東京と日本の中央駅。東海道・山陽・東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線、東海道・中央・総武・東北の各線、山手線や京浜東北線などの電車が、一日あたり3000本以上行き交い、100万人以上の利用者で終日賑わう。駅弁はJR東日本やJR東海の子会社のもので約100種類とも、エキナカの商品を含め400種類以上とも、デパ地下の弁当を含め1000種類以上とも言われ、さらに全国各地の駅弁も集まり、こちらも日本最大。1914(大正3)年12月20日開業、東京都千代田区丸の内1丁目。
2014(平成26)年10月10日に東京駅などで発売。E7系は翌年3月の北陸新幹線向けの新幹線電車であるが、同年3月から当時の長野新幹線で営業運転を始めていた。2024年3月には北陸新幹線が金沢駅から敦賀駅まで延伸され、それを記念する文言がスリーブに追加された。
E7系電車の先頭車の形状を模したプラ容器を、駅弁の名前を三面に記したスリーブに収める。中身は鶏そぼろおにぎりと鮭おにぎりとウインナー、鶏唐揚、エビフライ、ポテトサラダ、ミートボール、ポテトフライ、カスタードケーキというお子様ランチ。この容器は販売者側にとって使いやすく売りやすいのか、台湾の台北駅や2018年のフランスのリヨン駅での日本駅弁の販売でも使われた。価格は2014年の発売時で1,300円、2022年6月から1,350円。
※2024年9月補訂:写真を更新2015(平成27)年1月31日に購入した、東京駅弁のスリーブ。上記の2024年のものと、だいたい変わらない。当時の中身は鮭おにぎりとツナおにぎり、鶏唐揚、海老フリッター、ポークウインナー、肉団子、ポテトフライ、玉子入りマカロニサラダ、パプリカ、大根漬、丸いプチケーキなど。E7系は2015年3月に延伸開業した北陸新幹線向けの新幹線電車であるが、その前の2014年3月から当時の長野新幹線で営業運転を始めていた。
上越新幹線の開業35周年を記念し、2017(平成29)年11月15日から1万個を販売。その掛紙には、開業時の200系電車と現在のE4系電車が、秋の稲作地帯ですれ違うイラストが描かれる。中身は小冊子まで付けて南魚沼産コシヒカリ100%使用をうたう日の丸御飯に、焼鮭、玉子焼、エビと鶏の揚げ物、お麩などの煮物。これは上越新幹線の定番として続けてほしくなる、上質な幕の内駅弁。
上越新幹線は1982(昭和57)年11月15日に、大宮駅〜新潟駅で開業。1971(昭和46)年11月の着工当時は、事業費4800億円で1976(昭和51)年度の開業予定であったが、オイルショックと東京や埼玉での新幹線反対運動で開業が遅れ、中山トンネルの出水事故で東北新幹線より半年遅れて、1.7兆円の事業費をかけて開業した。
急行が止まらない駅に新幹線を止めるなど新潟県内に5駅も設け、国鉄でなく鉄建公団が建設した、赤字新幹線、政治新幹線、田中角栄新幹線と批判された。一方で、首都圏と日本海をわずか2時間で結び、豪雪で在来線や道路交通が麻痺しても定時運行を誇るなど、基幹的な交通機関として活躍する。もっとも、羽越新幹線が実現せず、日本の経済成長が減速したことで、毎時1本か2本の列車で足りる高崎駅より北の各駅には、将来を見込みすぎて利用の予定がない線路やコンコースを持て余している状況にはある。
北陸新幹線の東京駅から長野駅までの開業20周年を記念し、2017(平成29)年10月1日から9日まで、東京、上野、新宿、大宮駅のNREの駅弁売店で販売。その掛紙には、開業時のE2系電車と、現在のE7系電車と、食材のシルエットが描かれる。中身はソースたれかつ丼、野沢菜と玉子そぼろの茶飯、マス信州味噌漬焼、シイタケとすり身揚げ、市田柿入りなます、きのこの炊き合わせ、玉子焼、クリ甘露煮、白豆など。長野県内をイメージした内容だという。
