1954(昭和29)年5月28日11時の調製と思われる、昔の上川駅弁の掛紙。大雪山国立公園層雲峡温泉と題する景色を描く。札幌や旭川と北見や網走を結ぶ列車が通り、大雪山国立公園や層雲峡への玄関口であった上川駅では、1932(昭和8)年2月から増屋が駅弁を販売し、後ににじます姿鮨が名物の駅弁となったが、1988(昭和63)年頃に撤退した。
札幌駅から特急列車「オホーツク」で約4時間半。北見市は北海道の北東部に位置する、人口約12万人の開拓都市。戦前は世界一のハッカの産地であり、現在も日本一のタマネギなどの畑作地帯であり、役所や大学や商業施設が集まる地域一番の大都市である。駅弁は駅開業の頃からの駅弁屋が2009年に撤退し、今はない。1911(明治44)年9月25日開業、北海道北見市大通西1丁目。
北見駅の幕の内駅弁。ボール製紙の汎用折詰容器に駅弁の名前と駅弁マーク、そしてJRのPRを印刷したシールを貼る。食品表示シールを、ふたを開けた裏面に貼る珍しい形態。中身は梅干が偏る日の丸御飯に玉子焼や焼売や煮物や帆立の他に、エビフライ、イカフライ、椎茸フライ、カニカマ揚げと、揚げ物の存在感が大きい内容。
北海道らしさの薄い幕の内駅弁は、過去に農業で発展したものの現在はデパートとシティホテルに商業と工業の大学や工場集積が見られる、札幌を除く北海道らしくない都会的な街の性格が出てるものだと考える。2009年3月限りでの駅弁屋の撤退により終売。調理担当社員が北見プラザホテルのシェフに転身し、名物駅弁「ほたて丼」の味を夕食で提供する宿泊プランをネット上に出している。
※2010年7月補訂:終売記事に追記経木枠のわっぱ型容器を、掛紙代わりのフィルムシールで留める。そのフィルムに春夏秋冬の文字と写真があり、「道東の四季折々の味覚を旬の時期にお送りします」と宣伝されているので、時期的に春バージョンを購入したのだろう。
中身は茶飯の上にカニほぐし身と錦糸卵を混ぜて敷き桜花をふたつ載せ、おかずは焼鮭に桜色海老団子やカニカマ揚げにミートボールなど、見た目や雰囲気が春らしい。同時にカニや鮭の存在感は強くなく、とにかくウニ・カニ・イクラ・ホタテ・シャケやニシンをどーんと前面に出す北海道らしい駅弁とは一線を画すタイプ。つまり旅行者が求める北海道らしさは薄いが、普通に見て風味が良い駅弁。
この駅弁は2009年3月限りでの駅弁屋の撤退により終売となった模様。
※2009年5月補訂:終売を追記昭和50年代のものと思われる、昔の北見駅弁の掛紙。国鉄の旅行キャンペーン「いい日旅立ち」の文字があることから、1978(昭和53)年以降のものだろう。公式なロゴマークを使わず、その前の「一枚のキップから」のロゴマークの文字だけ差し替えたのは興味深い。絵柄は下記の「一枚のキップから」と共通するも、位置や色付けなどが変えられている。
昭和50年代のものと思われる、昔の北見駅弁の掛紙。国鉄の旅行キャンペーン「一枚のキップから」のロゴマークがあることから、1977(昭和52)〜1978(昭和53)年のものだろう。北見にちなんだと考えられる5種類のイラストでできている。
昭和50年代のものと思われる、昔の北見駅弁の掛紙。国鉄の旅行キャンペーン「一枚のキップから」のロゴマークがあることから、1977(昭和52)〜1978(昭和53)年のものだろう。鮭を描いた、とても小さな紙片。