博多から特急列車「みどり号」で2時間弱、佐世保線の終着駅で松浦鉄道との接続駅。佐世保市は九州東部の長崎県北部で瀬戸内海に面する、人口約24万人の港町。造船と軍港で名高いほか、テーマパークや食文化で観光客も集める。駅弁は1948年から佐世保駅で駅弁を販売した松僖軒が2014年7月に撤退、翌2015年8月から改札外のうどん店の店頭に駅弁を並べた匠庵が2022年1月に閉店、駅弁がなくなった。1898(明治31)年1月20日開業、長崎県佐世保市白南風町。
2015(平成27)年8月6日に佐世保駅でオープンしたうどん店「匠庵」の店頭で売られる商品。前年の駅弁屋の閉店で失われた駅弁が、調製元と姿を変えて同じ名前で復活した。翌2016(平成28)年にはJR九州の駅弁キャンペーン「第12回九州駅弁グランプリ」にエントリー、駅弁であることをアピールした。
白飯を牛肉で覆い、高菜やコーンなどを付け合わせる。レモンのスライスを載せた肉そのものが、レモンの酸味をたっぷり含む。以前の駅弁屋の時代とは違う、肉をかなり硬めにした、レモンにまみれた焼肉弁当。
この駅弁を販売した佐世保駅のうどん店「匠庵」は、2022(令和4)年1月限りで閉店、この駅弁も買えなくなったものと思われる。
※2022年2月補訂:終売を追記2015(平成27)年8月6日に佐世保駅でオープンしたうどん店「匠庵」の店頭で売られる商品。五目飯をお出汁あるいはうどんの汁を吸ったお揚げで包んだ、淡い色をした二等辺三角形のおいなりさんを、透明なプラ容器に4個収め、商品名を書いた掛紙を巻く。
この駅弁を販売した佐世保駅のうどん店「匠庵」は、2022(令和4)年1月限りで閉店、この駅弁も買えなくなったものと思われる。
※2022年2月補訂:終売を追記長方形の容器に、アゴの身とだしを含んだ混ぜ御飯を詰め、アゴの身と卵を載せ、煮物や漬物などを添える。「アゴ」とはトビウオのこと。掛紙に「あごだしで有名な」と書かれるとおり、出汁が取れる魚なので、2003年に食べた時は御飯にも身にもとてもダシが利いている感じがして、2005年ではそこまでいかない軟らかな味。
価格は2005年の購入時で850円。2006年10月時点で中身を変えて750円。九州駅弁ランキングでの駅弁の名前は「平戸南蛮あごめし」。第7回九州の駅弁ランキングに向けて、2010年10月までにリニューアルされ、価格が1,150円になった模様。調製元の閉店により、2014年7月限りで終売した模様。
佐世保駅は、2001(平成13)年12月に高架化が完成した際、高架下に商業施設を設けた代わりかどうか、駅のホームやコンコースに売店を設けなかった。後にコンコースへ佐世保バーガーの屋台ができたが、駅弁は売られず、商業施設のテナントとなる。事前の知識がなければ、佐世保駅に駅弁があるようには見えない。
※2014年12月補訂:終売を追記穴子駅弁の分布地図からぽつんと離れて存在した、半世紀の歴史を刻む無名の駅弁。「レモンステーキ弁当」などと同じ容器に、アナゴの炊込飯を詰め、刻みアナゴと刻み海苔で覆い、だし巻き卵を載せ、煮物や酢の物を添える。九州の各地で名物の駅弁となる鶏飯「かしわめし」の、鶏を穴子に替えたようなイメージ。掛紙の絵柄も含めて味わいは並レベルでも、こういうものがあることがよいことで、催事ではなく地元で仕事をする駅弁。調製元の閉店により、2014年7月限りで終売した模様。
※2014年12月補訂:終売を追記佐世保駅で「レモンステーキ弁当」に次ぎ、「あごめし」に肩を並べた存在。正方形ふたつ分の容器の、一方に白飯を詰めてが高菜古漬油炒めと鶏そぼろと錦糸卵で覆い、他方に煮物や焼き魚や玉子焼などのおかずを詰める。九州の北半分ではありふれていて名物にもならない高菜を主題にした駅弁は珍しいと思うし、高菜の弁当で千円以上もするのかと損をしそうな存在。調製元の閉店により、2014年7月限りで終売した模様。
※2014年12月補訂:終売を追記2005(平成17)年の新作駅弁と紹介されたが、1990年代にも売られていたはず。「レモンステーキ」そのものが、佐世保の食を紹介するうえで欠かせない名物である。長方形の容器に白飯を詰め、平戸・五島牛の焼肉で覆い、白ごまとピーマンとパプリカで彩り、煮物と酢の物を添える。
レモンはタレの隠し味に使われていて、牛肉を食べるとレモンやその風味を味わえるわけではない。適度に締まって柔らかでタレや焼きの薫り高い牛肉の味に、その味付けが活きているのだと思う。価格は2005年の購入時で1,050円、2006年10月時点1,100円。調製元の閉店により、2014年7月限りで終売した模様。
レモンステーキとは、この駅弁の調製元が佐世保市内で1955(昭和30)年に創業した食堂「れすとらん門」で、その開店当時あるいは昭和40年頃に考案されたメニューだという。厚切り肉ではなく日本人に合いそうなすき焼き肉を使い、レモンを使った醤油ベースのソースをかけたもの。地域の特産品によらないご当地グルメの中では、佐世保では佐世保バーガーに次ぐ支持を集めている感じ。
※2014年12月補訂:終売を追記平たい長方形の容器に木目柄のボール紙でふたをして、花色の小さめな掛紙を置く。半透明のプラ製トレーに収まる中身は、ボイルエビやマグロづけやシイタケやレンコンなどを使うちらしずしに、サバ塩焼、鶏照焼、筑前煮、揚げナスなど。単価の高そうな内容だが、佐世保らしさ、駅弁らしさ、豪華らしさが見えてこない。調製元の閉店により、2014年7月限りで終売した模様。
5年ぶりの佐世保駅では、改札内に佐世保バーガー屋ができ、駅弁売店は改札外高架下の場末から、改札口からも見える南北自由通路の真ん中にブースを構える形に改善されていた。地形の影響か軍需産業の賜物か、県庁所在地でもない地方都市としてはとても珍しく、人が歩き店が開き、中心市街地や商店街が生きて活きていた。
※2014年12月補訂:終売を追記