長野新幹線の高崎駅から長野駅までは、は2017(平成29)年10月1日で開業20年。公式な路線名は当初から北陸新幹線であったが、開業時はまだ北陸へ行かない路線であったことから、JR東日本は「長野行新幹線」の愛称を付けて案内、ほどなく「行」が消えて長野新幹線となった。2015(平成27)年3月の金沢駅への延伸で、長野の愛称の使用をやめている。
東北新幹線の開業35周年を記念し、2017(平成29)年6月17日から7月31日まで、東京、上野、新宿、大宮、仙台、盛岡の各駅のNREの駅弁売店で販売。その掛紙には、1982(昭和57)年6月23日の東北新幹線の開業時の路線図と停車駅と、東北新幹線を走った歴代の車両であるE5系、200系、E2系の顔写真を載せる。
東北新幹線が開業した1982年当時の沿線各地をイメージした料理を詰め合わせたという中身は、茶飯に牛たんと山菜を載せた牛たん丼、酢飯をサケ、イクラ、カニ、甘酢生姜、錦糸卵で覆った海鮮丼、笹かまぼこ、ホタテ貝ひものカズノコ和え、ニンジンと湯葉の煮物、ナス素揚げ、玉子焼、リンゴと若桃のシラップ漬。東北新幹線というよりは、仙台のみという感じの中身ではあるが、これはなかなかのうまさ。
掛紙の表面の右上にあるイラストは、2017(平成29)年3月4日から12月31日までのJR東日本のキャンペーン「新幹線YEAR2017」のもの。東北新幹線の大宮駅から盛岡駅までと、上越新幹線の大宮駅から新潟駅までが1982年開業、「山形新幹線」の福島駅から山形駅までが1992年開業、「秋田新幹線」の盛岡駅から秋田駅までと北陸新幹線(長野新幹線)の高崎駅から長野駅までが1997年開業、東北新幹線の盛岡駅から八戸駅までが2002年開業ということで、それから35周年、25周年、20周年、15周年であることにちなむ。だからイラストは、東北新幹線E5系電車、山形新幹線E3系電車、秋田新幹線E6系電車、東北新幹線か長野新幹線のE2系電車、北陸新幹線E7系電車の色と形を模している。
秋田新幹線の開業20周年を記念し、2017(平成29)年3月18日から25日まで、東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で販売。その赤い掛紙には、1997(平成9)年3月開業時のE3系新幹線電車と、現在のE6系新幹線電車の写真が使われる。
秋田にちなんだという中身は、秋田県産あきたこまちの日の丸御飯にいぶりがっこ、比内地鶏と長葱の照り煮、舞茸煮、飾り人参煮、ハタハタと玉葱の南蛮漬、くるみ入り胡麻豆腐、うに含め煮、敷き味噌、きのこの柚香和え、とんぶり、煮物のしょっつる仕立て、いんげん。たしかに秋田を思わせる食材を組み合わせていた。
5年前に下記の「秋田新幹線開業15周年記念弁当」が売られてから5年間で、秋田新幹線「こまち」向け電車はE3系からE6系にすべて置き換えられた。両者が同居した2013(平成25)年3月から1年間は、E3系電車を使うと「こまち」、E6系電車を使うと「スーパーこまち」という具合に、列車の名前が使い分けられた。
趣旨から2016(平成28)年3月の北海道新幹線(新青森駅から新函館北斗駅まで)開業の頃に発売か。折り畳めるプラ製の容器には、その車両の写真がプリントされる。ボール紙製のトレーに収まる中身は、醤油の味付飯に牛肉煮とホタテ煮を並べ、カニ、イクラ、カズノコ、大根桜漬を少々添える。前年の北陸と違い、北海道の食材を少し意識した感じ。1年間ほどは販売された模様。
