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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

JR東海 浜松(はままつ)駅 JR-Tokai Hamamatsu Station
2022(令和4)年10月訪問 GoogleMap「浜松駅」

駅名標 駅舎 駅構内

東京駅から新幹線ひかり号で一時間半。浜松市は静岡県の西部で太平洋の遠州灘に面する、人口約79万人の城下町。2005年に2市8町1村を編入し、天竜の山奥まで市域を拡大した。楽器やオートバイなどの工業でも、ウナギやミカンなどの農水業でも知られ、県庁所在地に負けない活力を持つ。駅弁は江戸時代に創業し明治時代からの駅弁屋が、新幹線ホーム上や改札外などで駅弁を販売。1888(明治21)年9月1日開業、静岡県浜松市中区砂山町。


JR東海 掛川(かけがわ)駅 JR-Tokai Kakegawa Station
2022(令和4)年10月訪問 GoogleMap「掛川駅」

駅名標 駅舎 駅構内

東京駅から新幹線こだま号で1時間45分。掛川市は静岡県の西部で太平洋の遠州灘に位置する、人口約11万人の城下町。全国有数の茶所であり、県内有数の工業都市でもある。駅弁は、1988(昭和63)年に新幹線の駅ができたことで、浜松駅弁の一部が売られるようになった。1889(明治22)年4月16日開業、静岡県掛川市南1丁目。

おに弁(牛しぐれ)(350円)Oniben
2022年10月8日に浜松駅の駅弁屋の売り場で購入 Oct. 8, 2022

掛紙 中身
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2022(令和4)年6月23日に12種類を発売。同年1月に遠州米穀が調製元の親会社となったことで、米の消費量増加につながる商品、同社の総菜製造のノウハウを生かす、「おにぎり以上弁当未満」をコンセプトにした商品を開発したという。その発売はいくつかの地元紙の記事になった。

黒い紙を組み立てて押さえた、長方形の容器に成型した白飯に、たっぷりの具を詰めて、いわゆるビニール袋に包む。中身の具がいろいろあり、これで値段が250円から500円まで変わる。これは「三ヶ日牛しぐれ」と書いてあり、ごぼうを混ぜてピーマンと紅生姜を添えた牛しぐれ煮を詰めた。

おにぎり以上弁当未満、片手でも食べられる手軽さと簡易包装が特長というが、これはコンパクトな弁当というよりはむしろ、包装と具を増量したコンビニおにぎり。半世紀の進化で包装も品質も、味も食べやすさも洗練されたコンビニおにぎりをライバルに見立てれば、こちらは生まれたばかりで、開けにくく食べにくい、まだまだこれからの商品。駅弁屋の商品だから、常温や冷蔵での味は、もう完成している。

販売駅
東海道本線 浜松(はままつ)駅 1888(明治21)年9月1日開業 静岡県浜松市中区砂山町
調製元
株式会社 自笑亭 静岡県浜松市中区神田町518 053(442)2121 https://www.jishowtay.jp/

餃子いなり寿司(572円)Gyoza Inarizusho
2022年10月8日に浜松駅の土産物店で購入 Oct. 8, 2022

掛紙 中身
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2021(令和3)年12月に550円で発売か。中身のイラストを載せた専用の紙箱に、具を見せたおいなりさん5個とガリの袋を詰める。お揚げの中で酢飯を炒り卵と紅生姜で覆い、焼き餃子の半身を載せて、コチジャンを仕込む。油と味の辛さと、飯と具のミスマッチを楽しむべき、奇抜なおいなりさん。調製元は浜松で1964(昭和39)年あるいは1957(昭和32)年に創業した仕出し弁当店で、最近は「浜松餃子シリーズ」の弁当や餃子などの販売にも力を入れる。

販売駅
東海道本線 浜松(はままつ)駅 1888(明治21)年9月1日開業 静岡県浜松市中区砂山町
調製元
株式会社 魚磯 静岡県浜松市浜北区新原2326−2 053(580)1135 http://uoiso.jp/

