会津若松駅からJR只見線で約2時間。金山町は福島県の西部に位置する人口約2千人の町で、町域を横断する只見川に沿って国道と鉄道が通じ、水力発電施設が立地する。駅の利用者は一日で100人に満たないが、駅員がいて売店もあり、惣菜を買うことができた。1956(昭和31)年9月20日開業、福島県大沼郡金山町大字川口字森ノ上。
下記の会津川口駅弁!?を買った4年後に、この駅を再訪して買えた商品。今までのトンカツの太巻きと紅生姜に、手まりずしサイズの鶏飯ボールを3個追加したものに進化していた。価格は200円アップ。
只見線は2011(平成23)年7月の豪雨災害により鉄橋が何本も流され、以後はこの会津川口駅と只見駅の間で列車の運休とバス代行輸送が続く。そのため約半世紀ぶりに、会津川口駅は終着駅となった。今は過疎化や車社会化などで、駅前や駅周辺に商店がない、飲料自動販売機や公衆電話さえ無いことも珍しくないが、ここでは駅に小さな売店があり、駅前ではパン屋さんが営業していた。
ずんぐりむっくりの海苔巻きが1本分、6切れにカットされて透明なプラ製の惣菜容器に収まる。その中身は、5ミリ角しかないけれどサクサク感が抜群な棒状の甘辛なトンカツを芯に、レタスと白御飯と海苔を巻いたもの。まさかここでこういうものを買えるとは思わなかった。食品表示ラベルによると地元の個人が、箸袋によると民宿・食堂「おふくろ」が調製しているようで、こうやって駅構内の売店に卸してあれば、只見線で唯一の駅弁と呼べるかもしれない。