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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

のり弁(600円)Noriben
2022年12月3日に三股町物産館よかもんやで購入 Dec. 3, 2022

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

これは駅弁でなく、JR日豊本線の三股(みまた)駅に隣接する店舗「三股町物産館よかもんや」で買えたお弁当。白いプラ容器に白飯を詰め、海苔で覆い、大葉を敷き、鶏肉のからあげ、チキン南蛮、チキンカツで覆い、たくあんを添えた惣菜弁当。調製元は三股市街で弁当も売る鶏料理専門店。人気の弁当のようで、まるで道の駅のような小売店で、よく売れているようにみえた。駅で消費。

三股駅は、都城駅の東隣の駅。宮崎県北諸県郡三股町の玄関口であるが、特急が止まるような駅でなく、駅員もおらず、駅弁もない。1970年代の西都城駅付近の連続立体交差事業に伴い、鉄道貨物施設が整備され、駅名を「東都城」に変えたが、1980年代の鉄道貨物の廃止により元に戻った。西都城駅には駅弁があり、三股町物産館は貨物施設の跡地にあり、駅や駅弁とのつながりがあるように思える。駅前には同じ日に訪れた都城駅や西都城駅より多くの車が出入りして、物産館の駐車場に吸い込まれ、賑やかなスーパーマーケットのようであった。

販売駅
日豊本線 三股(みまた)駅 1914(大正3)年2月11日開業 宮崎県北諸県郡三股町大字樺山
調製元
よかもんや 炭乃家 中西章 宮崎県北諸県郡三股町五本松3323−1 0986(52)7043 https://www.akiranokaraage.com/

【終売】鮎寿し(800円)Ayuzushi (end of sales)
2005年12月31日に延岡駅のコンビニキヨスクで購入 Dec. 31, 2005

掛紙 外観
掛紙 外観 外観 中身

延岡駅のコンビニで買えた商品。スーパーの惣菜向けなプラ製トレーに、鮎の姿寿司をひとつ、酢飯に大葉とアユの開きと昆布を貼り付けて8切れにカットしたものが横たわる。鮎は延岡の名物でもあり、かつて延岡駅が公式な駅弁販売駅であった1990年代まで、ここには鮎ずしの駅弁があったため、その後継品であるように感じた。今は駅では売られていない模様。

日豊本線の延岡駅〜宮崎駅では、1991年から高速化改良工事を実施、1994年11月に完成し、特急列車を毎時1往復に増発、所要時間が73分から60分に短縮された。延岡を企業城下町とする旭化成が、宮崎空港との間でチャーター運行したヘリコプターが1990年9月に墜落して乗員乗客全10名が死亡したことをきっかけに、24.6億円の事業費の半分を宮崎県が、2.9億円を旭化成が負担して完成した。加えて宮崎空港線も開業し、電車で延岡から空港まで行けるようになった。国からの補助金は1円も入らず、道路や空港の整備とは大違い。

販売駅
日豊本線 延岡(のべおか)駅 1922(大正11)年5月1日開業 宮崎県延岡市幸町3丁目
調製元
丸寿司 宮崎県延岡市安賀多町2−4−4 0982(34)2277

JR九州 都城(みやこのじょう)駅 JR-Kyushu Miyakonojo Station
2022(令和4)年12月訪問 GoogleMap「都城駅」

駅名標 駅舎 駅構内

宮崎駅から特急列車「きりしま」で1時間弱。都城市は宮崎県の南西端で盆地の中にある、人口約16万人の城下町。平安時代に日本最大級の荘園が拓かれ、鎌倉時代から江戸時代まで島津氏が治め城下町ができ、後に商業や畜産の町となる。駅弁は1915(大正4)年の創業から2002年頃まで売られた。1913(大正2)年10月8日開業、宮崎県都城市栄町。

【掛紙】牛めし(価格不明)Gyumeshi
調製年月日不詳

掛紙

1990年代のものと思われる、昔の都城駅弁の掛紙。デザインが東北本線郡山駅「磐梯牛めし」と酷似していたことが話題になった。今はどちらも駅弁屋ごと消滅。1970年頃に登場したこの駅弁は、2002年頃の駅弁屋の撤退により失われた模様。

