これは駅弁ではなく、瀬戸内海に浮かぶ伯方島の道の駅「伯方S・Cパーク」の「マリンオアシスはかた」で開催されていた自転車イベント「香りの島まつり」で売られていたお弁当で、しまなみスローサイクリング協議会が2007年から開発を始めて2008(平成20)年10月に売り出した、駅弁、空弁ならぬ「二輪弁」。自転車旅行者のためのお弁当だそうな。
中身を竹皮に包み、チラシと割りばしを挟んでひもでしばる。中身はひじきおにぎり、梅干しおにぎり、青菜おにぎり、玉子焼、ミニトマト、タコ唐揚げ2個、漬物。チラシと中身がちょっと違ったけれど、駅弁並みに味がしっかりした軽食。なお、調製元に関する情報は書かれていなかった。
1999(平成11)年に全通した本州四国連絡橋の尾道・今治ルート、通称「しまなみ海道」は、すべての橋梁に自転車専用道が併設された、全国初で世界に冠たる海上自転車道でもある。片道約70〜80kmのルートの沿線にはレンタサイクルターミナルが14箇所も設置され、ママチャリからロードバイクまで乗捨OKで借りられる。
これを借りて尾道駅から今治駅まで半日かけて走ってみたが、標識の未整備や経路の分かりにくさに各種看板等で、明らかに自転車通行者を毛嫌いする広島県内とは対照的に、道が分かりやすく走りやすく、このようなイベントまで実施する愛媛県側は自転車客も歓迎する雰囲気。本州四国連絡橋の3ルートはすべて、本州側の冷めた目と四国側の熱い思いが込められているとはいえ、外国人観光客には見せたくない光景だと思った。
これは駅弁ではなく、大島の道の駅「よしうみいきいき館」の食堂で売られていたテイクアウト商品。タイの混ぜ御飯のみがプラ製の惣菜容器に詰められている。全体の分量もタイの身は少なく、しかし風味も食感もやわらかく、ほんのりあたたかく、お手頃なお値段で、何度でもおかわりしたい上品な御飯。掛紙こそないものの、ふたに貼られたシールが専用品であることも、旅の記念になる。
国道317号の道の駅「よしうみいきいき館」は、吊り橋を3つも連ねて来島海峡を一直線に横断する、全長4105m来島海峡大橋のふもとの海岸に位置する、眺めの良い道の駅。最大高さ183.9mもの主塔が遠近に6本もそびえ立つ光景には、ただただ圧倒される。2009年の訪問当日は、政府が土休日の高速道路料金を1000円に抑えた高速千円の効果で、入場待ちの車列ができる満員御礼の賑わいだったが、観光客は食堂や焼肉屋に吸い込まれ、ステージイベントは素通りされていたような。