博多駅から新幹線で約20分、または在来線の特急や快速で1時間前後。北九州市は九州の北端で日本海と瀬戸内海に面する、人口約93万人の政令指定都市。戦前の官営製鉄所の進出を機に国内有数の巨大工業地帯として繁栄したが、産業構造の変化で近年は経済が停滞する。駅弁は明治時代に門司で創業した駅弁屋がコンコースに売店を構えるほか、折尾駅など他の駅の駅弁も売店に入荷する。1891(明治24)年4月1日開業、福岡県北九州市小倉北区浅野1丁目。
2020(令和2)年の発売か。売店では幕の内弁当として売られていたが、これは名前も中身もかしわめしの仲間。二段重ねの容器の、下段は鶏飯を鶏フレークと錦糸卵と刻み海苔で覆い紅生姜で彩るかしわ飯、上段は焼サバ、鶏唐揚、白身魚フライ、スパゲティ、肉団子、切り干し大根、きんぴらごぼう、玉子焼、花かまぼこ、明太子、うぐいす豆、大根桜漬という、幕の内弁当タイプのおかず。これを鶏飯でなく幕の内弁当と呼べるのは、きっと九州北部だけかと。
小倉駅弁のかしわめし。九州の北部を中心に各地で売られる鶏飯駅弁「かしわめし」の、小倉駅バージョン。鶏の炊込飯を、刻み海苔と錦糸卵と鶏フレークのストライプで覆い、紅生姜で彩り、玉子焼、切り干し大根、みかん、大根桜漬、うぐいす豆を添える。かしわめし駅弁の中では、付合せの行列が差異であり、味が比較的淡く薄めで、塩気や醤油味より油気が勝ると思う。スーパーやデパートでよく輸送販売されるため、関東地方など東日本では、これが折尾駅や博多駅のかしわめしだと勘違いされることがある。価格は2002年時点で680円、2010年時点で750円、2014年時点で780円。
2004(平成16)年10月30日に購入した、小倉駅弁のふた。上記の駅弁「小倉のかしわ飯」と、容器は同じで、中身もほぼ同じ。切り干し大根がなく、かまぼこと鶏唐揚があった程度の差。当時の駅弁の名前には「伝承」の名が入っていた。
2002(平成14)年3月1日の調製と思われる、小倉駅弁の紙ふた。擬人化されたニワトリの4人家族が、家族だんらん中。中身は上記の駅弁「伝承小倉のかしわ飯」と同じ。
2020(令和2)年の発売か。「お料理弁当春夏秋冬」と書かれた、市販の仕出し弁当向け紙箱を使う。現物には「弁当」とあり、売場には「幕の内かしわ飯」とあった。中身の半分は、鶏炊込飯を刻み海苔、錦糸卵、鶏フレークのストライプで覆い、紅生姜を添えるかしわめし。半分は白身魚フライ、鶏唐揚、スパゲティ、切り干し大根、きんぴらごぼう、花かまぼこ、玉子焼のおかず。その間に、辛子明太子、みかん、大根桜漬、うぐいす豆の付合せ。こうして記せば、いろんなものが入っている。しかし乱雑な見栄えは、まるで場末のスーパーのお惣菜
2020(令和2)年の発売か。おそらく下記の格安駅弁「かしわめし」の生まれ変わりなのではないかと思う。押寿司向けの小さな木枠に鶏炊込飯を詰めて、刻み海苔、錦糸卵、鶏フレークのストライプで覆い、紅生姜を載せて、鶏唐揚と大根桜漬を添える中身は、かしわめし駅弁として過不足ない。こんなに小さいのに、おにぎり2個分に満たない量しかないのに、ちゃんと駅弁らしくできていて面白い。この年限りの販売か。
※2022年4月補訂:終売を追記下記の格安駅弁「特製かしわめし」の、約8年後の姿ではないかと思う。約3割もの値上げだが、それでも駅弁としては格安の部類。味は変わらないが、かしわめしのストライプがブロックに変わり、きんぽらごぼう、鶏唐揚、みかんが付くなど、見た目はだいぶ変わった。通常版よりだいぶ容器が浅いとはいえ、容器やふたの見栄えも、おかずも味もまともな駅弁である。この姿と内容では、おそらく現存しない。
