banner 汽車客車客車客車客車客車客車客車客車客車客車
 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

オコジョのたからばこ(1,400円)Okojo no Takarabako
2023年12月2日にSLばんえつ物語の車内売店で購入 Dec. 2, 2023

掛紙 中身
掛紙 掛紙 外観 外観 外観 中身 中身 中身 中身

2012(平成24)年の7月に、磐越西線の観光列車「SLばんえつ物語」の車内売店で発売。JR東日本新潟支社が同年3月に、SL列車の公式キャラクターとしてオコジョの「オコジロウ」を設定し、4月に子供向けのフリースペース「オコジョルーム」を5号車に設けたため、これに合わせたものだろう。2015年に弁当の内容を子供向けから一般向けにリニューアル。

楕円形のプラ容器をふたつ重ねて詰めた、SLばんえつ物語の公式キャラクター「オコジロウ」「オコミ」を描いた紙箱を、やはり両者を描いたシールを貼る市販の紙袋に収める。中身は下段が塩おにぎりと笹巻おこわと笹だんご、上段がおかずで、お麩や椎茸などの煮物、津川の麒麟山酒粕を使う鮭の粕漬け、もちぶたの肉団子、越の鶏の塩焼き、大根味噌漬。かわいい名前と絵柄とは対照的な、渋い内容で新潟を詰めた幕の内弁当。調製元は新津駅の駅弁屋でも、新津駅弁のいずれにも似ていない。価格は2012年の発売時で1,200円、2014年時点で1,240円、2016年時点で1,300円、2023年時点で1,400円。

オコジョは、北半球の亜寒帯や亜高山に分布する、イタチの仲間で肉食の哺乳類。ホンドオコジョが新潟県その他の中部山岳地帯に生息し、開発や道路の建設で生息の環境が悪化したといい、環境省や新潟県が準絶滅危惧種に指定して保護する。JR東日本新潟支社ではSLばんえつ物語のキャラクターとして、前記の設定のほか、2013年11月には津川駅のホーム上の待合室を「オコジロウの家」へ改装、2014年4月には5号車を普通車に戻したうえで7号車を「オコジョ展望車両」へ改装、列車の宣伝に活用する。

調製元
神尾商事 株式会社 神尾弁当部 新潟県新潟市秋葉区新津本町1丁目1番1号 0250(22)5511 http://www.bentou.net/

JR東日本 村上(むらかみ)駅 JR-East Murakami Station
2024(令和6)年9月訪問 GoogleMap

駅名標 駅舎 駅構内

新潟駅から特急列車で約50分。村上市は新潟県の北端で日本海に面した、人口約5万人の城下町。越後平野が尽きる三面川(みおもてがわ)に遡上するサケがかつて重要な産業であり、鮭料理の文化や世界初と紹介する自然や人工のふ化増殖で知られる。多くの列車がここを始発駅や終着駅とする鉄道の要衝でもあるが、1924年頃から売られた駅弁は1940年までに坂町駅へ移転してしまい、不思議なことに以後は駅弁が売られない。1914(大正3)年11月1日開業、新潟県村上市田端町。

【掛紙】御寿司(20銭)Osushi
調製年月日不詳 1930's

掛紙

第二次大戦前の調製と思われる、昔の村上駅弁の掛紙。絵柄や記載内容に村上を思わせるものはなく、大正時代から第二次大戦中まで時期を推定できるような情報も見あたらない。

村上駅では現在のJR羽越本線が全通した1924(大正13)年頃に駅弁が出現したらしいが、1936(昭和11)年8月に現在のJR米坂線が全通した後、または1938(昭和13)年3月に機関車の拠点が村上から坂町に移転した頃、あるいは1940(昭和15)年5月に、調製元が村上駅から坂町駅に移転し、以来駅弁のない駅。

越後平野の北端に位置し、古くからここを起終点とする列車あったり急行列車が止まり、1954(昭和29)年3月に市制を敷くような城下町があり、1972(昭和47)年8月の羽越本線電化で交流電化と直流電化の接点になり、平成時代には村上牛が知名度を上げて新潟駅の駅弁になったのに、村上駅に駅弁をという話がまったく聞かれない。

販売駅
羽越本線 村上(むらかみ)駅 1914(大正3)年11月1日開業 新潟県村上市田端町
調製元
萩原 村上駅 254番

JR東日本 柏崎(かしわざき)駅 JR-East Kashiwazaki Station
2021(令和3)年12月訪問 GoogleMap「柏崎駅」

駅名標 駅舎 駅構内

新潟駅から特急しらゆきで約80分。柏崎市は新潟県中部の中越地方で日本海に面した、人口約8万人の宿場町。明治時代に西山油田で栄え、製造業の工業都市となり、世界最大の原子力発電所が立地する。駅弁は1902(明治35)年頃から1960年代過ぎまで売られ、幹線鉄道の主要駅にもかかわらず早くに消えた。1897(明治30)年8月1日開業、新潟県柏崎市駅前一丁目。

