2021(令和3)年10月22日に、博多駅と由布院駅や別府駅を結ぶ特急列車「ゆふいんの森」の車内販売でのみ売られる弁当として発売。車内限定、事前予約限定、購入には座席の指定と2日前までの予約が必要な弁当とされるが、予約なしに列車内の売店で買えることがある。駅で売られる弁当でないが、2022年のJR九州の駅弁キャンペーン「第13回九州駅弁グランプリ」にエントリー。ふたに牛型の窓を持つ黒いプラ容器に、列車を描いた掛紙を巻く。
中身は白飯を、大分県のブランド牛「おおいた和牛」のローストビーフ3枚、薄切れ肉、厚切り肉3枚の3種類で覆い、ししとう、焼肉のたれ、玉子焼、甘酢大根を添えるもの。きめの細かい赤身と豊かなサシを持つ牛肉の三様に溜め息が出る。焼肉のたれも特製だろうが、タレがないほうが肉の香りを楽しめると思った。値段にも溜め息。調製元は福岡の飲食店コンサルタントだろうか、JR九州のプレスリリースでは、博多駅や福岡空港にて九州の美味しい食を発信し続けている会社と紹介された。
価格は2021年の発売時や2022年の購入時で2,900円。2024年時点で「ゆふいんの森おおいた和牛弁当」と改称し3,000円。
特急ゆふいんの森号は、この時で1989年3月の運転開始からほぼ四半世紀。国鉄の急行列車向けディーゼル車3両を改造した一日1往復で始まり、1990年に4両編成、1992年に2往復、1999年に3往復、2015年にうち2往復を5両編成と、他の九州内の観光列車の盛衰によらず、道路の整備と鉄道の衰退の影響を受けず、成長を続ける。この乗車日も全車指定席が完売。年末でない12月という日本人客の閑散期で、乗客のほとんどは韓国人観光客となり、刈り上げの男性と短パンの女性で車内は大賑わい。売店でも客室乗務員がハングルで客に対応していた。
※2024年9月補訂:改称と値上げを追記2011(平成23)年8月の発売か。楕円形の容器を巻き留める掛紙が白いのは「ゆふいんの森弁当」に似て、割りばしはそれそのものが入る。中身は高菜、明太子、しそ、わかめの球形御飯各1個に大根人参、各種の煮物と玉子焼、茄子こねりとさくらプリン。弁当というよりは、おつまみセットに見える軽食。車内限定、事前予約限定、購入には座席の指定と2日前までの予約が必要な弁当とされるが、予約なしに列車内の売店で買えることがある。駅で売られる弁当でないが、2022年のJR九州の駅弁キャンペーン「第13回九州駅弁グランプリ」にエントリー。価格は2022年時点で720円、2024年時点で1,000円。
※2024年9月補訂:値上げを追記2001(平成13)年11月に特急「ゆふいんの森」車内で発売。当時のゆふいん料理研究会、特急「ゆふいんの森」車内で販売やサービスを担当する客室乗務員、久留米駅の駅弁屋の3者が共同で開発した、この観光列車のためのお弁当。当時の調製元が2003年12月に廃業したため博多駅の駅弁屋が引き継ぎ、その調製元も2010年12月に廃業したため終売、2011年10月までに鳥栖駅の駅弁屋が引き継いだ。中身を斜めに仕切った、大きな長方形の折箱を、松林と弁当名を描いた白い包装紙で包む姿は、発売時から変わらず受け継がれる。
独特の形状で仕切られた中身は、鶏スープの茶飯を使うしめじ御飯、かぼちゃやぜんまいなどの煮物、こんにゃくステーキ、鶏肉の味噌焼き、牛肉の味噌煮、玉子焼、ごま団子と中華ポテト、わさび菜とミックスビーンズなど。中身は過去約20年で変遷してきても、人気の観光列車にふさわしい、上質さと手軽さを兼ね備えたお弁当であり続けていると思う。車内限定、事前予約限定、購入には座席の指定と2日前までの予約が必要な弁当とされるが、予約なしに列車内の売店で買えることがある。
