東京駅から新幹線ひかり号で1時間。静岡市は静岡県の中部に位置する、人口約69万人の城下町で県庁所在地。駿河湾から南アルプスまで静岡県を南北に縦貫する広大な市域を持つ。駅弁は明治時代からの駅弁屋が、新幹線ホーム上や改札外コンコースで古風な品揃えを持つ。1889(明治22)年2月1日開業、静岡県静岡市葵区黒金町。
2023(令和5)年11月に静岡駅で発売か。長方形の容器に白飯を詰め、タレをたっぷりまとう牛肉煮と太い糸こんにゃく、焼ネギ、しいたけで覆い、玉子焼と紅生姜を添える。その内容と商品名に、スリーブの文字「三種類の麹で仕込んだしょうゆに日高昆布のうまみを含めた」からは、これは牛すき焼き弁当に思えるが、食べるとタレにとろみが強いので、牛あんかけ丼といった雰囲気。あるいは下記の牛肉や豚肉の駅弁と同じような焼肉丼から、焼いた風味を除いた感じ。強いお肉のお弁当。
静岡駅の台売りで買えた豚焼肉丼。静岡の中心市街地の歓楽街にある弁当店「しずおか弁当」が、2018(平成30)年1月12日から毎週金曜日に静岡駅構内の土産物店「グランドキヨスク静岡」前に出店するようになった。実際には2016年の6月までにはグランドキヨスク静岡に金曜限定で商品を卸していたようで、この弁当も駅ではその頃からの販売か。1972年創業の弁当店が、帯広の豚丼をヒントに深夜の市街で売り出した人気の弁当「あみ焼き弁当」が、金曜午前の静岡駅に出現した。
小柄な長方形の容器に白飯を詰め、豚焼肉で覆う。これに紙のふたをして、商品名を書いた赤いスリーブに収める。中身が肉と飯だけという、究極にシンプルな豚焼肉丼。まるで飴の甘さとつやと固さをまとうような豚焼肉が、保温して少し暖かい状態で売られる弁当で、飯との抜群な相性と一体感を持つ。分量が控えめでもあり、たしかに夜食や飲み会のシメに合いそう。駅では金曜限定、かつ売り切れが早そうに見えた。市街の店舗では約10種類のあみ焼き弁当が、年中無休で朝8時から深夜3時まで買えるという。価格は2016年時点で650円、2023年5月までには680円。
静岡駅の台売りで買えた牛焼肉丼。静岡の中心市街地の歓楽街にある弁当店「しずおか弁当」が、2018(平成30)年1月12日から毎週金曜日に静岡駅構内の土産物店「グランドキヨスク静岡」前に出店するようになった。実際には2016年の6月までにはグランドキヨスク静岡に金曜限定で商品を卸していたようで、この弁当も駅ではその頃からの販売か。1972年創業の弁当店が、帯広の豚丼をヒントに深夜の市街で売り出した人気の弁当「あみ焼き弁当」が、金曜午前の静岡駅に出現した。
小柄な長方形の容器に白飯を詰め、牛焼肉で覆う。これに紙のふたをして、商品名を書いた赤いスリーブに収める。中身が肉と飯だけという、究極にシンプルな牛焼肉丼。まるで飴の甘さとつやと固さをまとうような、薄くカリカリの牛焼肉が、保温して少し暖かい状態で売られる弁当で、飯との抜群な相性と一体感を持つ。分量が控えめでもあり、たしかに夜食や飲み会のシメに合いそう。駅では金曜限定、かつ売り切れが早そうに見えた。市街の店舗では約10種類のあみ焼き弁当が、年中無休で朝8時から深夜3時まで買えるという。価格は2016年時点で700円、2023年5月までには730円。
2022(令和4)年2月の発売か。従前の「ブラックアンガス牛カルビ重」をリニューアル。牛を型抜き商品名を書いたスリーブに収めた長方形のプラ容器で、白飯を牛焼肉で覆い、玉子焼、柴漬け、わさび漬を添える中身はほぼ牛丼。肉もタレも照りも、飯も付合せも、それらの味や量も、従前のブラックアンガス牛カルビ重と、まったく同じもののように思える。価格は2022年の発売時で1,050円、2024年4月から1,200円。
※2024年8月補訂:値上げを追記駅弁の名前「中村屋の親子飯」は、駅弁売店での掲示による。掛紙には「親子丼中村屋」、食品表示には「親子丼折詰」とある。1753年の創業といい、大正時代頃から親子丼を提供し、2021(令和3)年末で静岡市内の親子丼専門店を閉店した「中村屋」のお弁当。2022(令和4)年3月2日に弁当店として再出発し、曜日別に市内の商店へ弁当を卸す。JR静岡駅の駅弁売店では土日曜日の販売。
昔の駅弁のような経木折の弁当箱を、屋号を大きく書いた掛紙で巻き、調製元の包装紙で包む。中身は醤油や酒で炊いた茶飯「さくらめし」を、鶏肉煮と炒り卵、刻んだ椎茸や蒲鉾で覆うもの。地元で約100年続いた親子丼の味が、弁当に再現されたという。甘辛な味付けに麹の香り、口当たりの柔らかさに鶏肉や蒲鉾の弾力性、駅弁にない水気の豊かさが印象的。11時の入荷で次々に買われていき、毎回1時間以内に売り切れるという姿に、その人気のほどがうかがえた。
2019(令和元)年6月3日に発売。やきとり缶詰で知られ、実は静岡の焼津や由比の食品会社であるホテイフーズと、調製元とのコラボで生まれた駅弁。白飯を焼き鳥フレークと卵そぼろで覆い、れんこんとししとうで彩り、煮物やわさび菜を添える。この焼き鳥がホテイの缶詰であり、スリーブには缶詰の写真と缶詰に印刷される絵柄が取り入れられた。これは静岡の名物として、末永く売られていくのではと思う。価格は2019年の発売時や購入時で950円、2022年4月から1,000円。