浜松三ヶ日牛ごぼうしぐれ&プチうなぎ弁当(1,260円)2019年5月12日にグランシップトレインフェスタで購入
Hamamtsu Mikkabigyu Gobo Shigure and Petit Unagi Bento

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2018(平成30)年8月に発売。スリーブにしっかり書かれた商品名のとおり、浜松三ヶ日牛ごぼうしぐれ&プチうなぎ弁当ということで、白御飯を大きいほうの区画で三ヶ日牛ごぼうしぐれで覆って紅生姜とししとうを添え、小さいほうの区画で錦糸卵と“プチ”うなぎと花形かまぼこで覆い、わさび漬と大根漬を添える。名と中身は正直なのに、牛はまるでビーフジャーキーを刻んだような硬さと黒さ、鰻は少量すぎて味も香りも感じがたく、これでない駅弁を選んだほうがよいかと思った。値段は2019年の購入時で1,240円、2020年時点で1,260円。

※2020年4月補訂:値上げを追記
販売駅
東海道本線 浜松(はままつ)駅 1888(明治21)年9月1日開業 静岡県浜松市中区砂山町
調製元
株式会社 自笑亭 静岡県浜松市中区神田町518 053(442)2121 https://www.jishowtay.jp/

浜松三ヶ日牛&遠州しらす弁当(1,050円)2014年1月19日に京王百貨店の駅弁大会で購入
Hamamatsu Mikkabigyu and Ensyu Shirasu Bento

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2012(平成24)年の夏に、「浜松三ヶ日牛弁当」とともに発売。みかんの果汁を混ぜた御飯を牛肉煮で覆ってワサビ菜漬を添えるパートと、白御飯をシラスとアサリ煮と錦糸卵と紅生姜で覆うパートの組み合わせ。今回は東京の駅弁催事で購入したが、ここの輸送駅弁は不思議といつも白御飯がボロボロで、これもそう。筋も身も固い肉や無味なアサリの一方で、シラスは常温で柔らかく香った。価格は2014年の購入時で1,000円、2017年時点で1,030円、2020年時点で1,050円。

※2020年4月補訂:値上げを追記
販売駅
東海道本線 浜松(はままつ)駅 1888(明治21)年9月1日開業 静岡県浜松市中区砂山町
調製元
株式会社 自笑亭 静岡県浜松市中区神田町518 053(442)2121 https://www.jishowtay.jp/

浜松三ヶ日牛弁当(1,260円)2014年1月9日に京王百貨店の駅弁大会で購入
Hamamatsu Mikkabigyu Bento

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2012(平成24)年の夏に、「浜松三ヶ日牛&遠州しらす弁当」とともに発売。みかんの果汁を混ぜた御飯を牛肉煮で覆い、紅生姜、柴漬け、わさび漬を添えたもの。御飯の味も香りも普通の白御飯で、固い肉の味も並、見ただけではどこの駅か分からないような、標準の型牛肉駅弁。今回に駅弁大会で買ったものは、演出なのか輸送の影響か、なぜか肉の面積が飯のぴったり半分で、残り半分は飯が露出していた。価格は2014年の購入時で1,200円、2017年時点で1,240円、2020年時点で1,260円。

※2020年4月補訂:値上げを追記
販売駅
東海道本線 浜松(はままつ)駅 1888(明治21)年9月1日開業 静岡県浜松市中区砂山町
調製元
株式会社 自笑亭 静岡県浜松市中区神田町518 053(442)2121 https://www.jishowtay.jp/

【終売】遠州の夢の夢ポーク弁当(930円)2015年9月5日に浜松駅の改札外高架下の商業施設の調製元店舗で購入
Ensyu Yume no Yume Pork Bento (end of sales)

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2015(平成27)年4月27日の発売。白御飯を、酒粕入りの味噌だれを塗って焼いた「遠州夢の夢ポーク」で覆い、パセリを振り、コンニャクとシイタケとレンコンの煮物、紅生姜、大根漬を添えるもの。濃くて痛い味がしそうな見た目よりは、味が軽い感じ。豚肉は広くて薄いので、食感も軽い。2018年限りで終売か。

