ドイツ版新幹線「ICE」の食堂車で注文した料理。ランチョンマットを兼ねた紙製メニューや、1等車座席に備わるオーダーメニューでも写真入りで掲載されていたため、このときのおすすめメニューなのだろう。料理名は「レンズ豆のスープ」だそうで、陶製の食器にポテトやソーセージやニンジンやタマネギなどを刻んだものと、ダイズより少し大きな豆が、ビーフ味の茶色いスープで煮込まれていた。パンが付いて、ミニボトルの白ワインも注文して16.2ユーロ。
ドイツ版新幹線ICE(インターシティエクスプレス)は1991年6月にハンブルク〜フランクフルト〜ミュンヘン間でデビュー。以後は高速新線の整備や東西ドイツの統合を経て、ドイツ中にそのネットワークを拡大、スイスやオーストリアなど隣接6か国にも乗り入れている。白い車体に朱色の細帯を巻く丸い車体の機関車付き客車や振り子式電車や前面展望室付き電車や振り子式気動車には、ゆとりのある1等車と2等車、開放室とコンパートメント、レストランとビストロなどが備わる。
ごく一部の列車を除き予約は不要で、予約が入っていない席はすべて自由席。予約を入れない限りユーレイルパスなどの鉄道パスで追加料金という、隣国で角張ったライバルのTGVとは大違い。日本の新幹線からビュッフェも食堂も売店も個室も消えてしまった今日では、乗り鉄が世界で最も楽しめる高速列車ではないかと思う。
ドイツで第2の人口を抱えるバイエルン州での第2の都市の中央駅。古くからの交通の要衝であるニュルンベルクは、1500年前後には神聖ローマ帝国随一の交易都市として栄え、19世紀以降はドイツ有数の工業都市となり、第二次大戦の空爆で破壊された旧市街は戦後に歴史的な姿で再建された。ここはドイツで初めて鉄道が開業した都市であり、世界有数の鉄道博物館もここにある。1844年10月1日開業。
ドイツ国内でついに発見した欧州の駅弁。ではなく、ドイツで115年の歴史を刻む魚介類レストラン「NORDSEE」の惣菜屋で販売されている寿司。単独の冷蔵ケースに6、8、10ユーロと3種類あった商品のうち、最も高いものを選んでみた。惣菜向けプラ製容器を、ブランド名を印刷し食品表示を印字した紙製シールの帯で留める。「竹の香り」と袋に書かれた割りばしは日本向けのようで、「紙」のリサイクル識別表示まで付いていた。
中身は細巻がきゅうり、サーモン、カニカマ?、ツナ?で4種12個、握りがエビ、サーモン、アナゴ?、白身の何かの魚で4種5貫。魚型の醤油にワサビとガリも付き、中身の見た目は日本そのもの。米がペースト状で残念な感じだったが、それ以外は風味も雰囲気も日本の惣菜と何ら変わらない。あとちょっとで和風駅弁と呼べそうな感じだ。
ドイツで最初の鉄道は1835年12月7日、バイエルン州のニュルンベルクとその近郊のフュルトとの間、4.6マイル(約7km)の区間で開業した。1844年には州立鉄道がこの中央駅を開設、19世紀のうちに各方面への幹線鉄道が整備されたという。第二次大戦の空爆で旧市街ごと壊滅したが、後に歴史的な面影が感じられる現在の姿に再建されている。駅舎内は十字の吹き抜けに2層の店舗が面する中規模なショッピングセンターになっており、クリスマス休暇で大きなリュックやトランクを持つ旅客で賑わっていた。
ニュルンベルク中央駅の食品売り場で量り売りされていた惣菜。中身は炒飯。欧州で買ったので洋風な気がするし、米が長粒種であることを除けば日本と同じ風味を持つ気もした。もっとも、ここはジュースやサラダやサンドイッチのお店であり、飯のメニューはこれくらい。調製元はドイツならばどこにでもある惣菜チェーン店であるらしい。