販売駅
日豊本線 都城(みやこのじょう)駅 1913(大正2)年10月8日開業 宮崎県都城市栄町
調製元
みづま本店 宮崎県都城市妻ヶ丘町40街区3号 0986(22)0054

【掛紙】上等御辨當(35銭)Joto Obento
1925年8月調製

掛紙

1925(大正14)年8月の調製と思われる、昔の延岡駅弁の掛紙。内藤子爵銅像、五ヶ瀬川の遊郭、長浜の砂浜が描かれる。延岡駅の駅弁屋は、1923(大正12)年の創業、1942(昭和17)年の宮崎鉄道構内営業への統合、1953(昭和28)年の延岡駅弁当への分離、1957(昭和32)年の廃業と大分鉄道構内営業への引継と変遷し、1960年発売の鮎すしや1970年発売の鮎のかばやきべんとうが知られたが、1990年代後半頃に撤退した模様。

販売駅
日豊本線 延岡(のべおか)駅 1922(大正11)年5月1日開業 宮崎県延岡市幸町三丁目
調製元
福壽亭 所在地の記載なし 連絡先の記載なし

JR九州 真幸(まさき)駅 JR-Kyushu Masaki Station
2016(平成28)年10月訪問 GoogleMap「真幸駅」

駅名標 駅舎 駅構内

熊本駅や鹿児島中央駅から観光列車を乗り継いで約3時間。南九州へ初めて達した鉄道である肥薩線の、宮崎県内で唯一の駅であり、宮崎県で最古の駅。駅弁はなく、鉄道も駅前も寂れて久しいが、観光列車の発着に合わせて、物売りが出ることがあった。1911(明治44)年5月11日開業、宮崎県えびの市内竪。

【終売】おはぎ(200円)Ohagi (end of sales)
2006年1月29日にホーム上台売りで購入 Jan. 29, 2006

中身
外観 中身

真幸駅のプラットホームで買えた和菓子。プラ製の惣菜容器の中にビニールを敷いて経木の円盤を敷き、つぶあんのおはぎと青のりのおはぎを1個ずつ詰める。駅弁ではないけれど、駅弁がない無人駅での駅売り米製品ということで、勝手に駅弁と見なした。2004年3月の九州新幹線開業に伴い大幅にリニューアルした、肥薩線の人吉駅〜吉松駅で運行する観光客向け普通列車「しんぺい」「いさぶろう」の人気の上昇とともに、真幸駅のホームでの商品の販売が定着した。2015年頃までの販売か。

真幸駅は、宮崎県内で最古の駅。九州北部から鹿児島へ向けて線路を延ばす際に、八代からの南下ルートに海岸線沿いではなく山中が選択され、長大トンネルとスイッチバックとループ線を持つ山岳鉄道が、明治時代の末期に築き上げられた。その際に宮崎県を少しかすめ、真幸の駅が設置されたもの。列車も旅客も一息入れる停車駅だが、駅弁や駅売店が存在したことはないと思う。

駅名の縁起良さから、国鉄末期に入場券が人気を集めた。一方で1972(昭和47)年7月の土石流で駅と集落が呑み込まれ、まともな利用者がいなくなり、駅員も消えた。しかし九州新幹線の部分開業で観光列車が設定され、山のふもとの京町温泉から売り子さんがやってくる駅となった。2020年の新形コロナで5月から運休、7月の豪雨で不通となり、観光列車はそのまま消えてしまった。

※2023年2月補訂:終売を追記
販売駅
肥薩線 真幸(まさき)駅 1911(明治44)年5月11日開業 宮崎県えびの市内竪
調製元
ゆの花 おはぎ 宮崎県えびの市大字向江640−4 0984(37)0270

高千穂鉄道 高千穂(たかちほ)駅(廃止)Takachiho Railway Takachigo Station (abandoned)
2020(令和2)年3月訪問 GoogleMap「高千穂駅」

