東京駅から東北新幹線で約50分。宇都宮市は栃木県の中央に位置する、人口約52万人の城下町で県庁所在地。工業都市として栄えるほか、二荒山神社の門前町や、餃子の町としても知られる。駅弁は明治時代から一貫して健在。駅弁の発祥地はここだという説がある。1885(明治18)年7月16日開業、栃木県宇都宮市川向町。
2009(平成21)年2月15日に「スペシャルメンズ弁当」の名前で発売。プラ製容器に透明なふたをして、輪ゴム2本で留めたうえで商品名とお品書きと中身写真を載せたボール紙の枠にはめる。中身はコシヒカリの白御飯の上に「霧降高原豚のピリ辛味噌焼き」と「いっこく野洲どりの照り焼き」を載せて、「まぐろカツ」とわさび漬と柴漬けと赤いザーサイを添えるもの。
肉が栃木県産というだけで、掛紙で「とちぎの名物」と言い張ることには疑問を持つが、それらの肉の強さが個性的であり、名称に偽りなし。本当に本当に、肉々しい駅弁。価格は2013年の購入時で1,000円、2021年時点で1,100円。
※2021年3月補訂:値上げを追記2009年9月6日に購入した、宇都宮駅弁のスリーブ。この当時は掛紙ではなく、容器をこのボール紙の枠にはめていた。中身は2013年のものと、まったく同じ。
宇都宮駅の駅弁屋のカツサンド。水色チェックのプラ製トレーに、耳付き食パンを使ったソース漬けカツサンドを3切れ分詰める。サクサク感とふわふわ感と飾り気のなさがちょうど良い惣菜。駅弁売店で長らく見ておらず、現存しないと思われる。
※2023年11月補訂:終売を追記2018(平成30)年10月の発売は、JR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2018」へのエントリーのためか。四角い容器に白飯を詰め、トンカツを1枚置き、生姜を添える、中身がこの3点しかないシンプルな内容。豚肉に栃木県のブランド豚「とちぎゆめポーク」を使用、生姜に栃木県の岩下食品の「岩下の新生姜」を使用、そのためかどうか、トンカツ駅弁にしては値段がえらく高額である。酸味の強いソースカツ弁当。会期中の11月までの販売か。
2017年秋のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2017」にエントリーするために、同年10月から11月まで販売か。これはかつて、宇都宮駅でなく黒磯駅で1957(昭和32)年または1958(昭和33)年から2001(平成13)年まで売られた名物駅弁の復刻である。その当時のデザインの掛紙に、宇都宮駅の駅弁屋の表記を加える。「監修 タカギ(株)」の文字があるのは、当時の黒磯駅の駅弁屋である高木弁当の関係者か何かが絡んだものか。
昭和の駅弁でよく使われた、赤黒く薄手のプラ容器を、その掛紙で包み、ひもで十字にしばる。この容器に茶飯を敷き、豚肉の醤油煮とそぼろで覆い、タケノコ、かんぴょう、しいたけ、シメジ、きんぴら、ワラビ、紅生姜、小茄子漬、紅生姜を添える。きっと懐かしいものなのだろうが、当時を知らぬ者が食べれば、パサパサで野暮ったい豚肉弁当。黒磯でも時々、イベントで復刻販売されている模様。
ボール紙の惣菜弁当容器に白いトレーを入れる。容器や駅弁の名前は素っ気なく、中身も白御飯に千切りキャベツとヒレカツ6切れその他と言う具合でヒレカツ以外の見た目も味も素っ気なし。しかしメインのヒレカツは、作り置きなのにカラッとした衣に柔らかくサクッとかつジューシーなカツの食感が失われておらず、肉の香りが楽しめてソースなしでいただけるのはさすが。2008年に調製元が駅弁から撤退したため、この駅弁も終売となった。
※2009年3月補訂:終売を追記