北海道の中心地の中央駅。札幌市は明治2年(1869年)に開拓使が置かれたことで北海道の行政の中心地として発展を始めた、人口約196万人の道庁(都道府県庁)所在地。その札幌市を代表する駅として、道内各地への特急列車や空港駅への快速列車など、多くの列車が発着する。駅弁は1階コンコースや2階ホーム上の各地に置かれる売店で、早朝から深夜まで買うことができる。1880(明治13)年11月28日開業、北海道札幌市北区北6条。
2010(平成22)年から毎年12〜2月に販売される、札幌駅の冬駅弁。今回に購入したものは2015〜2016年版で、二段重ねの容器の下段にタラの生姜飯、白飯の俵飯、白菜の和え物、小豆ようかん、上段にブリ山椒揚げ、蒸し鶏、タコ煮、牛肉のうま煮、玉子焼、飛龍頭(がんもどき)の炊合せ、ナガイモ磯部揚などのおかずを詰める。小粒で様々な具材を詰めて、かわいらしい高級感を比較的低価格にて提供した感じ。著名でシンプルな人気駅弁とは違った、駅弁の魅力と実力がある。
上記の札幌駅の冬駅弁「北海道三昧冬御膳」の、2013〜2014年版。名前や容器や価格やコンセプトは同じで、掛紙の色やおかずの種類がちょっとだけ違う。二段重ねの容器の下段に昆布の炊込飯、白飯と茶飯の俵飯、彩り煮豆、笹もち、上段にブリ魚醤漬け、鶏の胡桃揚げ、ホタテ入り豆乳蒸し、ツブやカボチャなどの炊き合わせ、玉子焼、海老とイカ団子、長芋の磯部揚げ、フキのピリ辛炒め、ししとう揚げ、きんぴらごぼうなどのおかずを詰める。これほど多種の料理を詰め、それでいて千円を切る価格に、北海道の食の豊かさを感じ、その整然とした風体に大都会を感じた。
2003(平成15)年から毎年9〜11月に販売される、札幌駅の秋駅弁。黒地に紅葉が印刷された細長い長方形の容器を、駅弁の名前と紅葉を描いた掛紙で巻く。中身は北海道産米ななつぼしの五穀きのことサンマ生姜の俵飯に、鮭と野菜の巣籠り、蒸し鶏、マイタケ天、玉子焼、カニ団子、野菜の炊き合わせ、さくら漬、カボチャようかん。北海道の食材がいろいろ使われているようで、煮物や焼物の内容も見栄えも秋らしく、御飯からおかずからデザートまで個性もある。
2007(平成19)年のJR北海道の駅弁コンテストで、夏の入賞を果たした駅弁。同じ名前の商品は2002(平成14)年から売られていた模様。黒塗りの容器に透明なふたをして、おしながきや割りばしを置いてから輪ゴムでしばり、駅弁の名前と花火のイメージイラストなどをデザインした掛紙を巻く。
中身はカニやイクラなどのちらし寿司と、鮭唐揚、鶏松風焼、イカ和え、昆布入り玉子焼、カマボコやししとうの揚げ物、ウナギ、マンゴープリンなど。酒のつまみには向かない感じだが、小粒ながら多種のおかずが詰められている。名前と見栄えで、なんとなく岡山駅の駅弁を連想した。
2006(平成18)年秋の新作か。10〜3月発売の冬季限定駅弁。キティちゃんが雪だるまになってスキーをする立体成型プラ容器を使う。中身はケチャップライスの上に玉子焼を広げてオムライスにして、その上にかにマヨ巻、キティ蒲鉾、たこウインナー、エビフライ、鶏落花生揚、帆立、カニ焼売、かぼちゃサラダ、枝豆、夕張メロンのカップゼリーなどで覆う。
中身に関係なく容器目当てに買われそうな駅弁なのに、これでもかというくらい多種多様のおかずを強引に詰めた、種類も分量も風味も充実の異色作。内容は子供向けというより中高生向けな印象だが、大人の腹も満たしてくれそうな気がした。2007〜2008年の駅弁大会シーズンを最後に終売か。
※2013年8月補訂:終売を追記2001(平成13)年頃に発売か。白御飯の上に鰻蒲焼を2切れ載せ、加熱機能付き容器に詰めて掛紙をかける鰻重。そこに地域の個性などないが、あらゆる面で北海道の中心である札幌の中央駅にはきっと必要な、駅弁のバリエーションを満たす役割を持つ存在。駅弁に必要な体裁を備えているし、味はうまかった。現存しない模様。
※2017年4月補訂:終売を追記2003(平成15)年12月1日から、翌2004(平成16)年2月29日まで、札幌駅と各地の駅弁大会で発売された期間限定駅弁。木目調の長方形の容器に朱色の掛紙を巻いて金色のゴムひもでしばる。中身は北海道米ほしのゆめと黒米の炊込御飯に、日本海のタコ親子煮、大根煮、サロマ湖のカキフライ、鮭白子蒲鉾、日高のホド芋と、瀬棚の天然寒ブリ焼漬。
そのメインディッシュの薄さや小ささは寂しいが、素材の価格が高いのだろう、その他の食材や全体的なコンセプトがよくできているし、実際に人気を集めていたし、焼ブリの香りは豊かだった。後に冬季限定駅弁として定番化、2007〜8年シーズン時点での価格は950円。その翌シーズンの2009年までの販売か。
※2017年4月補訂:終売を追記