東京駅から新幹線で3時間強。姫路市は兵庫県の南西部で瀬戸内海に面する、人口約53万人の城下町。製鉄や液晶などの臨海工業で栄え、国宝で世界遺産の姫路城が観光客を集める。駅弁は明治時代からの駅弁屋「まねき食品」が、アナゴや姫路城などの駅弁を販売。1888(明治21)年12月23日開業、兵庫県姫路市駅前町御殿前。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2021(令和3)年秋の新商品か。姫路駅で半世紀近い歴史を持つ駅弁「おかめ弁当」の、現在の卵形の容器のふたを、サンリオのキャラクター「ハローキティ」の顔のような絵柄にした「おかめ弁当」に対して、こちらは姫路駅弁で約40年ぶりの名前となる「ひょっとこ」。おかめ弁当と同じ卵形の容器に描くハローキティの顔を天地逆に使い青くして、こちらは男の子を表現か。ハローキティのキャラクターには、男の子のボーイフレンド「ダニエル・スター」という追加設定がある。
この容器に出汁飯を詰め、鶏照焼、豚しょうが焼、鶏そぼろ、錦糸卵、生姜、刻み海苔、しいたけ、ししとう、大根桜漬などで覆う。あちらのおかめ弁当と同じく、中身だけを見れば、キャラクターの世界観やかわいらしさに子供やファミリー向けの要素などまるでない、コンセプトを見いだしにくい肉と飯のお弁当。腹には溜まりそう。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2021(令和3)年秋の新商品か。姫路駅で半世紀近い歴史を持つ駅弁「おかめ弁当」の、現在の卵形の容器のふたを、サンリオのキャラクター「ハローキティ」の顔のような絵柄にした。おかめ弁当とハローキティの生まれ年は同じ1974(昭和49)年かもしれない。
中身は普段のおかめ弁当と同じく、容器に出汁飯を詰め、牛肉煮、鶏そぼろ、きんぴらごぼう、小松菜漬、しいたけ、しめじ、タコ、錦糸卵などで覆うもの。ここでは通常版の具からエビやぎんなんや紅生姜などを抜き、ハローキティの顔を印刷した魚肉の紙を入れた。通常版との価格差280円がキャラクターの使用料か。内容の渋さとキャラクターのかわいらしさがすれ違う。
1974(昭和49)年頃に発売か。容器は2007年までに、この卵形でおたふく顔の専用品になり、「姫路通れば「おかめ」が招く!!」という、昭和時代からのキャッチフレーズを記した。この容器に出汁飯を詰め、牛肉ごぼう、鶏そぼろ、タケノコ、椎茸、タコ煮、酢エビ、あなご、くり、しめじ、錦糸卵などを散らす。多種多様のおかずを載せて「おかめ八目」なのだとか。価格は2001年時点で870円、2014年4月の消費税率改定で900円、2019年時点で920円、2022年時点で980円。
※2023年7月補訂:写真を更新し解説文を手直し2004(平成16)年7月25日に購入した、姫路駅弁のふた。おかめ弁当の内容はおおむね変わらないが、容器や形状は時代により大きく異なる。この時はJR西日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣」が開催中で、その応募シールがこのふたに貼られていた。駅弁マークも追加された。
2001(平成13)年12月30日に購入した、姫路駅弁のふた。この当時は姫路駅の他の駅弁でも、この独特な六角形の容器が共用されていたと思う。
1970年代、昭和50年前後の、2月18日4時の調製と思われる、おかめ弁当の掛紙。鉄道に関する記述がないため、駅弁でなく仕出し弁当の掛紙だと思う。姫路駅にしかない駅弁「おかめ弁当」の名前を持つ。ここに「この弁当の名付親は藤浦洸先生」という、駅弁の記事や文献などで見たことがないことが記された。戦前戦後の昭和時代に美空ひばりなどのヒット曲を量産した作詞家の藤浦洸(ふじうらたけし)のことか。「ひめじ通ればおかめがまねく」のキャッチフレーズもある。
