄道が廃線の危機でぬれ煎餅の購入を呼び掛けたことが話題になり売り上げを伸ばしたことにあやかろうと、中津川の煎餅屋から商品を仕入れて鉄道せんべいとして販売を始めたもの。赤字の解消とまではいかないが、品切れを起こすほどの人気だそうな。

販売駅
明知鉄道 明智(あけち)駅 1934(昭和9)年6月24日開業 岐阜県恵那市明智町
調製元
明知鉄道 株式会社 岐阜県恵那市明智町469番地4 0573(54)4101 https://www.aketetsu.co.jp/

JR東海 大垣(おおがき)駅 JR-Tokai Ogaki Station
2024(令和6)年4月訪問 GoogleMap「大垣駅」

駅名標 駅舎 駅構内

名古屋駅から東海道線の快速電車で30分ちょっと。大垣市は岐阜県の南西端で濃尾平野に位置する、人口約15万人の城下町。地下水が自噴し河川が入り組む水の都で、繊維から電子へ移行した産業都市でもある。駅弁は19世紀末に相次いで進出した構内営業者がいたが、1990年代までになくなった。1884(明治17)年5月25日開業、岐阜県大垣市高屋町一丁目。

【掛紙】御弁当(100円)Obento
調製年月日不詳 1960's

掛紙

昭和30年代頃の調製と思われる、昔の大垣駅弁の掛紙。駅弁の名前は新字体なのに、価格が「百園」と旧字体。東京駅と大垣駅を結んだ夜行快速列車「ムーンライトながら」で大垣駅に乗り降りした度に、ここに駅弁があればよいのにと思った。ただ、もし駅弁が残っていても、春夏冬の「青春18きっぷ」の利用期間は人気列車の乗換競争や席取り合戦と混雑で駅弁どころではなく、そうでない期間は利用者が少なかったようで、駅弁があっても売りにくかったかもしれない。

販売駅
東海道本線 大垣(おおがき)駅 1884(明治17)年5月25日開業 岐阜県大垣市高屋町一丁目
調製元
小川商店 所在地の記載なし 3698番

【掛紙】上等御辨當(35銭)Joto Obento
1925年1月17日調製

掛紙

35銭の価格から、昭和14年でなく1925(大正14)年1月17日の調製と思われる、昔の大垣駅弁の掛紙。イラストで大垣城と養老の滝、そして交通案内で谷汲山が、名所として記される。

※2024年8月補訂:販売年の訂正
販売駅
東海道本線 大垣(おおがき)駅 1884(明治17)年5月25日開業 岐阜県大垣市高屋町一丁目
調製元
小川活三 所在地の記載なし 169番