駅名標 駅舎 駅構内

高千穂町は、宮崎県の北端で九州山地の中に位置する、人口約1万人の門前町(鳥居前町)。日本の神話で天孫降臨の地とされる、有史以前からの伝承に基づく観光地。大正時代までに熊本と延岡を結ぶ鉄道が計画され、1972(昭和47)年7月に高千穂へ達したが、全通することなく豪雨災害で2005(平成17)年9月に不通となり、そのまま廃止された。廃線跡の一部で2010(平成22)年4月からカートが運行され、高千穂駅の駅舎や構内が使用される。駅弁は2003(平成15)年10月にトロッコ列車の乗客向けに発売されたが、鉄道の休廃止とともに消えた。1972(昭和47)年7月22日開業、2008(平成20)年12月28日廃止、宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井。

【終売】トロッコ神楽弁当 竹の子寿司(700円)Torokko Kagura Bento Takenokozushi (end of sales)
2003年9月13日に日本橋高島屋の宮崎物産展で購入 Sep. 13, 2003

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 外観 中身

2003(平成15)年3月に登場の高千穂鉄道トロッコ列車を記念し、同年10月1日に発売したと思われる、高千穂鉄道史上初の駅弁。但し乗車3日前までに弁当を注文したトロッコ列車の利用者にのみ発売されるそうで、実態は駅弁ではなく車内弁当。同年9月10〜16日の日本橋高島屋の宮崎物産展で先行販売された

竹の輪切りをそのまま駅弁容器にして、竹皮をかけて輪ゴムでしばり掛紙をかける姿は見ただけで雰囲気を盛り上げる。中身は竹の子を巻いた寿司が二個に延岡特産めひかりの唐揚げ、椎茸や人参等の大粒な煮物などで、容器と敷かれた笹の葉の香りに包まれて味覚嗅覚触覚に訴える。名駅弁となり得る実力を感じた。掛紙によるとホテルが製造し鉄道会社が販売する。

高千穂鉄道は宮崎県の延岡と高千穂を結ぶローカル線で、1980(昭和55)年の国鉄再建法により廃止対象線とされた高千穂線を、第3セクターの鉄道会社が1989(平成元)年に引き継いだもの。そのトロッコ列車とは、日本宝くじ協会の助成で2両の車両を導入して2003(平成15)年3月21日に運行を開始した、延岡・高千穂間の観光列車。

しかし高千穂鉄道は2005(平成17)年9月5日の台風14号に伴う豪雨で多くの鉄橋や線路が流失、直ちに全線が不通となった。復旧費用が出せないことから同年12月には廃線を決定、2009(平成21)年3月までに法的な手続きをすべて終えた。トロッコ列車の運行も当然に終了し、この駅弁も現在は販売されていないものと思われる。

被害が少ない区間での運行再開の動きは、2010年代にも何度か新聞報道がなされたが、それもいつしか消えた。まだ新しかったトロッコ車両2両はJR九州に売却され、改装のうえ日南線の観光特急「海幸山幸」に転用、普通車両のうち1両は徳島県の阿佐海岸鉄道へ移籍し、いずれも高千穂では見えなかった海を見ながら走った。2010年からは高千穂駅付近の線路と、自動車を改造した車両を使い、「グランドスーパーカート」として体験乗車できるようになっている。駅弁は復活していない。

※2023年2月補訂:現況を追記
※2012年2月補訂:路線廃止の記述を増強
※2006年2月補訂:路線廃止を追記
※2005年10月補訂:路線不通を追記
※2004年3月補訂:販売形態を追記
販売駅
高千穂鉄道 高千穂(たかちほ)駅 1972(昭和47)年7月22日開業 2008(平成20)年12月28日廃止 宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井
調製元
ホテル高田屋 宮崎県西臼杵郡高千穂町 0982(72)3118
高千穂鉄道 株式会社 宮崎県西臼杵郡高千穂町 0982(72)5033