2016(平成28)年1月の京王百貨店の駅弁大会でデビューか。世界中で人気の漫画作品でテレビアニメ「ドラゴンボール」の駅弁で、悟空とはその主人公である孫悟空のことで、「オラ悟空」はテレビの次回予告時の冒頭句。パッケージには駅弁の発売時点での最新作である、2015(平成27)年7月放送開始の「ドラゴンボール超(スーパー)」のロゴマークと、その前作である「ドラゴンボール改」での姿をした主人公が描かれる。
中身はキャラクター駅弁なので、4つの星を記した丸いオレンジ色のプラ製容器にカレーピラフを詰め、ハンバーグ、コロッケ、スパゲティ、焼売、煮玉子、フライドポテトなどを載せたお子様ランチ。容器は大切な四星球、ハンバーグは一星球、コロッケも星型で、超人戦闘漫画になる前の週刊少年漫画雑誌での連載漫画「ドラゴンボール」の世界観を持っているように感じた。現地でも販売されたのかもしれないが、このシーズンのデパートやスーパーの駅弁大会で大いに売り、ゴールデンウィークの頃までに売り終えた模様。
2017(平成29)年1月の京王百貨店の駅弁大会での輸送販売でデビューか。前年のここでデビューした「オラ悟空!!BENTO」に次ぐ、ドラゴンボール駅弁の第2弾と考えられる。オレンジ色のプラ容器を共通に、パッケージは黄色くなり、この駅弁の購入時で放映中の「ドラゴンボール超(スーパー)」のキャラクターである孫悟空と孫悟天が描かれる。
中身は、バター風味ライスの上に、チキンステーキ2切れ、星形コロッケ、半熟風玉子、ニンジン、うぐいす豆、海苔1枚。前作が少し大人に成長したような感じ。今回の容器は一星球で、パッケージの記載によると四星球か一星球のいずれかが入る模様。2017年内までの販売か。
「アニメ30周年記念弁当」の副題が見えるが、テレビアニメ「ドラゴンボール」の放映開始は1986(昭和61)年2月だそうなので、駅弁の登場は1年近く遅れている感じ。このアニメが正規版や海賊版で40か国とも80か国とも言われるエリアへ広がり、世界的なアニメやキャラクターとなっている。「わくわくすっぞ〜」は、アニメやマンガで主人公の孫悟空がよく発言するセリフから。
※2019年8月補訂:終売を追記2014(平成26)年のNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」(ぐんしかんべえ)の放送に合わせて、前年2013(平成25)年の8月から2014年12月まで販売された期間限定駅弁。もしかすると、半年ほど早く売り止めたかもしれない。ひょうたん(ひさご)型の容器の3区画にそれぞれ、アナゴ飯、ちらし寿司、菜の花ごま和えときんぴらごぼうを詰めている。アナゴ飯は焼きアナゴもだし飯もたっぷり、ちらし寿司もタコにエビにサバにと具がちょっと豪華で、一食分には重いかなと思うくらいのボリュームがあった。
軍師官兵衛こと黒田孝高(くろだよしたか)は、16世紀の戦国武将。天文15年11月(1546年12月)に現在の兵庫県姫路市内で生まれ、播磨国で出世し、織田信長や豊臣秀吉の家臣として軍功を上げた。関ヶ原の戦いの頃には九州で戦っており、筑前国福岡藩の礎を築くことになるが、以後は歴史の表舞台から姿を消す。もしかすると信長、秀吉、家康の三英傑を上回る活躍をしたかもしれない、もし関ヶ原の戦いが数か月間続いていたら天下を取っていたかもしれないと、研究者や小説家が時々注目し持ち上げていたことで、大河ドラマ化が実現。ここでは兵庫県と滋賀県と福岡県が、大河ドラマを観光客の誘致に活用した。
