東京駅から新幹線はやぶさ号で約100分。仙台市は宮城県の中央に位置する、人口約110万人の城下町で県庁所在地。豊かな植生で杜の都(もりのみやこ)と呼ばれる、東北地方の首都として君臨する大都会。駅弁は明治時代から売られ、戦後昭和から平成時代に3社が競う日本一の激戦区であったが、JR東日本の子会社が駅弁売店を独占した2010年代からは活気がない。1887(明治20)年12月15日開業、宮城県仙台市青葉区中央1丁目。
2014(平成26)年の発売。10年ほど前に同じ名前と中身で同じ調製元が同じ駅で売っていた駅弁の再登場。中身はふたの写真のとおり、白御飯の上にソース漬けのトンカツを5切れに刻んで1枚置き、ニシン昆布巻、紅大根、ナスからし漬を添えるもの。メインのカツは衣が厚めで肉が薄めも、辛さや臭みがなく、食べやすいという意味で印象に残りにくいカツ丼。とても実用的な駅弁。2018年までの販売か。
※2023年8月補訂:終売を追記2015(平成27)年に限り販売か。商品名のとおりのヒレカツ弁当で、刻み梅をまぶした白御飯、5切れにカットされたひれかつ、ほうれん草パスタ、かぼちゃサラダ、きんぴらごぼう、小茄子からし漬。特徴がないのが心地良い、駅弁らしさのないところが機能的な、常温で普通に上質なトンカツ弁当だった。
2008(平成20)年に発売か。小柄な長方形の容器に透明なふたをして、豚と蔵王と宣伝文をデザインしたボール紙のふたをする。中身は白御飯の上に豚肉の味噌焼と生姜焼を貼り付け、カボチャと2色のピーマンを付け、ひしほ味噌を添えるもの。見た目に脂が浮いて少し臭う豚肉も、御飯と合わせて食べれば、しっとりしていていい感じ。「純・和豚(じゅん・わとん)」とは、宮城県刈田郡蔵王町の丸山グループが生産し主に仙台へ出荷される銘柄豚で、低カロリー・低コレステロール・高タンパク質を実現したヘルシーな豚肉なのだそうな。2011年までの販売か。
※2016年2月補訂:終売を追記2009(平成21)年の春頃に発売か。クリーム色のトレーを接着した円形の容器に透明なふたをはめ、中身の写真を掲載した茶色いボール紙の枠にはめる。中身は白御飯の上を高菜炒め、伊達ざくらポークの豚角煮、そぼろで覆い、煮玉子とニンジンとタケノコを添えるもの。2010年中に終売か。
角煮弁当を名乗るのに角煮が2個しか入っていないという感想はあるが、冷めてもうまく、見た目どおりの味で、分量もほどほどで、価格も控えめという、地味だけどハズレのない安心感のある駅弁。伊達ざくらポークについてはパッケージに宣伝文が書かれるが、実際には宮城県産のSPF(Specific Pathogen Free)豚(=特定の5つの疾患を持たない豚)のうち、宮城県大崎市古川の古川ミートの商品である模様。
※2016年2月補訂:終売を追記2006(平成18)年3月19日に発売。黒い長方形の容器に同色同素材のふたをしてゴムで留め、商品名と売り文句などを書いたホールが身の枠にはめる。中身は白御飯の上にささがきごぼうを敷いて、仙台味噌と吟醸酒粕で漬けて焼いた宮城県産「和豚もち豚」をベタベタと貼り、ニンジンと絹さやと舞茸を添え、うぐいす豆と長なす漬と紅大根甘酢漬を付ける。
新潟に似た名前の駅弁がいくつかあり、その後発ということでパクリ感を持たれるかも。しかし豚肉の淡泊だけど濃いめな味付けは、新潟より良い味が出ている。紙枠の底面には最近発売の駅弁3種が写真と解説文付きで紹介され、宣伝意欲や商売気もよく出ている。2006年中に終売か。
この駅弁で使った「和豚もちぶた」とは、1983年に群馬県の養豚業者が開発した国産ブランド豚。その開発元が今も生産から流通まで、中央集権的に管理しながら全国展開を図っている模様。
※2016年2月補訂:終売を追記容器に透明なふたをかけた簡素な容器で、掛紙はなくシール貼り。白御飯の上に千切りキャベツとトンカツを載せて、スライスレモンとパセリにミニトマトが入る、内容は一般的なトンカツ弁当そのもの。味は美味い宮城米にやわらかいトンカツと、仙台駅弁は期待を裏切らない。現存しないものと思われる。
※2005年12月補訂:公式サイトの閉鎖に伴いURLを削除。調製元の名称・所在地・連絡先も変更された可能性がある。