金沢駅から特急列車で約50分。七尾市は能登半島の中心地で富山湾や七尾湾に面する、人口約5万人の市。能登島や全国一の日本旅館を抱える和倉温泉などの観光地でも知られる。駅弁は国鉄時代からの駅弁屋である松乃寿しの商品が、駅待合室のコンビニ型売店で売られたが、駅では2016(平成28)年5月限りで終売。1898(明治31)年4月24日開業、石川県七尾市御祓町イ。
七尾駅の隣の駅。その名のとおり和倉温泉の最寄り駅で、1980年には駅名を和倉から変えて、温泉街までバスで5分。七尾駅の駅弁が駅待合室のキヨスクで売られたが、2016年の閉店までに終売。1925(大正14)年12月15日開業、石川県七尾市石崎町タ。
七尾で評判の駅弁「玉宝」の、大きいほう。これは2016(平成28)年1月の京王百貨店の駅弁大会で購入したが、七尾駅の駅弁が駅弁大会へ出てくることはおろか、能登半島でないところで売られるのを初めて見た。スーパーでもおなじみの寿司向け惣菜トレーに、カンピョウとでんぶと玉子焼を酢飯と玉子焼で巻く、歴史と伝統の玉子巻を1本据える。デパートの開店後10分から30分で売り切れる人気だった。
七尾駅での駅弁の販売は、2016(平成28)年5月の駅売店の大手コンビニ「セブンイレブン」化により終わった模様。玉宝も駅から消えたようだが、調製元の寿司屋で買うことができるらしい。
※2017年8月補訂:現況を追記七尾で評判の駅弁。明治元年(1868年)から五代140年の歴史がある寿司屋が将軍にも献上したという、玉子焼の巻き寿司が入る。甘く柔らかい玉子太巻は、視覚でも味覚でも雅な風味を出す。写真の5個入りは550円、同じ掛紙を使う7個入りは800円。本店の寿司屋では玉子巻の名で8個1,000円にて提供され、一日300個前後を作るそうな。2014年4月の消費税率改定で、5個入りは565円。
訪問時の七尾駅は、コンクリート造一部二階建の古い駅舎と対照的に、舗装が新しく歩道は白くまぶしい駅前ロータリーが完備されていた。その向こう側にはこの車社会の御時世に駅前再開発ビルを2棟も建ててしまっており、十年後に廃墟にならないか心配だと思う。
七尾駅での駅弁の販売は、2016(平成28)年5月の駅売店の大手コンビニ「セブンイレブン」化により終わった模様。玉宝も駅から消えたようだが、調製元の寿司屋で買うことができるらしい。
※2017年8月補訂:現況を追記七尾駅の普通寿司駅弁。昔ながらの助六寿司駅弁らしい形状の容器に、手作り感と地味が過ぎる掛紙をかける。中身はミニいなり2個、太巻3個、細巻2種各2個、鯛とカニの箱寿司各1個、名物の玉子巻1個と、けっこう盛り沢山。風味も柔らかく、寿司屋の実力が発揮されている。価格は2007年の購入時で500円、2014年4月の消費税率改定で514円。
七尾駅弁の販売はコンビニに替わってしまったが、専用の商品棚をひとつ確保し、商品見本も置いて売られるため、見た目はまだまだ健在。国鉄時代からの駅弁屋のわりには紹介例が少ない印象で、むしろ本店が七尾の寿司屋として観光情報に載ることが多い感じ。
七尾駅での駅弁の販売は、2016(平成28)年5月の駅売店の大手コンビニ「セブンイレブン」化により終わった模様。これも駅から消えたようだが、調製元の寿司屋で買うことができるらしい。
※2017年8月補訂:現況を追記七尾駅の幕の内駅弁。プラ製の浅い惣菜容器を、森の写真を載せた大きな掛紙で包む。中身は日の丸御飯に焼き魚や肉団子、薩摩揚にチキンナゲットに枝豆、山菜に昆布巻にデザートのゼリー状の立方体は何だろう、この価格にしては分量も風味もなかなか。市販品だと思うがプラ製の惣菜容器のプリントと質感と構造には高級感もあり、風味への貢献は簡素な経木枠の容器より良いかもしれない。名物にはならないが、仕事をしている駅弁。
七尾駅での駅弁の販売は、2016(平成28)年5月の駅売店の大手コンビニ「セブンイレブン」化により終わった模様。これも駅から消えたようだが、調製元の寿司屋で買うことができるらしい。
※2017年8月補訂:現況を追記七尾の駅弁屋がつくり、駅売店で売られるおにぎり。しかしなぜか品名に「すし」とあった。中身は梅干おにぎり、梅干ゆかりおにぎり、タクアン2切れ。いずれも苦手な食材なので、泣きながら食べた。調製元の商品が七尾駅で売られなくなったので、これも駅での販売はもうないのではないかと思う。
これを買った穴水駅は、国鉄時代には金沢方面と輪島を結ぶ七尾線が能登線を分けた接続駅であり、急行列車の分割併合も実施された主要駅。国鉄再建法に基づき1988年3月に能登線が第3セクターののと鉄道に転換され、七尾線の津幡駅から和倉温泉駅までの電化と引き替えに、1991年9月には七尾線の七尾駅や和倉温泉駅から輪島駅までの区間も、のと鉄道に営業移管された。しかし赤字により2001年3月限りで七尾線の穴水駅から輪島駅までの区間が廃止され、2005年3月限りで能登線も全線が廃止、今は静かな終着駅となっている。
※2017年8月補訂:終売可能性を追記七尾駅の上等幕の内駅弁で、昭和時代の名物駅弁。強度が足りない容器に、能登の朝市を昭和風に描いた掛紙をかける。中身は日の丸御飯に海老、焼き魚、タニシ2個、イカ塩辛、ばい貝、イイダコ、ひじき、肉団子、昆布巻き、枝豆、カマボコ、薩摩揚など多種多様で港町を少々感じるおかずを添えるもの。
掛紙の絵柄と駅弁の名前と同様、濃すぎる味付けが舌を痛める昭和の風味。もう輪島の朝市と鉄道との関係も絶たれたし、酒のつまみと掛紙収集の目的を除き、これを積極的に選択する意義はない。2011年頃までの販売か。
七尾駅での駅弁の販売は、2016(平成28)年5月の駅売店の大手コンビニ「セブンイレブン」化により終わった模様。これはその前に駅から消えていたようだが、どうも調製元の寿司屋で買うことができるらしい。
※2017年8月補訂:現況を追記2000(平成12)年10月14日19時の調製と思われる、昔の七尾駅弁の掛紙。能登旅行で購入したはずが、中身はおろか、いつどこで買ったかも覚えていないため、当時の旅程から推測した。
1980年代、昭和60年前後の、4月29日8時の調製と思われる、昔の七尾駅弁の掛紙。絵柄は上記の2007年10月購入のものと同じで、内容もだいたい同じだろう。幕の内タイプの駅弁でありながら、おかずに能登の海の物を多く取り入れた、当時では比較的高価な駅弁だった。