福井駅から普通列車で40分前後。南越前町は2005年1月に今庄町と南条町と河野村が合併してできた、人口約1万人の宿場町。今庄は江戸時代まで、現在の関西と北陸を隔てる峠道が3本も集まり、陸上交通の要衝として栄えた。明治時代に鉄道が開通すると、山中峠越えの機関車を付けたり外す鉄道の町となり、職員や旅客で賑わい栄え、駅弁が売られ、立ち食いそばが親しまれた。1962年6月の北陸トンネルの開通で、今は静かな山間の集落。1896(明治29)年7月15日開業、福井県南条郡南越前町今庄。
1910年代、大正10年代のものと思われる、昔の今庄駅弁の掛紙。収集者は1920(大正9)年のものとしていた。今庄駅は1962(昭和37)年6月に北陸トンネルが開通するまでは、山中峠越えのための機関車を付けたり外す駅であり、急行列車を含む汽車が長く停まり、駅弁が売られ、駅そばが親しまれた。トンネルの開通で汽車と旅客の賑わいは消え、駅そば屋は福井駅に、駅弁屋は石川県の大聖寺駅に移転した。
1927(昭和2)年4月22日の調製と思われる、昔の今庄駅弁の掛紙。15銭の価格が20銭に訂正されている。駅弁屋とは異なる構内営業者が、おそらく立ち売りで販売した、駅売り銘菓となろう。