東京と日本の中央駅。東海道・山陽・東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線、東海道・中央・総武・東北の各線、山手線や京浜東北線などの電車が、一日あたり3000本以上行き交い、100万人以上の利用者で終日賑わう。駅弁はJRの子会社が調製するもので100種類以上とも、エキナカの商品を含めて400種類以上とも、デパ地下の弁当を含めて1000種類以上ともいわれる、世界一の駅弁販売駅。1914(大正3)年12月20日開業、東京都千代田区丸の内1丁目。
2021(令和3)年の春に初めて販売か。その年には併売した、20年以上続いた季節の駅弁「たけのこおこわ弁当」に代わり、3月から5月まで東京で売られる、駅やデパ地下のお弁当。正六角形の容器を3つに仕切り、半分におこわでない桜入り炊込み飯を、残りの半分にタケノコやニンジンやがんもなどの煮物を、残りに蒲鉾と玉子焼と鶏つくねと菜の花お浸しを詰める。分量と構成と品質が確保された、東京では貴重な、1,000円でお釣りが来る駅弁。調製元は2023年4月から「日本ばし大増」ブランドのJR東日本クロスステーション。
2021(令和3)年の12月頃に発売か。10年以上続いた季節の駅弁「ほたておこわ弁当」「鮭いくらおこわ弁当」に代わり、12月から2月まで東京で売られる、駅やデパ地下のお弁当。正六角形の容器を3つに仕切り、半分に鶏五目おこわを、残りの半分にカボチャやれんこんやがんもなどの煮物を、残りに蒲鉾と玉子焼とホタテ風フライとひじき煮を詰める。分量と構成と品質が確保された、東京では貴重な、1,000円でお釣りが来る駅弁。
2021(令和3)年9月1日に東京、品川、新宿、上野、八王子、大宮の各駅で発売。20年以上続いた季節の駅弁「栗おこわ弁当」に代わり、9月から11月まで東京で売られる、駅やデパ地下のお弁当。正六角形の容器を3つに仕切り、半分に黒豆やニンジンなどで彩るささげ入栗おこわを、残りの半分にカボチャやこんにゃくやがんもなどの煮物を、残りに蒲鉾と玉子焼と鶏つくねとひじき煮を詰める。分量と構成と品質が確保された、東京では貴重な、1,000円でお釣りが来る駅弁。
2021(令和3)年5月の発売か。20年以上続いた季節の駅弁「あさりおこわ弁当」に代わり、5月から8月まで東京で売られる、駅やデパ地下のお弁当。正六角形の容器を3つに仕切り、半分で酢飯をアナゴと生姜と海老と錦糸卵と刻み海苔と味付わさびで覆い、残る半分にナスやがんもどきやヤングコーンなどの煮物、残りにかまぼこ、玉子焼、鶏つくね、切昆布煮を詰める。掛紙で「ちらし寿司」を名乗るも、内容はまるで酢飯と小柄の幕の内弁当のよう。東京なのに千円以下で買える、有難い存在。
1990年代の発売。現在は東京、品川、新宿、上野、大宮の各駅で、毎年3月から5月まで販売される、季節のおこわ弁当の春版。これは2012(平成24)年のもの。前年と同じ容器と同じ価格でほぼ同じ意匠の掛紙で、中身も御飯に花形ニンジンが載り、魚がタケノコの和え物に代わったり、煮物の種類が少し変わったくらい。春にしか出てこない春の食材の駅弁なので、良い中身が変わらないことは悪くない。価格は2010年から880円、2014年から900円、2019年から930円、2020年から950円。2021年シーズンまでの販売か。
※2022年4月補訂:終売を追記1990年代の発売。現在は東京、品川、新宿、上野、大宮の各駅で、毎年6月から8月まで販売される、季節のおこわ弁当の夏版。これは2020(令和2)年のもの。中身はあさりおこわ、玉子焼、野菜入りつくね串、カボチャやサトイモなどの煮物、かまぼこと玉子焼、きのこ柚子和え。内容は毎年ほぼ同じでも、掛紙の絵柄は毎年変わっている。今の東京の駅弁の中では、うまいわりに高くない、コスパが高いものだと思う。価格は2010年から880円、2014年から900円、2019年から930円。2021年シーズンまでの販売か。
