東京駅から東北新幹線で約50分。宇都宮市は栃木県の中央に位置する、人口約52万人の城下町で県庁所在地。工業都市として栄えるほか、二荒山神社の門前町や、餃子の町としても知られる。駅弁は明治時代から一貫して健在。駅弁の発祥地はここだという説がある。1885(明治18)年7月16日開業、栃木県宇都宮市川向町。
2016(平成28)年までに「JR宇都宮駅限定」の弁当として1,600円で発売か。「あったか弁当」という絵柄まである市販の加熱機能付き容器に、調製元と駅弁の名前を書いた掛紙を巻く。中身は白飯を牛肉煮で覆い、ネギで彩り、日光サーモン味噌焼、きんぴら、ゆば豆腐ナゲットを少々添える牛丼。
とちぎ和牛の牛肉煮は、加熱機能により温められ、赤身と脂身の香りをたっぷり楽しめ、同じく栃木県産という御飯が進んだ。宇都宮駅の本物の駅弁より高価な分だけ、肉の量も味わえる。調製元は現在の宇都宮の中心市街地で江戸時代の中頃に旅籠屋として創業した宿泊施設。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2006(平成18)年秋の新商品か。調製元では公式サイトで「2008年9月より販売」と紹介したが、下記のとおりその前の販売実績があるため、この姿になったのがその時期かもしれない。長方形の容器に、牛の鋭い顔を描いた赤い掛紙を巻く。中身は白飯を牛肉とごぼうの煮物で覆い、煮玉子と新生姜を詰め、タケノコと唐辛子の和え物に、小松菜と人参と椎茸の漬物を添えたもの。肉の形に丸みがあり、柔らかいようなごわついたような、牛丼チェーン店とも他の牛肉駅弁とも違うような、独特の雰囲気。同じ名前でも2015年や2007年に食べたものとは異なる牛肉駅弁のような気がした。
※2023年9月補訂:写真を更新し解説文を手直し2015(平成27)年7月18日に購入した、宇都宮駅弁の掛紙。大宮駅〜宇都宮駅の開業130周年と駅弁130周年により、2015年7月16日にリニューアル。当時の掛紙は赤くなく緑色だった。内容はおおむね同じだが、黒く固く締まった肉の印象はまるで異なる。2007年のものでは栃木名物を並べた付合せが、小松菜やタケノコ煮といった、どこにでもあるものに替わってしまった。
2007(平成19)年4月8日に購入した、宇都宮駅弁の掛紙。同じ名前を持つ上記の2015年や2023年のものとまったく違う。この発売当時の姿は、とちぎ霧降高原牛のモモ肉、肩肉、バラ肉を使った牛丼に、かんぴょう、ゆば、なすを添えていた。掛紙にはJR20周年のシールと、駅弁催事業者による「駅弁の達人」マークがある。
上記の駅弁「とちぎ霧降高原牛めし」の、加熱機能付き容器バージョン。御飯を牛肉のしぐれ煮か焼肉かと煮玉子1個、タケノコ煮、青菜類、生姜で覆う中身は、通常版と同じ。常温での味が普通に食べられる駅弁なので、温めたからといって味が変わったり良くなったりすることはない感じ。冬季の販売。
上記の駅弁「あつあつとちぎ霧降高原牛めし」の、2008(平成20)年時点での姿。中身は「とちぎ霧降高原牛めし」の、発売当時の姿と同じ。他の駅では通常版と加熱機能付き容器版で200円前後の差が付く価格までも、ここでは同じにしていた。コストの差を肉の量で調整したのだろうか。容器で中身を暖めることができるが、風味も同じである。
いわき駅などの駅の駅弁でも見たことがある、黒くて硬い正方形のプラ容器に、昭和の頃からありそうな絵柄の掛紙をかける。中身は白御飯の上に粒子の細かい牛そぼろと薄手の牛焼き肉が載り、ピーマン、ポテトフライ、人参、紅生姜を添えるもの。やや貧相な感じはあるものの、牛も飯も風味はいい感じで、食材の組み合わせも王道を行くので、B級グルメとして最上品。2008年に調製元が駅弁から撤退したため、この駅弁も終売となった。
※2009年3月補訂:終売を追記