博多駅から九州新幹線で1時間半くらい。鹿児島市は鹿児島県の中部で鹿児島湾に面する、人口約59万人の城下町で県庁所在地。活発な火山活動が続く桜島がシンボル。駅弁は明治時代からの鹿児島駅の駅弁屋が1943(昭和18)年に進出し、2006年頃に撤退、以後はキヨスクその他の駅売店で、出水駅の駅弁屋や市内の食堂などの弁当が入り乱れる。1913(大正2)年10月11日開業 鹿児島県鹿児島市中央町。
2016(平成28)年10月に「黒豚三昧」「牛肉三昧」「鶏肉三昧」がまとめてデビュー、同時にJR九州の駅弁キャンペーン「第12回九州駅弁グランプリ」へまとめてエントリー、さらに東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」でまとめて販売。ボール紙製パッケージのデザインもよく似ている。
黒い長方形の容器の牛肉三昧は、茶飯を牛タンたれ焼き、牛すき焼き、牛そぼろで覆い、紅生姜を添える牛丼。中身も味も常温や冷蔵の駅弁として標準的なタイプで、鹿児島でなくてもよいような。価格は2016年の発売時や購入時で1,150円、2021年時点で1,180円。
※2021年3月補訂:値上げを追記2021(令和3)年3月のJR九州の駅弁キャンペーン「熊本・鹿児島 九州新幹線駅弁シリーズ2021」にエントリー。鹿児島県霧島市福山町牧之原の牛肉業者が、2015(平成27)年に売り出したランチボックスが販路を広げ、2019(令和元)年5月頃から鹿児島中央駅の駅弁売り場でも販売されるようになったものらしい。
駅弁に稀なクラフト風のテイクアウト向け紙箱に、直に白飯を詰め、おかずを詰めたトレーを被せてふたをして、ブランドのシールを貼る。これは商品名「特製味噌ダレあご肉焼弁当」ということで、ぶつ切り状の豚焼肉と、ニンジンやタマネギやダイコンやキャベツなどの野菜をたっぷり詰めて、ひじきや細身のゆで卵などを添えていた。駅弁としては安価で水気が豊か、今風におしゃれな惣菜ないしランチボックス。駅では2021年までの販売か。
※2023年4月補訂:駅での終売を追記2021(令和3)年3月のJR九州の駅弁キャンペーン「熊本・鹿児島 九州新幹線駅弁シリーズ2021」にエントリー。鹿児島県霧島市福山町牧之原の牛肉業者が、2015(平成27)年に売り出したランチボックスが販路を広げ、2019(令和元)年5月頃から鹿児島中央駅の駅弁売り場でも販売されるようになったものらしい。
駅弁に稀なクラフト風のテイクアウト向け紙箱に、直に白飯を詰め、おかずを詰めたトレーを被せてふたをして、ブランドのシールを貼る。これは商品名「チキン南蛮弁当」ということで、鶏肉の揚げ物とタルタルソースと、ニンジンやタマネギやダイコンやキャベツなどの野菜をたっぷり詰めて、ひじきやパセリなどを添えていた。駅弁としては安価で油気が豊か、今風におしゃれな惣菜ないしランチボックス。駅では2021年までの販売か。
※2023年4月補訂:駅での終売を追記2021(令和3)年3月のJR九州の駅弁キャンペーン「熊本・鹿児島 九州新幹線駅弁シリーズ2021」にエントリー。鹿児島県霧島市福山町牧之原の牛肉業者が、2015(平成27)年に売り出したランチボックスが販路を広げ、2019(令和元)年5月頃から鹿児島中央駅の駅弁売り場でも販売されるようになったものらしい。
これは商品名「鹿児島黒毛和牛焼肉弁当」ということで、丸くて白い紙カップに白飯を詰め、牛焼肉と、ニンジンやタマネギやダイコンやキャベツなどの野菜をたっぷり詰めて、ひじきやパセリや細身のゆで卵などを添えていた。駅弁としては見栄えと野菜の多さで、今風におしゃれな惣菜ないしランチボックス。駅では2021年までの販売か。
