札幌駅から特急列車で約1時間半。苫小牧方面行と長万部方面行と室蘭行の室蘭本線が集まる駅。駅弁は戦前昭和から1980年代まで鉄道弘済会が販売し、「はも弁当」が知られた。以後は駅弁のない駅であったが、2009年頃から地元の弁当や母恋駅弁が売店に入るようになった模様。1892(明治25)年8月1日開業、北海道室蘭市東町2丁目。
2017(平成29)年8月1日に東室蘭駅で発売。同駅のキヨスク「北海道四季彩館東室蘭店」のリニューアルオープンに合わせ、北海道の室蘭で昭和時代から親しまれるやきとりを題材に、市内の絵鞆半島の西端部で昼でもやきとりを食べられる居酒屋の弁当を開発し、木金土曜日に一日10個を売り始めた。
掛紙は居酒屋の暖簾の写真であり、その裏面で弁当と店舗を紹介。残り物の持ち帰りに使えそうな薄く赤黒いプラ容器に、白飯を詰め、豚肉とタマネギのやきとりを3本、うずらの卵串を1本並べ、豚肉の炒め物ですき間を埋め、漬物とタレと辛子を添える、ハイブリッドな豚丼。北海道の、函館や室蘭や根室のやきとりは、鶏肉でなく豚肉を使う。B級グルメの正しい味。
港湾と工業の都市であった室蘭で、昭和時代初期から市内で労働者に食べられていたモツや野鳥の串焼きが、畜産と豚肉の普及により安価な豚肉に置き換えられ、当時も今も北海道で栽培が盛んなため安く手に入るタマネギと合体したそうな。洋辛子の使用もこの特徴。今も市内の居酒屋で好んで提供されるほか、ご当地グルメの時代になり「室蘭やきとり」の名前が付いて、商業施設や観光施設で弁当としても買えたり、市役所や観光案内所が名物として紹介するようになった。