JR北海道のH5系新幹線電車は、東北新幹線で2011(平成23)年にデビューしたJR東日本のE5系新幹線電車の色違い。新幹線やミニ新幹線の延伸で実質的に新型車両がデビューしなかったのは、1985(昭和60)年3月の東北新幹線上野開業や、1972(昭和47)年3月の新幹線岡山開業くらいで、とても珍しいと思う。製造4編成、使用2編成の小所帯で、運行区間のほとんどが東北新幹線であり、新函館駅以遠への延伸は十数年後、さらに事故と不正とマスコミの集中砲火で経営難に陥ったJR北海道の財政状況を反映したものか。
※2020年12月補訂:終売を追記趣旨から2015(平成27)年3月の北陸新幹線(長野駅から金沢駅まで)開業の頃に発売か。折り畳めるプラ製の容器には、その車両の写真がプリントされる。ボール紙製のトレーに収まる中身は、チキンライスを鶏唐揚、オムレツ、ポテトフライ、エビフライ、ミックスベジタブル、ウインナーで覆い、りんご味ゼリーを添えるもの。北陸や新幹線と何ら関係のない、茶色い色をしたお子様ランチ。値段によらず容器を買う駅弁とはいえ、価格の高騰に驚いた。調製元はなぜか、小田原駅の駅弁屋である東華軒。1年間ほどは販売された模様。
新幹線E7系電車は、2015年3月の北陸新幹線(長野駅から金沢駅まで)の開業への対応と、1997年10月の「長野新幹線」開業時からのE2系新幹線電車の置き換えのため、2014年3月ダイヤ改正で東京駅から長野駅までの「あさま」で走り始めた新型電車。E2系の8両編成から12両編成へ長くなり、グリーン車より高級で高額の「グランクラス」を備えたり、北陸新幹線で相互直通運転を実施するJR東日本とJR西日本との共同開発であることが、主な特徴。法令上及び政治的な理由で、北陸新幹線では列車の最高速度が時速260kmに抑えられており、それ以上の速度を出すため騒音基準との闘いになる「のぞみ」や「はやぶさ」の車両と違い、先頭の形状が無難にできている。
※2020年12月補訂:終売を追記趣旨から2014(平成26)年3月のE7系新幹線電車デビューの頃に発売か。ボール紙でその先頭車の特徴を再現した容器に、プラ製の細長い惣菜容器を二段に重ねて入れる。中身は下段はチキン弁当のケチャップライスにパインなど、上段はハンバーグやエビフライやポテトフライなどのお子様ランチ。同年内のみの販売か。
JR東日本のE7系新幹線電車は、北陸新幹線の長野駅から金沢駅までの開業に向けて作られたものだが、同区間の開業1年前である2014(平成26)年3月のダイヤ改正時から、東京駅から長野駅までの長野新幹線「あさま」で使い始めた。1997(平成9)年10月に開業した高崎駅から長野駅までも、公式な路線名称は北陸新幹線なので、金沢駅行きでなくても北陸新幹線で使い始めたといえる。17年の時を経て、従前のE2系新幹線電車の8両編成から、グランクラス付きの12両編成へ進化した。JR西日本も同型のW7系新幹線電車を製造する予定。
趣旨から2013(平成25)年3月の秋田新幹線スーパーこまち号の登場の頃に発売か。折り畳めるプラ製の容器には、その車両の写真がプリントされる。ボール紙製のトレーに収まる中身は、味付醤油飯の上に鶏照焼、きりたんぽ、マイタケやニンジンやカボチャなどの煮物、いぶりがっこなどを載せるもの。秋田やその駅弁でおなじみの具材が詰まる。
