東京駅から特急列車「しおさい」で約2時間。銚子市は千葉県の東端で太平洋に突き出る、人口約6万人の港町。全国有数の漁港として日本一の水揚げ高を誇るほか、醤油の生産でも全国有数。駅弁は国鉄時代の1970年代前後に存在、2012年から駅前弁当が数年間出現し、2018年に鯖寿司が進出した。1923(大正12)年7月5日開業、千葉県銚子市西芝町。
2010年頃に銚子プラザホテルの和食堂「廣半(ひろはん)」で発売されたサバの棒寿司について、2013(平成25)年までに発売の「極上鯖寿司」が、デザイナー仕様の掛紙を巻く紙箱に詰められて、2018(平成30)年3月に銚子駅の新駅舎にできたコンビニで売られるようになったもの。従前から道の駅や高級スーパー、銚子電気鉄道のイベントなどで売られたものらしい。
体裁としては、棒寿司が1本。酢飯に銚子産マサバを合わせた、魚肉ソーセージ3本分くらいの細身の棒寿司が、ラップに包まれ、透明な袋に密封され、ガリや醤油や割りばしなどとともに箱詰めされる。特許取得の熟成塩タレで調味したというサバ寿司はぷりっぷりで、新鮮な印象で、それなのに手にも味にも脂ひかえめで、酸味はほとんどなく、素晴らしいうまさ。価格は2019年時点で1,080円、2023年時点で1,200円、10月までに1,500円。
2019(平成31)年で水揚げ量約28万トンが9年連続で日本一となる銚子漁港では、サバもよく揚がるという。銚子市では2010(平成22)年から毎年11月から翌年1月頃に「銚子極上さば料理祭」を開催、サバ水揚げのうち1%しかないという、一尾700グラム以上の極上さばを使う料理が、市内の各店舗で提供される。
※2023年11月補訂:値上げを追記上記の商品「銚子の鯖寿司」の、焼きサバ寿司バージョン。青い包装紙が焼き色ないし醤油色になり、酢飯に丸々とした焼きサバを合わせる。ほどほどの脂の乗りと柔らかさが印象的。価格は2019年時点で1,080円、2023年時点で1,200円、10月までに1,500円。
※2023年11月補訂:値上げを追記上記の商品「銚子の鯖寿司」について、酢飯に柚子を混ぜたもの。青い包装紙が橙色ないし柚子色になり、風味に柑橘類の香りが加えられた。価格は2019年時点で1,188円、2023年時点で1,300円、10月までに1,600円。
※2023年11月補訂:値上げを追記2012(平成24)年12月12日に、銚子電気鉄道史上初の駅弁として発売。2009(平成21)年6月に犬吠駅で「さんまかば焼ずし」が出ていたという情報はある。鉄道会社に寄せられる駅弁希望の声を受けて、昭和50年代に仲ノ町駅の秋山駅長が、勤務時間中に調理して駅員や職員が食べる賄い料理として社内で好評だったメニューを、銚子市内の弁当業者に依頼して再現し、販売されたもの。駅では売らず、銚子駅から徒歩3分の観光商業施設「銚子セレクト市場」内での販売であり、電車の車内にもそのように掲示された。
各地の駅弁でもおなじみの長方形のプラ製容器に、白御飯を詰め、甘めの牛肉煮をぶちまけて、半身の煮玉子をふたつ置き、インゲンや柴漬けなどの付合せを添える。出自からしてグルメではない、ジャンクフードかB級グルメのたぐいであるが、その線ではよくできた味。車内での駅弁がいらないローカル線で、そして駅弁屋が定着しなかった銚子で、こうして販売が継続されているのも、観光客向けをコンセプトになんでもまるごと詰め込んで浮ついた味ではなく、地に足を付けたことが功を奏しているのではないかと思う。
この弁当は、新聞などで駅弁と紹介されているが、特定の駅を名乗らないし、掛紙や車内掲示を見ても「駅弁」とは書いていない。価格は2012年の発売時や2013年の購入時で550円、2014年時点で650円。日曜日には売らなかったという。2014年中に終売か。しかし以後もスーパーの駅弁大会に出てくることがあり、疑義駅弁として存在し続ける模様。
※2018年1月補訂:現況を追記