※2020年4月補訂:終売を追記
販売駅
東海道本線 浜松(はままつ)駅 1888(明治21)年9月1日開業 静岡県浜松市中区砂山町
調製元
株式会社 自笑亭 静岡県浜松市中区神田町518 053(442)2121

【終売】そぼろとり釜めし(600円)2008年7月26日に浜松駅の高架下の商業施設で購入
Sobori Tori Kamameshi (end of sales)

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浜松以外の駅弁に不思議と広まらない、柔らかいプラ製の釜飯容器を使用、これを商品名やちょんまげ姿の人のマンガを描くボール紙の枠にはめる。中身は茶飯の上に鶏肉そぼろと玉子そぼろを敷き詰め、鶏唐揚と紅生姜と枝豆を載せるもの。値段は安いが、それ以上に具のすべてがチープな感じで、味付けも甘ったるい。牛や豚より歴史が長く定評もあるものが多い鶏駅弁の中で、我が道を行く異色作。現在は販売されていない模様。

※2013年5月補訂:終売を追記
販売駅
東海道本線 浜松(はままつ)駅 1888(明治21)年9月1日開業 静岡県浜松市中区砂山町
調製元
株式会社 自笑亭 静岡県浜松市中区神田町518 053(442)2121

【掛紙】御鳥飯(30銭)1935年9月25日調製
Otorimeshi

掛紙

1935(昭和10)年9月25日0時の調製と思われる、昔の浜松駅弁の掛紙。おとりめしと読むのだろうか。太陽とニワトリに見えるような抽象画でできている。

販売駅
東海道本線 浜松(はままつ)駅 1888(明治21)年9月1日開業 静岡県浜松市中区砂山町
調製元
自笑亭 浜松駅構内 227番

ISAN 一水庵(とり重弁当)(920円)ISAN Isshuian
2022年10月8日に掛川駅のコンビニで購入 Oct. 8, 2022

掛紙 中身
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掛川駅のコンビニ「ベルマート」で買えたお弁当。同じ容器の名物鳥重弁当(920円)焼鳥弁当(1,050円)ちらし寿司弁当(920円)と、「黒毛和牛牛めし重」(1,100円)うなぎまぶし重(1,550円)が、コンビニに専用の木棚を設けて売られていた。仕出し弁当向けと思われる専用の紙箱には「ISAN 一水庵」と、食品表示ラベルには「とり重弁当」と、売り場には「名物鳥重弁当」とある。

中身は白飯を大きな鶏肉の揚げ物で覆い、やはり大きめの玉子焼と大根煮、有頭海老、にんじん、ふき、たけのこ、がんもどき、肉団子、高野豆腐、焼き鮭、昆布佃煮を添えるもの。鶏肉の天ぷらを、たまり醤油や水飴などでほどよく甘く味付けた特製ダレにつけたという、とり天のような、鶏唐揚のような鶏肉が主題。調製元は明治元年(1868年)創業の料亭「鳥善」の伝統を踏襲し味を受け継ぐという、浜松市内の弁当宅配業者で、この鳥重が看板商品であるらしい。

掛川は単独で市制を敷く城下町で、東海道の宿場町。1889(明治22)年に鉄道が通じ、1935(昭和10)年には現在の天竜浜名湖鉄道が接続した。しかし不思議と掛川駅は、駅弁や鉄道弘済会以外の構内営業がない駅であった。1988(昭和63)年に新幹線の駅ができた際に、浜松駅の駅弁屋が進出し、掛川駅弁「一豊御膳」が誕生したほか、現在も浜松駅弁が売られる。それなのにこのように、駅弁のような地元の弁当も売られ始めたのは、やはり不思議に思えた。

販売駅
東海道本線 掛川(かけがわ)駅 1889(明治22)年4月16日開業 静岡県掛川市南一丁目
調製元
株式会社 鳥善 一水庵 静岡県浜松市中区高丘西2−15−14 053(436)0080 https://issuian.jp/