新幹線E6系電車は、1997年3月の秋田新幹線の開業とともにデビューしたE3系電車の後継として、2013年3月16日ダイヤ改正でデビュー。1年かけて徐々に交代するため、E3系の列車は「こまち」、E6系の列車は「スーパーこまち」と列車愛称を使い分けた。この措置は1年間で終了するため、「スーパーこまち」の名前も1年限り。つまりこの駅弁や容器の寿命も1年である。
2013(平成25)年4月10日から14日まで、東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」「駅弁屋 踊」で開催された、「『四月十日ハ駅弁ノ日』駅弁大会」に合わせてデビューした新作駅弁。その名のとおり、2013年3月16日のダイヤ改正で開始された、東北新幹線はやぶさ号の時速320km運転と、秋田新幹線スーパーこまち号の時速300km運転を記念するもの。よみがなで「いーごけいはやぶさこくないさいこうそくさんびゃくにじゅっきろめーとるあわーうんてんいーろっけいすーぱーこまちさんびゃっきろめーとるあわーうんてんきねんべんとう」で69文字もあることも、国内最高だろう。
中身は写真の上側が秋田にちなみ、比内地鶏の鶏飯、いぶりがっこ、菊花酢漬。写真の下側が青森にちなみ、鮭フレークとホタテ煮とイクラで海の幸のちらし寿司、イカ煮、はやぶさ号ロゴマーク形のニンジン、長芋揚げ煮、りんごシロップ漬。御飯だらけでバランスが悪く、もう一度食べたくはなりそうにない内容と風味だが、まあ記念駅弁ということで。
東北新幹線の最高速度の向上は、2005年にE954形新幹線試験電車「Fastech360S」を製造した頃には時速360kmでの営業運転を目指したが、諸般の事情で時速320kmに抑えてE5系新幹線電車を製造した。2011年3月のデビュー当初は時速300kmで走り始め、その当時は1年かけて、実際は東日本大震災の影響で1年延びて、この2013年3月から時速320km運転を開始。かつて夜汽車の距離であった東京と青森の間が3時間を切るとは感慨深い。しかし東京駅から大宮駅までは昭和の過激な新幹線騒音反対運動の遺産で時速110km以下、大宮駅から宇都宮駅までは何らかの理由で時速275km以下、盛岡駅から新青森駅までは法律上と政治的な制約で時速260km以下での運転となる。
東北新幹線開業30周年を記念した、2012(平成24)年6月限りの販売か。200系新幹線電車の先頭車を模してはいるが、ずいぶんぺたりとした形状のボール紙製パッケージの中に、太巻き寿司、鶏唐揚、チキンボール、サツマイモ、ニンジンやレンコンなどの煮物、小さなかまぼこと玉子焼、生姜酢漬などを詰めた細長い容器が収まる。中身や調製元に東北・上越新幹線は感じられないが、記念列車まで走らせたイベントに少々の花を添えた。
商品名のとおり、新青森駅から鹿児島中央駅までの新幹線の接続の1周年を記念し、2012(平成24)年4月1日から5月31日まで東京、品川、新宿、上野、大宮の各駅で販売された記念駅弁。掛紙にはその路線図のイメージイラストと、JR東日本E5系、JR東海N700系、JR西日本N700系7000番台、JR九州800系の各新幹線電車の写真でデザイン。路線図やストライプの4色は各社のコーポレートカラー。
松花堂タイプに仕切られた正方形の容器には御飯2区画と煮物類と揚げ物類。その内容は東日本エリアをイメージした芋子煮風煮物、深川飯、りんごシロップ漬、チェリーシロップ漬、東海エリアをイメージした味噌カツ、甘辛鶏唐揚、うなぎ蒲焼、西日本エリアをイメージした九条ねぎの酢味噌和え、たこ焼き、九州エリアをイメージしたさつま揚げ、明太子、桜島大根漬など。味も内容もごっちゃにでも、一食の駅弁にはなっている。