※2022年4月補訂:終売を追記1990年代の発売。現在は東京、品川、新宿、上野、大宮の各駅で、毎年9月から11月まで販売される、季節のおこわ弁当の秋版。これは2013(平成25)年のもの。下記の2年前の同じものと比べて、掛紙のデザインはまるで異なるが、値段と容器は同じで、中身もだいたい同じ。ササゲも混ぜる栗おこわに、エビイモやレンコンなどの煮物、サンマ甘露煮、かまぼこと玉子焼、きのこのゆず和え。引き続き良いお弁当。価格は2010年から880円、2014年から900円、2019年から930円、2020年から950円。2020年シーズンまでの販売か。
※2022年4月補訂:終売を追記1990年代の発売。現在は東京、品川、新宿、上野、大宮の各駅で、毎年12月から2月まで販売される、季節のおこわ弁当の冬版。2012年の冬に発売のものから、名前と中身が「帆立おこわ弁当」から「鮭いくらおこわ弁当」に変わった。鮭フレークを混ぜたおこわにイクラをトッピングし、甘辛ソースの鶏唐揚、玉子焼、サトイモやタケノコなどの煮物、パプリカを添える。鮭を切り身の焼き物でなく、おこわに細かく混ぜたことで、風味を増感した印象。価格は2010年から880円、2014年から900円、2019年から930円、2020年から950円。2020〜2021年シーズンまでの販売か。
※2022年4月補訂:終売を追記東京エリアの季節のおこわ駅弁の、2018(平成30)年の夏バージョン。あさりおこわ、玉子焼、鶏つくね、カボチャやオクラなどの煮物が入っていた。掛紙の絵柄も中身も、上記の2年後とあまり変わらない。
※2021年2月補訂:新版の収蔵で解説文を手直しNREの首都圏エリアの、季節のおこわ弁当の2011年の秋バージョン。2010年の「たけのこおこわ弁当」と同じく、下記の2008年版と比べて大きくリニューアル。黒塗りの赤い容器を使用、栗という文字が大きく目立つ栗色の掛紙を巻く。中身はクリの破片がたっぷり入った栗おこわに、タケノコやレンコンやサツマイモなどの煮物、ポテトフライ、玉子焼、かまぼこ、サンマ漬焼など。
このシリーズは個人的にますます旨味が上がっていると感じている。今回も甘さが過度でないクリがたっぷりの栗おこわに、衣がさっくりした揚げ芋、身がしっかりしたサンマなど、他の駅弁やデパ地下弁当が霞んでしまう、常温弁当の傑作。
NREの首都圏エリアの、季節のおこわ弁当の2011年の夏バージョン。春と同じ容器と価格で、中身はあさりおこわに鮭塩焼、シイタケ肉詰、玉子焼、かまぼこ、豆腐の磯部揚などを添えるもの。引き続き東京駅弁としては安価なのにやわらかくおいしい駅弁であり、今回は豆腐磯部揚煮と椎茸肉詰煮の食感が高級な感じ。
NREの首都圏エリアの、季節のおこわ弁当の20111年の春バージョン。前年の同じ名前の駅弁と比べて、容器や価格は変わっておらず、掛紙のデザインが変わり、御飯の上に載るタケノコが1切れに減り、鮭塩焼がサワラ白醤油焼に変わり、たけのこサラダが消えて煮物が増えた。
このシリーズは、御飯がどんどんおいしくなっているような。タケノコに加えて油揚げを混入して薄く敷いたおこわは、ほのかに味が浸み、固くなく、おかず要らず。漬物を入れない点も個人的に嬉しいところ。
NREの首都圏エリアの、季節のおこわ弁当の2010〜2011年の冬バージョン。2010年の「たけのこおこわ弁当」と同じく、下記の2008年版と比べて大きくリニューアル。黒塗りの赤い容器を使用、掛紙が青と白の冬色になり、中身は煮ホタテを3個置いたほたておこわに鮭塩焼、玉子焼、がんもやタケノコなどの煮物、ホタテのひもとカズノコの和え物など。