※2023年4月補訂:駅での終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2019(令和元)年秋の新作か。味付飯を牛すき焼きと牛ハラミ焼肉とナムルで覆い、玉子焼とつぼ漬を添える。今回の松栄軒は、ナムルを混ぜた二色の薄切り焼肉がおいしかったと思う。シーズン終了までの約半年間の販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記2019(平成31)年3月までに東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で発売か。同じ調製元の他の駅弁でも見たような、丼と丼を付合せで仕切るセット商品。今回の中身は、どちらが鹿児島黒毛和牛でどちらが佐賀牛なのか分からないが、右と左に牛焼肉丼、中央に玉子焼とナムル。冷蔵での販売とはいえ、長い名前で煽っていて、この品質。価格と分量も勘案して、どうすればこの商品に良い点や特徴や個性を見いだせるのか頭を抱えた。1年間ほどの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記2019(平成31)年1月の京王百貨店の駅弁大会で実演販売。白御飯を牛肉煮と煮玉子と錦糸卵で覆い、ニンジンとインゲンと紅生姜で彩り、高菜とごぼうを添える。「薩摩牛4%の奇跡」とは、鹿児島市の食肉業者のブランド牛の名前で、日本食肉格付協会の牛枝肉取引規格で歩留等級A、肉質等級5、脂肪交雑基準10以上のものが全体の4%なのだというものか。味は可もなく不可もなく、しかし肉の少ない牛肉弁当だった。京王百貨店駅弁大会の後に売られたかどうかは分からない。
2016(平成28)年10月に「黒豚三昧」「牛肉三昧」「鶏肉三昧」がまとめてデビュー、同時にJR九州の駅弁キャンペーン「第12回九州駅弁グランプリ」へまとめてエントリー、さらに東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」でまとめて販売。ボール紙製パッケージのデザインもよく似ている。
黒い正方形の容器の鶏肉三昧は、茶飯をざらっとした焼き鳥サイズの鶏照焼で覆い、きんぴらごぼう、サツマイモ、紅生姜を添えるもの。鶏飯というより焼き鳥丼のような感じで、駅弁としては一風変わっている。2017年までの販売か。
※2019年8月補訂:終売を追記2012(平成24)年までに発売か。白飯を錦糸卵と高菜で覆い、鶏唐揚とポテトフライを盛り、煮物、きんぴらごぼう、ポテトサラダ、漬物を添える。値段も体裁も簡素で、常温でおいしい、普通の唐揚げ弁当。それでも鶏肉に鹿児島産で株式会社ジャパンファームが平飼いで育てる商品「桜島どり」を使うそうで、高菜の使用で九州を感じる鹿児島の駅弁。2021年か2022年に終売か。
※2023年4月補訂:終売を追記2014(平成26)年10月までに発売され、同年のJR九州の駅弁キャンペーン「第11回九州駅弁グランプリ」にエントリー。鹿児島県と桜島と、牛と鶏と豚のシルエットでデザインした掛紙に、美しい宣伝文が描かれる。中身は正方形の3区画に、黒牛しぐれ煮丼、黒さつま鶏の唐揚と煮物類、黒豚の味噌焼と高菜と錦糸卵の丼を詰める。駅弁の変わった名前は、黒を3つ使うことから来ている。価格は2014年の発売時で972円、後に1,080円。2019年までの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記2014(平成26)年秋の新作か。鹿児島中央駅で定番の駅弁となった「桜島灰干し弁当」の、似ても似つかぬ姉妹品。細長い容器と、中身の写真を掛紙のつくりは共通している。中身は白飯を鹿児島牛のスタミナ焼、鶏唐揚、桜島鶏の柚子胡椒焼、鹿児島豚三枚肉の塩胡椒焼、同じ豚のしぐれ煮、玉子焼、きんぴらで覆い、梅干し、れんこん、いんげん、紅しょうがも載せるもの。駅弁としたら、超絶に雑多な肉丼。半年間ほどの販売だったと思われる。
九州新幹線全線開業記念駅弁22種のひとつとして、2011(平成23)年2月1日から8月31日まで販売、その後も販売を続けた。小箱を2段に重ねた容器の中身は、下段が日の丸御飯に笹団子、上段が骨付きの豪快なとんこつ、ガネ、薩摩揚、有頭海老、たっぷりのキビナゴ揚げ、煮玉子など。これも同じ日に食べた上記の駅弁「黒豚チャーシュー弁当」と同じく、味は見た目よりだいぶあっさりしており、昼食でも夕食でも夜食でも大丈夫な感じ。価格を考えても、お得な駅弁。価格は2013年の購入時で840円、2014年4月の消費税率改定により864円。2016年以前に終売か。