※2021年2月補訂:終売を追記小倉駅の駅弁「かしわめし」のミニパッケージ。長方形の容器に、商品名と鳥の絵を描いたボール紙をかけて、ラップで割りばしごと包んで食品表示ラベルを貼る。中身は純粋にかしわめしだけ。そんなミニ弁当ながら、紙フタに駅弁マークがあったり、味もルックスも一人前。全国最安の本格駅弁かもしれない。この姿と内容では、おそらく現存しない。
※2021年2月補訂:終売を追記価格帯で分けて、当時の小倉駅におそらく4ランク存在した鶏飯駅弁「かしわめし」の、上から2番目のバージョン。平たい正方形の容器に鶏飯を詰め、刻み海苔と錦糸卵とかしわ(鶏)フレークでストライプを描き、玉子焼、かまぼこ、鶏肉団子、煮豆などを添える。近隣各駅のかしわめし駅弁に比べて、やや油っぽい味を持つと思う。関東地方の駅弁催事にも、よく出てきた。2018年までの販売か。
※2021年2月補訂:終売を追記2016(平成28)年5月21日に購入した、小倉駅弁のふた。同年同月の伊勢志摩サミットの開催を記念して、仙台駅から小倉駅まで11種類の駅弁について、パッケージに駅弁の名前の英文表記とほぼ共通のロゴマークを印刷し、東京駅の駅弁売店で販売した。中身は通常版と、上記の駅弁「北九州名物鶏(かしわ)めし」と同じ。価格はなぜか30円安かった。
上記の駅弁「北九州名物鶏(かしわ)めし」の、2002(平成14)年時点での姿。当時は鶏飯を覆う刻み海苔と錦糸卵と鶏フレークが、ストライプでなくブロックパターンであり、これが小倉駅弁の特徴であった。おかずはかまぼこ、玉子焼、昆布巻、さといも、エビフライ、れんこん、きんぴら、うぐいす豆となっていて、後のものより少し優れていた。
2002(平成14)年1月には駅弁大会の横綱格である京王百貨店新宿店の駅弁大会で、大館駅「鶏めし弁当」とともに主役を演じ、13日間で18,481個を売り切った。
※2021年2月補訂:前段の解説文を手直し1993(平成5)年1月2日6時の調製と思われる、昔の小倉駅弁の掛紙。後の「特製かしわめし」、現在の「北九州名物鶏めし」に相当するものだろう。駅弁マークや消費税がある頃なので「昔の」とは語弊があるかもしれないが。鶏の切り絵のようなシンプルで分かりやすいデザインは、個人的には現在の物より良く見える。
2007(平成19)年頃から断続的に、博多駅や駅弁催事で販売か。樽型断面の容器を、中身の写真を美しく印刷したシンプルなデザインのボール紙枠にはめる。中身は鶏飯の上を錦糸卵と鶏肉のフレークで覆い、チキンステーキなる4切れにスライスした大きな鶏唐揚を1個置き、煮玉子まるごと1個と桜漬けを添えるもの。
駅弁の名前にニワトリが2羽いたり、御飯の上のストライプに刻み海苔がなかったりと、これは北部九州名物のかしわめしでない感じ。しかし名古屋駅弁で見たタイプの、揚げてから切る大きな鶏唐揚の旨さは光る。伝統にこだわらないこんな見栄えや内容や味があってもよい。2013年までの販売か。
※2021年2月補訂:終売を追記2006(平成18)年秋の駅弁催事で発売した催事用商品。駅弁ではなく「駅弁屋の味」。実在の駅弁屋が作っているようだが、駅売りはないようで、パッケージにも「こちらの商品は駅では販売しておりません。」の注記もある。
約11センチ四方の容器の中に鶏ガラスープで炊いた御飯を詰め、錦糸卵と鶏フレークと鶏照焼を貼り付ける。鶏照焼の添付を除けば内容は小倉駅弁らしいし、風味も小倉駅弁のものだが、分量に対する価格は感覚的に2割ほど高い。駅弁屋と催事屋とスーパーの三層構造でマージンがかかっていると思えば、そんなものか。