【掛紙】上等御弁當(40銭)Joto Obento
調製年月日不詳 1920's

掛紙

おそらく1920年代、大正10年代のものと思われる、昔の柏崎駅弁の掛紙。海に面した柏崎で、海らしい絵柄としたのだろうか。松と鳥を描く扇を重ねた。赤い部分はおそらく、過去の誰かの保管時に他の紙と重ねてインクが転移したのではないかと思う。柏崎駅では1902(明治35)年頃から1960年代過ぎまで駅弁が売られた。調製元の天京は、柏崎では名の通った旅館だったらしい。

販売駅
信越本線 柏崎(かしわざき)駅 1897(明治30)年8月1日開業 新潟県柏崎市駅前一丁目
調製元
天京旅館 越後柏崎駅前 132番

JR東日本 坂町(さかまち)駅 JR-East Sakamachi Station
2024(令和6)年9月訪問 GoogleMap「坂町駅」

駅名標 駅舎 駅構内

新潟駅から電車で約1時間。羽越本線が米坂線を分ける坂町駅には、昭和時代には国鉄の機関区が置かれ、近隣の新津ほどではないものの鉄道の要衝であり、1940年頃から1980年頃まで幕の内と寿司の駅弁が売られた。1914(大正3)年11月1日開業、新潟県村上市坂町。

秘伝ダレから揚げ弁当(1,250円)Sake Zanmai
2024年1月18日に京王百貨店の駅弁大会で購入 Jan. 18, 2024

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

2024(令和6)年1月の京王百貨店の駅弁大会で、JR米坂線の坂町駅の駅弁として実演販売。同催事の「がんばれ!ローカル線」企画で、2022年8月の豪雨で今泉駅から坂町駅までの間で運休し再開の見込みがない、JR米坂線の今泉駅と坂町駅の駅弁を名乗る弁当を、催事場で実演販売した。掛紙には商品名と宣伝文と、JR米坂線の路線図や写真を掲載した。

長方形の木質エコ容器に白飯を敷き、海苔を貼り、たっぷりの鶏唐揚で覆い、鮭ほぐし身を少し詰め、煮豆と漬物とたれを添える。日本全国のスーパーや惣菜・弁当店でおなじみの唐揚げ弁当を、元気にした感じ。実演販売ブースで配布したチラシによると、坂町駅から20kmくらい北で日本海に面した、羽越本線の線路と国道345号に沿う弁当店で、のりからあげ弁当(600円)を販売するという。

坂町駅は、羽越本線が米坂線を分ける駅。日本海に沿う北前船以来の交通路で、蒸気機関車の車庫も置かれた鉄道のちょっとした要衝として、第二次大戦前から昭和50年代まで公式な駅弁販売駅であり、幕の内弁当と助六寿司が売られた。今はすべての特急列車が止まり、SL列車が来たり観光列車が止まる駅でもあり、駅前でイベントが開かれることもあるが、駅弁を発売したり復刻したという話は、まったく聞かない。

販売駅
羽越本線 坂町(さかまち)駅 1914(大正3)年11月1日開業 新潟県村上市坂町
調製元
かもめ弁当 所在地の記載なし 連絡先の記載なし

【掛紙】御寿し(60円)Osushi
調製年月日不詳 1960's

掛紙

昭和30年代頃の調製と思われる、昔の坂町駅弁の掛紙。羽越本線と米坂線の接続駅である坂町では、昭和50年代頃まで幕の内と寿司の普通弁当が細々と売られていたそうだが、今はなくなっている。

販売駅
羽越本線 坂町(さかまち)駅 1914(大正3)年11月1日開業 新潟県村上市坂町
調製元
萩乃家 所在地の記載なし 56番

JR東日本 新発田(しばた)駅 JR-East Shibata Station
2024(令和6)年9月訪問 GoogleMap「新発田駅」

駅名標 駅舎 駅構内

新潟駅から白新線の電車で約40分。新発田市は新潟県の北東部に位置する、人口約9万人の城下町。稲作などの農業が盛んで、かつての陸軍や現在の陸上自衛隊の駐屯地であり、繊維業から工業が興り、新潟のベッドタウンでもある。駅弁は1910年代から1990年代まで売られたが今はなく、当時の駅弁屋の駅弁が今は新潟駅や新津駅前で売られる。1912(大正元)年9月2日開業、新潟県新発田市諏訪町一丁目。


JR東日本 吉田(よしだ)駅 JR-East Shibata Station
2021(令和3)年12月訪問 GoogleMap

駅名標 駅舎 駅構内

新潟駅から越後線の電車で約1時間。吉田駅は越後線と弥彦線が交わる駅。ここに1913(大正2)年から1970年頃まで駅弁が存在したことは、もはや忘れ去られている。1912(大正元)年8月25日開業、新潟県燕市吉田堤町。


JR東日本 小出(こいで)駅 JR-East Koide Station
2021(令和3)年12月訪問 GoogleMap「小出駅」

駅名標 駅舎 駅構内

長岡駅から上越線の普通列車で30分強。魚沼市は新潟県中部の中越地方の南端で、2004年11月に2町4村が合併してできた市。市域の大部分が森林であるほか、最高級の銘柄米である魚沼産コシヒカリを名乗れる地域の一部である。駅弁は1943年頃から1990年頃まで売られた。1923(大正12)年9月1日開業、新潟県魚沼市四日町。