ホテイフーズのやきとり缶詰は、1970(昭和45)年12月の発売。今もツナ缶の製造など漁業や食品加工業が盛んな静岡県の清水エリアや駿河湾沿いについて、昭和40年代からの缶詰輸出の不振を受けて、地元メーカーのひとつが競合の激しい魚でなく鶏を使う缶詰を開発したもの。今は年に2000万缶を製造するといい、日本全国のスーパーやコンビニで売られる。
※2022年4月補訂:値上げを追記2017(平成29)年の1月までに発売か。長方形の容器に白飯を詰め、豚肉で覆い、玉子焼と漬物を添える、シンプルな豚肉駅弁。三元豚を使うというメインの肉は、豚肉の生姜焼というよりは、まるで薄い肉に甘いタレをたっぷり絡めたしゃぶしゃぶのよう。固さや臭みのないきれいな味で、御飯が進んだ。価格は2019年時点で880円、2022年4月から950円、2023年7月から1,000円。
※2023年8月補訂:写真を更新し値上げを追記2019(令和元)年5月12日に購入した、静岡駅弁のスリーブ。2度の値上げを経た価格を除き、すべてが上記の2023年のものと同じ。
2000年代までには発売か。昭和時代の末期には駅弁にも使われていた、銀色の薄い惣菜容器に、白御飯を詰め、鶏の玉子そぼろと肉そぼろを半分ずつ敷き詰め、グリーンピースを散らし、紅生姜を添える。甘くて濃い味付けも含め、悪口を言えば古臭い、そうでなければほっと安心できる、腹を満たす軽食。価格は2015年時点で440円、2019年2月から500円、2022年4月から550円。
※2023年8月補訂:写真を更新2015(平成27)年9月5日に購入した、静岡駅弁のスリーブ。上記の2023年のものと、値段以外のすべてが変わらないと思うのだが、当時は鶏そぼろの粒が大きかった感じ。スリーブの駅弁マークが白く抜かれている。
1981(昭和56)年の発売か。小柄な長方形の容器に、ニワトリとヒヨコをデザインしたボール紙でふたをする。中身は茶飯を玉子そぼろとぶつ切りの鶏肉煮とグリーンピースで覆い、ゴボウやタケノコなどの煮物と漬物類を添えるもの。懐かしさを味わう昭和の風味。価格は2003年や2011年の購入時で680円、2014年4月の消費税率改定で700円、2018年時点で720円、2019年2月から780円、2022年4月から850円。
※2022年11月補訂:写真を更新2011(平成23)年4月17日に購入した、静岡駅弁のふた。上記の2022年のものと、絵柄は同じ。容器も中身も風味も同じ。当時は食品表示と定価もふたに印刷したほか、調製元が日本鉄道構内営業中央会を脱会中であり、駅弁マークがなかった。
2003(平成15)年3月23日に購入した、静岡駅弁のふた。上記の2022年や2011年のものと、絵柄は同じ。容器も中身も風味も同じ。昭和時代やそれ以前からの駅弁掛紙の伝統である、旅客への注意書きが残る。当時の調製元は静岡駅前にあった。
2008(平成20)年に発売か。とても細長い長方形の容器に、中身写真と商品名と宣伝文を書いたシールを貼り、食品表示ラベルとセロテープで短辺を留め、輪ゴムをひとつ巻く。中身は真空パックの出汁巻き卵が1本。よくよく見ると鶏そぼろが混入しており、なるほど確かに親子巻だが、風味は新鮮な卵の香りがいっぱいの、柔らかいけれど崩れない玉子焼。
駅弁売店で駅弁のような外観で駅弁とともに売られていたが、割りばしやプラ製ナイフなどの食べる道具が付いていないため、持ち帰りの惣菜だろう。幕の内駅弁のおかずで入る玉子焼を単品販売の形で商品化したものだそうな。価格は購入時で350円、2015年時点で450円。
※2015年10月補訂:値上げを追記2017(平成29)年の春頃に発売。その名前と中身と味の印象の強さは、昔ながらの駅弁やその姿を多く残す静岡駅では異質に思える。白飯を牛焼肉で覆い、玉子焼、柴漬け、わさび漬を添える中身はほぼ牛丼。この肉がブラックアンガス牛のカルビ焼肉。タレに酸味があり、赤身で売る肉のようだが脂身がたっぷり。牛肉の駅弁としては安価で提供される。価格は2018年の購入時で880円、2019年2月から980円、2022年4月から1,050円。実際には2021年10月頃に終売か。
ブラックアンガスは静岡特産というわけではない、肉牛の品種あるいは商品名のひとつ。イギリス・スコットランドのアンガス州付近で千年程度前から飼育される黒毛や褐色の肉牛で、日本でも世界でも過去に何度か導入されたアンガス種のうち、黒毛のものをアメリカで区別したものか。飼料の質や量により、柔らかい赤身肉になったり安く硬い肉になったりするそうで、同じ黒毛でも脂肪の豊かさを競う和牛とは対照的かと。日本での赤身肉や熟成肉のブームで、このアメリカ産の輸入牛肉がさかんに宣伝され始めている。
※2022年11月補訂:終売を追記