※2019年8月補訂:終売を追記九州新幹線全線開業記念駅弁22種のひとつとして、2011(平成23)年1月1日から8月31日まで販売。販売はその後も継続された。松阪駅や大船駅や阪神百貨店の駅弁大会における姫路駅と同じく、双葉社「漫画アクション」の連載漫画「駅弁ひとり旅」とのタイアップ駅弁。調製元は出水駅の駅弁屋だが、JR九州、京王百貨店駅弁大会、阪神百貨店の駅弁大会とも鹿児島中央駅の駅弁としたため、こちらに収蔵する。出水駅と川内駅も販売駅として記される。
内側が赤く外側が黒い長方形の発泡材製容器を、中身のイラストに牛肉や新幹線の宣伝文を書いたボール紙の枠にはめる。中身はイラストのとおり、御飯の上を鹿児島産曽於(そお)さくら牛のすき焼、錦糸卵と紅生姜と花形ニンジン、鹿児島産黒豚たれ焼で3分の1ずつ覆い、桜島大根といこもちを添えるもの。甘い甘い牛肉と、スッキリした豚肉と、少量も肉の味を生かす御飯と、桜島大根といこもちの組合せが興味深い。価格以外には不満なし。価格は購入時で1,100円、2014年4月の消費税率改定により1,130円。2014年頃までの販売か。
曽於とは鹿児島県のうち大隅国の北半分、つまり鹿児島県の北東側一帯の地域を指す古くからの郡名。1972(昭和47)年3月まで「囎唹」の漢字を使っていた。いずれにしても大阪はもちろん、九州の人にとってもなじみの薄い地名なのだろう、パッケージでも振り仮名が付く。2005年7月にはいわゆる平成の大合併により3町の合併で曽於市が誕生、これから読まれるよう、読めるようになっていくのだろうか。
※2021年3月補訂:終売を追記九州新幹線全線開業記念駅弁22種のひとつとして、2011(平成23)年1月1日から8月31日まで販売。調製元は出水駅の駅弁屋だが、JR九州、京王百貨店駅弁大会、阪神百貨店の駅弁大会とも鹿児島中央駅の駅弁としたため、こちらに収蔵する。出水駅と川内駅も販売駅として記される。
薩摩焼の黒い碗を、中身や容器や九州新幹線車両の写真を印刷したボール紙の箱に詰める。窯元が7つあり、碗も7種類があるという。中身は白御飯の上に「曽於さくら牛」のすき焼肉のしぐれ煮、煮玉子、ニンジンとシイタケとゴボウを載せるもの。価格はとても高いが、牛肉に厚みがあり、赤身が強いのに柔らかい。甘に傾く甘辛が強いという九州らしい味付けが可ならば、旨い駅弁だと思う。容器は重く厚いものの質感は上々。
2010年3月に商標登録されたばかりの新しいブランド牛「曽於さくら牛」はともかく、曽於という名称そのものが聞き慣れないので調べてみるとやはり、鹿児島県の宮崎県境付近で2005年7月に末吉町、財部町、大隅町が合併してできた新しい市であった。旧郡名であり、3町の合併協議会も「曽於北部合併協議会」でもあり、「囎唹」という表記であれば千年以上の歴史がある地名だそうだが、県外での知名度はこれからの印象。
ボール紙の箱とプラ製トレーの市販惣菜容器を使う。中身は茶飯の上に錦糸卵と刻み海苔と、身の締まった鶏照焼スライスを3切れ載せ、鶏唐揚に加えてキビナゴやイカ和えや山川漬など、おかずというより酒のつまみのようなものを付け合わせる。
2004年3月の九州新幹線の開業前までは、経木枠の正方形の容器や専用紙箱を使う正統派の駅弁だったが、開業後は他の旧西鹿児島駅弁と同様、市販の容器を素で使うただの惣菜弁当に変わった。これはもう駅弁ではない。ただ、駅弁大会への出品では写真のように、かつての掛紙や紙箱と同じ柄の掛紙をかけて販売される。色づかいを除くとぶっきらぼうな柄だが、これならば駅弁らしく見える。
なお、2006年4月までに調製元が駅弁から撤退したとの情報がある。この駅弁は駅で買えなくなった模様。
※2006年5月補訂:写真の掲載と解説文の全面改訂1970年代のものと思われる、昔の西鹿児島駅弁の掛紙。「とんこつ弁当」と並ぶ、鹿児島中央駅が西鹿児島駅だった時代の名物駅弁。そのニワトリの絵柄は、上記のように21世紀まで受け継がれた。大隅線の鹿屋駅や指宿枕崎線の指宿駅でも売られただろうことが、調製元の表記から感じられる。