東京駅弁のおこわ弁当は、過去には中身が偏っていたり、おこわが割りばしが折れるほどカチンカチンに固まっていたりしたものだが、今ではそういうものに出会えなくなった。旅情や郷愁を誘うものではないし、郷土の味でもないが、電車の旅あるいは普段の生活での食事として、安心してすすめられる。
下記の駅弁「たけのこおこわ弁当」の2010年の春バージョンで、見てのとおり今回は大きくリニューアル。黒塗りの赤い容器を使用、駅弁の名前などを描いた淡い緑色の掛紙を巻く。中身は山菜入りたけのこおこわに、かまぼこ、玉子焼、鮭塩焼、こんにゃくなどの煮物、たけのこサラダ。おかずがシンプルになり、しかし幕の内駅弁の定義に合うレベルでは残り、しかし価格が120円下がり、メインのおこわがよりふっくらもちっとなったのではと思う。
NREの季節のおこわ弁当の春バージョン。このシリーズで使われるいつもの容器を使用、半分にタケノコと油揚げを混ぜたおこわを詰めて菜の花とタケノコを載せ、半分に玉子焼、赤魚焼、山菜、煮物、イイダコ唐揚、帆立フライなどのおかずを添えるもの。いろいろ入った幕の内弁当と同じ価格はどうなのかとも思うが、見栄えにも内容にも風味にも完成された安心感がある。
冬の駅弁「ほたておこわ弁当」は、2008(平成20)年12月に初登場か。このシリーズで使われるいつもの容器を使用、半分に帆立貝柱やタケノコを混入してベビーホタテ煮2個を載せた、駅弁の名前どおりのほたておこわを詰め、半分はおかずで玉子焼、ニンジンやシイタケなどの煮物、鶏照焼、エビとソラマメのかき揚げ、菜の花など。千円でお釣りが来ないものの、餅米に混入する帆立貝柱の分量を考えると、それなりのもの。幕の内や牛肉弁当よりお得かと言われれば、そうでもなし。
NREの季節のおこわ弁当の、2008(平成20)年の秋バージョン。角を落とした長方形の容器に、栗を描いたボール紙のふたをかける。中身は栗片がごろごろ入るおこわと、肉詰めシイタケなどの煮物、ホキ揚げ浸し、ししとう、イカすり身揚げ、合鴨ロース、玉子焼、なめこなど。下記の2003年のものと違い、常温なのにもちっと柔らかいおこわに、大きさと分量と色彩と見栄えが整ったおかずをきれいに詰めた、都会でおいしい機能的な秋の味。千円の栗飯という値段を考えると、もうひとつなにか欲しくなるが。
下記の駅弁「あさりおこわ」の2005年版で、6月中旬から9月中旬までの季節販売。2001年のものと比較して形状や中身にほとんど変化はないが、今回は品質が格段に向上した感じで、主役のあさりおこわにアサリの風味と適度な柔らかさを感じたし、容器内の空間も偏りがない。デジカメの性能も向上したので、写真の見栄えも良い。
「山菜おこわ」「あさりおこわ」「栗おこわ弁当」が揃う、東京駅の季節のおこわ弁当の、2003(平成15)年の秋バージョン。角を落とした長方形の容器に掛紙代わりの紙のふたをかけて輪ゴムでしばる包装。中身はもち米100%で非常に水気が強く、他の栗飯駅弁と比較して栗の少ない栗おこわと、帆立フライや薩摩芋天ぷらや玉子焼や焼き魚や煮物などのおかず。味は悪くないが、駅弁として何かが足りないような気はする。
ボール紙に包まれた、角を落とした長方形の容器の中に、あさりおこわが半分、ぶり照焼・タケノコや人参の煮物・卵焼き・枝豆揚げ・高野豆腐などが半分、デザートによもぎ餅が入る。
内容としては過不足ない感もあるが、全体的に風味に欠け、特に主役のあさりおこわは押し寿司のように堅く締まり風味がない。写真のとおり容器内に空間が多いため中身が偏り、分量や内容の割に高価でもあり、駅弁全体の評価を下げる質の良くない弁当であると感じた。なお、同じ名前で同種駅弁の2003年版は評判がよいという。