駅で売られる弁当でないが、JR九州の駅弁キャンペーン「九州の駅弁ランキング」のち「九州駅弁グランプリ」には、2024年時点で全15回すべてにエントリーされている。価格は2001年の発売時で1,000円、2003年時点で1,200円、2011年時点で1,000円、今回2022年は1,100円、2024年時点で1,500円。
※2024年9月補訂:値上げを追記2010(平成22)年12月31日に購入した、車内弁当の包装紙。上記の2022年のものと、キャッチフレーズこそ違えど、絵柄は変わらない。当時の中身は山菜ごはん、サワラの柚子こしょう焼、大根もち、玉子焼、さつまいも天、タケノコやシイタケなどの煮物、おはぎと牛乳豆腐、煮豆と漬物だった。この弁当は「弁当製作会社の都合により」、つまり調製元の撤退により、購入日の翌日である2011年1月1日から販売が見合わされた。
2006(平成18)年1月1日に購入した、車内弁当の包装紙。その絵柄は、上記の2010年のものと変わらない。JR九州の駅弁キャンペーン「第2弾、「九州の駅弁」ランキング!」でのみ実施されたシールラリーの応募シールが貼られていた。
2002(平成14)年3月17日に購入した、車内弁当の包装紙。その絵柄は、キャッチフレーズこそ違えど、上記の2006年のものと変わらない。当時は御飯も白かった。中身はゆふいん産の白御飯、ほうれん草、タケノコ、蓮根、椎茸、ししとう、ぜんまいなど、主に山の幸の食材がひとつひとつ丁寧に調理され、デザートにおはぎと牛乳羹が入った。
2017(平成29)年10月から12月まで、特急列車「ゆふいんの森91・92号」の車内で一日30個を販売。福岡県小倉の寿司店「竹本」の監修と考案による車内限定弁当。同年7月の九州北部豪雨により福岡県日田市内で久大本線の橋梁が流失し、博多駅と由布院駅を結ぶ特急「ゆふいんの森」の経路が久留米駅経由から小倉駅経由に変わったため、北九州地区の名店の味で弁当を制作したという。線路の復旧後も販売は継続された。今回は京王百貨店の駅弁大会で輸送販売されたもの。
左右に開くギミックを持つ折箱を、和紙風プラの風呂敷で包む。掛紙はとくになく、調製元の名刺大のカードが付いていた。中身は下段に大きな鯛めしと小さなうすい豆御飯の俵飯がふたつずつと柴漬け、上段にお品書きの表現で鰻巻き、旬魚の西京焼、タコの桜煮、合鴨ロース煮、アサリとホウレンソウの煮浸し、酢取りミョウガ、季節野菜の炊き合わせ。一般的な駅弁の雰囲気とは違う、見た目も内容も上質な折詰。2021年までの販売か。
※2023年2月補訂:終売を追記博多駅と由布院駅や大分駅を結ぶ特急列車「ゆふいんの森」のビュッフェで買えた車内調製品。白いプラ製トレーに乾麺を敷き、ハクサイやシイタケやイカやカマボコなどが混ざる電子レンジで加熱のレトルトあんかけをかけたもの。酸味を抑えた、さっぱりした味。
調製元は示されない。列車内での調製なのでJR九州となるはずが、「弁当製作会社の都合により」2011年1月1日から販売を見合わせることがJR九州のプレスリリースに出てきた。同日付で「つばめ弁当」「ソニック弁当」「かもめ弁当」「ゆふいんの森弁当」「ゆふ味弁当」もその対象となったため、弁当製作会社とは博多駅弁の寿軒を指すのではないかと思う。
博多駅と由布院駅や大分駅を結ぶ特急列車「ゆふいんの森」のビュッフェで販売された車内限定弁当。経木枠の長方形の容器に木目柄のボール紙でふたをして、弁当の名前を大きく書いた掛紙で包む。中身は山椒御飯におからコロッケ、サバ竜田揚、タケノコやカボチャなどの煮物、玉子焼、大根なますなど。分量と刺激を抑えてスッキリした内容と風味を持つ。この弁当は「弁当製作会社の都合により」、つまり調製元の撤退により、購入日の翌日である2011年1月1日から販売が見合わされている。