東京と日本の中央駅。東海道・山陽・東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線、東海道・中央・総武・東北の各線、山手線や京浜東北線などの電車が、一日あたり3000本以上行き交い、100万人以上の利用者で終日賑わう。駅弁はJR東日本やJR東海の子会社のもので約100種類とも、エキナカの商品を含め400種類以上とも、デパ地下の弁当を含め1000種類以上とも言われ、さらに全国各地の駅弁も集まり、こちらも日本最大。1914(大正3)年12月20日開業、東京都千代田区丸の内1丁目。
駅弁の名前は「WAGYUMAFIA ULTRA BENTO」(わぎゅうまふぃあうるとらべんとう)とも。2023(令和5)年7月12日に、東海道新幹線の東京、品川、京都、新大阪の各駅で発売。有名な実業家とシェフが東京都心でチェーン展開する会員制和牛専門店「WAGYUMAFIA(ワギュウマフィア)」のブランドで、青森県八戸の駅弁屋が調製し、ジェイアール東海パッセンジャーズが販売する、高級牛肉駅弁。5,500円もの価格は、イベント時に限らず予約も注文もなしに買える駅弁としては、2011年に東京駅で売られた「Le coffret(ル・コフレ)」(6,300円)に次ぐ高額か。これは昼間の品川駅の駅弁売店で、難なく買うことができた。
専用の真っ黒で小柄な紙箱に、酢飯を直に詰め、刻み海苔と尾崎牛や神戸牛のしぐれ煮を敷き、蒸しうに、イクラ、キャビア、玉子焼、きゅうりを同じような大きさできれいに散らす。名前とブランドから牛肉の駅弁に聞こえて、食べれば高級ブランド和牛が主役でなく、いろんな具が見た目でも味でも賑やかなちらしずし。値段でもコンセプトでも客を極めて狭い範囲で選ぶのだろう、高い不味いというレッテルが付けられがちな駅弁という弁当の中で、SNS上では悪口がなくて旨い美味いの絶賛だらけになっていて、これは駅弁の枠を外れて超えている感じ。
2020(令和2)年7月13日に東海道新幹線の東京、品川、新横浜の各駅で発売。米沢駅の駅弁屋である松川弁当店とジェイアール東海パッセンジャーズとのコラボレーション商品。米沢駅よりはむしろ東京駅やデパートやスーパーで見慣れた、米沢駅弁の牛肉弁当に見えて、これは上記3駅の限定商品であり、掛紙にも「東海道新幹線限定」と記される。掛紙の絵柄も、かつて東海道・山陽新幹線にあった食堂車をイメージしたものになっている。中身は白飯を米沢牛のカルビ焼肉、すきやき肉、そぼろで3等分に覆い、玉子焼、切り干し大根、玉こんにゃくを添える、高級牛肉弁当。
2015(平成27)年7月9日に東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪の各駅でリニューアル発売。生姜入りの炊込飯に牛たんの塩焼きを貼り付け、キャベツの酢漬け、玉子焼、甘辛味噌を添える。シンプルにして必要十分な牛タン駅弁。本場の仙台駅弁が厚切り牛たんの使用にシフトしてきているので、この浅く平たく脂の多くない牛たんの味は、ほっとする感じ。価格は2015年の発売時で1,150円、2019年時点でリニューアルのうえ1,260円、2022年1月27日から1,360円。
※2022年4月補訂:値上げを追記2019(令和元)年12月の発売で、従前の駅弁「牛ダブル焼肉重」を置き換えか。東京の駅弁でもおなじみの都内高級店料理人2名の名前と写真と、そのそれぞれが監修したという中身の部分写真が、駅弁の名前とともにふたに記される。中身は左に「ごまだれ牛肉ごぼう煮」、右に「赤ワインソースの牛焼肉」、中央にソース2カップとポテトサラダを詰めた、コンパクトな牛丼。青菜やブナシメジなどの具が多く、少なくなった牛肉の存在感は控えめ。形が似ても、肉々し過ぎた前作とはまるで異なるつくり。