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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

JR九州 筑後船小屋(ちくごふなごや)駅 JR-Kyushu Chikugo-Funagoya Station
2011(平成23)年3月訪問 GoogleMap「筑後船小屋駅」

駅名標 駅舎 駅構内

博多駅から新幹線「つばめ号」で約30分。いわゆる整備新幹線の建設再開時に、政治的な理由で採用された「スーパー特急」の在来線への乗り入れ地点がここに設けられ、その後にやはり政治的に全線が「フル規格」になった後に、地元の与党政治家が駅の設置をごり押しした結果、田畑と小河川しかない場所に60億円もかけた駅ができた、上越新幹線浦佐駅に匹敵する政治駅。キヨスクに駅弁が登場したことには驚いたが、さすがに続かなかった。名義上1928(昭和3)年7月20日開業、福岡県筑後市大字津島字東。

【終売】奥八女のお煮しめ弁当(550円)Okuyama no Onishime Bento (end of sales)
2011年3月12日に筑後船小屋駅の待合室内のキヨスクで購入 Mar. 12, 2011

掛紙 中身
掛紙 掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

九州自動車道広川サービスエリア下り線売店で売られていた、NEXCO西日本の「高速オリジナル弁当」が、2011(平成23)年3月12日の九州新幹線鹿児島ルートの全線開業に伴う筑後船小屋駅の開業に合わせて、久留米、筑後船小屋、新大牟田の各駅のキヨスクで売られるようになったもの。

正八角形の容器に透明なふたをして、表面に駅弁の名前と売りと桜花を、裏面に長田鉱泉場の由来を記した掛紙を巻く。中身は鶏飯、海苔貼り白飯、桜花貼り白飯の三角おにぎり各1個に、煮玉子、タケノコやシイタケなどの煮物、フライドポテト巻、高菜など。筑後船小屋・長田鉱泉の炭酸水で炊き込んだという白飯や鶏飯がうまく、それ以外に特徴はないものの、550円でこれならうまい。なお、高速道路では500円で販売される商品。さすがに駅での販売は、1年間ほどで終わった模様。

九州新幹線の整備が昭和40年代に表面化した頃、博多駅から熊本駅までの間の途中駅は新久留米駅と新大牟田駅だけだったと思うが、40年の時を経て開業してみると、これらの駅の途中にひとつずつ駅が増えていた。新鳥栖駅は長崎本線との乗換駅であり、将来は長崎方面への分岐駅になる。新玉名駅には市街がないが、新大牟田駅と熊本駅との間は49.1営業キロもあるため、21世紀の新幹線であれば1駅できる。

特急が止まるどころか駅員を置かず駅舎を撤去したほどの船小屋駅で、久留米駅から15.8キロ、新大牟田駅から17.8キロしかないのに新幹線の駅を設けた理由は政治的圧力とされる。1973(昭和48)年11月15日に全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画が決定されながら、オイルショックにより建設が凍結されていた5路線の建設再開を模索するにあたり、在来線特急列車を新幹線規格の新線へ直通させて部分的に建設費を抑制するという自民党と運輸省が編み出した「スーパー特急」なる珍案により、ここでは計画上1996(平成8)年12月から2000(平成12)12月まで、新幹線と在来線との接続点が設けられる予定であった。これを自民党の道路族で1980(昭和55)年から衆議院の議席を守る瀬高出身の政治家である古賀誠が、駅に仕立て上げてしまったのである。

駅の実質的な開業日である訪問日には、駅前は広い公園の工事現場であった。駅が出来たのは事実であり、久留米の市街にある新幹線久留米駅は車で行きにくいため、車社会にふさわしい駐車場があるとか、新幹線駅から最も近い公園があるなどの売り文句を武器に、今は無駄に見える駅が今後は活用されていけばと思う。

※2017年2月補訂:終売を追記
販売駅
九州新幹線 筑後船小屋(ちくごふなごや)駅 1928(昭和3)年7月20日開業 福岡県筑後市大字津島字東
調製元
花むすび 福岡県八女市黒木町今604−3 0943(42)0244

【終売】四季御膳(890円)Shikigozen (end of sales)
2011年3月12日に新大牟田駅の待合室内のキヨスクで購入 Mar. 12, 2011

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

2011(平成23)年3月12日の九州新幹線鹿児島ルート全線開業に伴う筑後船小屋駅の開業に合わせて発売か。久留米、筑後船小屋、新大牟田の各駅のキヨスクで販売。平たい仕出し弁当用のボール紙製容器を、柳川を中心とした周辺観光地の白黒写真をデザインした掛紙で包む。中身は白飯と鶏飯、有頭海老、鶏唐揚、レンコンやニンジンなどの煮物、赤魚煮、フライドポテトを10本くらい海苔か何かで巻いたものなど。旅の印象には残らないが、車中の食事としては優れていると思う。この弁当の販売は、数か月間しか続かなかったのではないかと思う。

九州新幹線鹿児島ルートの開業にあたり、JR九州は他社のように、あるいは政府申し合わせのとおり、原則として全区間で並行在来線の経営分離を求めることはせず、早くから八代駅〜川内駅を除く鹿児島本線の全線を引き続き運営すると表明し、実際にそのとおり実行した。そのため、2011年3月12日の九州新幹線の博多駅〜新八代駅の開業にあたり、新たな第3セクター鉄道やバス転換路線は生じていない。毎時2〜3往復が最高時速130kmで駆けていた特急「リレーつばめ」「有明」はさすがに基本的には廃止されたが、早朝と深夜の通勤客向けに一日7本が存続したほか、熊本駅発着の観光特急が臨時ではあるが博多駅まで顔を出し始めている。

※2017年2月補訂:終売を追記
販売駅
九州新幹線 筑後船小屋(ちくごふなごや)駅 1928(昭和3)年7月20日開業 福岡県筑後市大字津島字東
調製元
花むすび 福岡県八女市黒木町今604−3 0943(42)0244