2013(平成25)年の夏頃の発売か。商品名は「スヌーピーロコモコ」とも。キャラクターが描かれたピンク色のプラ製カップに、御飯を詰めてデミグラスソースをかけて、やはりキャラクターを印刷したハンバーグ、丸い目玉焼きというかオムレツ、ソーセージ、ハート形のニンジンを載せる。
つまり商品名どおりの、ハワイ名物ロコモコ丼のようなもの。この内容では、寒い冬に冷蔵された状態で食べてよいものではない。味で選ばれる駅弁ではなくても、何らかの方法で加熱したいもの。価格は2013年の購入時で1,050円、2014年4月の消費税率改定で1,080円。1年間ほどの販売であった模様。
※2016年10月補訂:終売を追記2012(平成24)年9月に姫路駅で主に土日曜日に販売される駅弁として発売したらしいが、東京駅の駅弁売店では8月から毎日販売されている。駅弁の名前は日本でもキャラクター商品や企業の販売促進アイテムなどでよく知られるアメリカ漫画「ピーナッツ」の主人公の飼い犬「スヌーピー」から公式に採用したもので、赤く丸いプラ製容器のふたにはその姿が、ボール紙のパッケージにはその仲間と含めて描かれる。
中身はタラコ、のりたま、鮭と若菜のふりかけをかけた俵飯が各1個と、エビフライ、鶏唐揚、肉団子、ポテトサラダ、スパゲティ、ミニゼリーといった、まるで運動会のお弁当のようなお子様ランチ。まともな味を持つ容器収集向け駅弁。価格は2012年の購入時で980円、2014年4月の消費税率改定で1,010円。2014年頃までの販売か。
※2020年4月補訂:終売を追記流通科学大学観光・生活文化事業学科の頭師ゼミナールと駅弁屋が共同で開発し、2010(平成22)年1月18日に発売した駅弁。しかし実態としては、2010年1月の阪神百貨店の駅弁大会で販売するために、その会期中を含めた1月18日から26日までの予定で現地でも販売を行った、疑義駅弁に限りなく近い商品ではないかと思う。
白いボール紙の箱を、表面にトラや商品開発経緯や商品名などを、裏面に姫路おでんマップを印刷した掛紙で巻き、ゴムで留める。プラ製トレーに収まる中身は、イカ墨ライスにネギ天と生姜天とレンコン煮を挟んだライスバーガーと、サフランライスに牛すじコロッケやタマネギを挟んだライスバーガーがひとつずつと、煮玉子、ブロッコリー、こんにゃく。
2006年から地域ブランドとして売り込み中の姫路おでん。姫路城大天守保存修理事業に伴い2010年4月から2014年度まで続く見込みの見学中止により観光客の減少が懸念される姫路で、これを新たな観光資源にしようというコンセプトで、この弁当は開発されたそうな。商品名にはトラとトライとライスバーガーを合わせたという。
確かに中身はおでんで、奇抜だけれども味はまとも。こんな面白い商品を疑義駅弁に留めておくのは惜しいし、駅で売り続ければ年に何度かはテレビに出て名前を売れると思うのだが、販売期間は2月14日までしか延伸されなかった。表面上の登場経緯からは考えられないこの取り扱いは、百貨店の意向でもあったのだろうか。
NHK大河ドラマ「武蔵MUSASHI」の放映を記念して、2002(平成14)年11月30日に発売。2001年発売の「21世紀出陣弁当」から各地の駅弁で使われ始めた竹籠容器を使用、さらに笹の葉を敷いて雰囲気を出して、中身は白飯黒胡麻の三角おにぎりがふたつと、月見玉子に焼き鳥に煮物の数々、そしてメザシを二本刺して武蔵の二刀流を表現。価格の割に中身が少ないような気はするが、雰囲気が良く売れそうな駅弁。現在は売られていない模様。
※2013年5月補訂:終売を追記1980(昭和55)年1月31日14時の調製と思われる、昔の姫路駅弁の掛紙。この駅弁は昭和50年代に売られ、中身はバッテラ、いなりずし、巻き寿司、おすしの盛り合わせだったという。現存する「おかめ弁当」と対になる存在だった模様。掛紙には姫路城が当然のように描かれている。