1年間ほどの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記2015(平成27)年7月頃に東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪の各駅で発売か。2016年に長円形の容器を四角くする、2019年8月に中身をシンプルにするリニューアルがされた模様。四角い容器に白飯を敷き、牛すき肉で覆い、焼き豆腐、結び白滝、ゆで卵、ネギ煮、紅生姜、唐辛子を添えたり載せる。なかなか甘めの味。刺激物を別添し、付合せのない内容は、個人的に好み。2019年頃までの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記2012(平成24)年3月22日に東京・品川・新横浜の各駅で発売、後に京都駅と新大阪駅でも販売を開始。真っ黒な容器に白御飯を敷き、仙台味噌入りだれに漬けた仙台黒毛和牛の焼肉を7枚置き、赤カブ酢漬、タクアン、いぶりがっこを詰める。東北と関係がない路線や駅で仙台を名乗り東北を感じる駅弁が出たのは、東日本大震災から一年を迎え東北応援の気持ちを込めたと、調製元のプレスリリースに書いてある。高いがうまい、うまいが高い。価格は2013年の購入時で1,500円、2014年4月の消費税率改定で1,540円。2015年までの販売か。
※2019年9月補訂:終売を追記2008(平成20)年の春頃に発売か。赤黒いプラ製トレーを、赤地黒塗りの容器に詰めて、商品名と浅草雷門などを描いたボール紙でふたをして、ラップで包んで食品表示ラベルを貼る。中身は白御飯の上に牛すき焼き肉と糸こんにゃくとタマネギ炒めを詰め、ピーマンと紅生姜を添えて、玉子焼と大根醤油漬も付けるもの。
本州ならどこにでもある牛肉駅弁や牛丼駅弁に、すき焼きの内容と風味をしっかり付けた、なかなかいける味。しかしJRCPも含めたJR子会社の牛すき焼き弁当は、なぜか駅弁屋のものとは違い、タマネギやコンニャクと肉を完全に分離して配置するため、すき焼きとしての風味の一体感には欠ける。
この駅弁は東京・品川・新横浜の各駅での販売。名古屋や京都・新大阪の各駅でも名前と価格と調製元が同じ駅弁があるものの、味付けを変えているそうな。ふたの絵も名古屋城になったり通天閣になったりする。価格は2009年の購入時で1,000円、2014年4月の消費税率改定で1,030円。2015年までの販売か。
※2019年9月補訂:終売を追記派手な外観のボール紙を容器に使う牛焼肉弁当。中身はピリ辛なタレをまとった薄手の牛焼肉をたっぷり入れて、もやし・ぜんまい・せり・からみ大根を添えて、コーン?が載る白御飯を詰める。パッケージに特段の記載はないが、風味と内容は完璧に韓国風。よく見ると食品表示ラベルに「ナムル」の表記があるし、パッケージの見本写真では肉を葉で包んでいる。辛さを増してパッケージを変えればソウル駅でそのまま売れそう。同じ駅で対決するNREと異なり、なぜ韓流ブームにあやからないのか不思議な存在。現存しない模様。
※2014年8月補訂:終売を追記「こだわりの鶏照焼き重」の姉妹品だが、キャンペーンの第二段以降の続報がないため、正確な発売時期は不詳。上記駅弁とまったく同じ意匠の包装、中身は薄く敷いた御飯の上に野菜炒めを載せて和風イコール醤油風味のタレを軽くかけた薄目の牛ステーキが5切れ載る。肉は「厳選やわらか牛」でイメージできるほど柔らかくはないが、この価格でそれなりの品質は確保していると思うし、野菜をたっぷり食べられる駅弁は希少だ。現存しない模様。
※2014年8月補訂:終売を追記トレーを入れた長方形の紙箱をラップで包む。表紙こそ下町の牛飯屋をイメージしたと思われる渋めのイラストが飾るものの、中身はサッパリ。比較的厚めで分量のある牛肉は固く、白御飯やタケノコやシラタキとの一体感はまるでなく、色彩面での配慮は皆無。薄味であることと分量が多いことにだけ利点を感じる、多種多様な旅行者が渦巻く巨大ターミナル駅にだけ存在が許されるタイプの駅弁。現存しない模様。
※2014年8月補訂:終売を追記