東北新幹線の全通は2010年12月4日。九州新幹線鹿児島ルートの全通は2011年3月12日。しかしその前日の東日本大震災の発生により東北新幹線が一部区間で不通となり、駅弁掛紙のルートで新幹線がつながったのは4月29日、本来の所要時間に戻ったのは9月23日となった。
秋田新幹線の開業15周年を記念して、2012(平成24)年3月頃から数か月間の販売。秋田新幹線の電車の写真をたくさん使った掛紙に包まれる木目柄の容器の中に、秋田県産あきたこまちの日の丸御飯、鮭塩焼、比内地鶏照焼、かまぼこやマイタケの天ぷら、サトイモやニンジンなどの煮物、いぶりがっこや山菜などを詰める。中身もある程度は秋田にこだわったようだが、そう感じさせないおとなしい幕の内タイプの駅弁に仕上がった印象。
秋田新幹線は1997年3月22日の開業。1992年7月に開業し山形空港を廃港の危機に追いやった山形新幹線と同じく、毎時1本の新幹線で秋田空港の羽田便が壊滅的な打撃を受けると考えられていたが、片道4時間程度の所要時間と鉄道料金の高止まりなどによるのか、開業前の6往復から例えば2012年現在で9往復とむしろ増便されている。
2011(平成23)年12月3・4日に東京駅で開催された、「東北新幹線全線開業1周年記念駅弁大会」で販売された記念駅弁。長方形の真っ黒な容器に、JR東日本の販売促進企画「行くぜ、東北。」柄の掛紙を巻く。中身はアナゴの混ぜ御飯、鮭いくらめし、ホタテやメヒカリのフライ、ニンジンやサトイモなどの煮物に笹かまぼこ、関東おでん、玉子焼とずんだもちなど。東京、福島、宮城、岩手、青森の各都県にこじつけた中身は、2010年12月4・5日にここでの駅弁大会で販売された「新青森駅開業記念弁当」の復刻だという。
東北新幹線は全通4か月目に東日本大震災に見舞われて1か月半も部分運休したが、八戸駅から新青森駅までの開業後11か月間の利用者数は245万人で、一日あたりで在来線特急時代の24%増だという。在来線特急の20m車での5両か6両編成が、新幹線の25m車での10両編成に変わったため、車内の見た目は空いているし、開業日に空席があったことが新聞でも報じられたが、今では団体輸送に限界があり繁忙期には積み残す在来線にないメリットが、実際にはきっと生じているはず。
東北新幹線はやぶさ号のデビューを記念して、2011(平成23)年3月5日に発売、5月頃まで販売されていた模様。赤地に黒塗りの容器に、E5系新幹線電車の先頭車、東京駅丸の内駅舎、リンゴをアイコン化したデザインの小さな手ぬぐいを巻く。
中身は酢飯の上を山菜、煮穴子、タケノコ、ホタテ、イクラなどで覆い、鮭塩焼、かまぼこ、玉子焼、帆立貝ひもとカズノコの和え物、タケノコサラダを添えるという、幕の内風ちらしずし。高価なりの具材の豊富さとボリューム感があった。まめぐいとは東京駅グランスタ内のミニてぬぐい屋の名前で、27センチ四方で手染めの布やこれを使った雑貨を販売しているお店。
趣旨から2011(平成23)年3月の東北新幹線はやぶさ号の登場の頃に発売か。折り畳めるプラ製の容器には、その車両の写真がプリントされる。ボール紙製のトレーに収まる中身は、ホタテ風味の味付醤油飯の上にホタテ煮4個、鮭フレーク、山菜、ニンニクの芽、イクラ、山ごぼう、山芋醤油漬などを載せるもの。味の濃さも北東北っぽい、分量ひかえめな弁当になっている。1年間くらいは販売したのだろうか。
この駅弁を買った日は東日本大震災の影響で、まだ東北新幹線が那須塩原駅から盛岡駅まで不通であり、はやぶさ号やE5系電車の運転はなかった。しかし「はやぶさ」に関する掲示類は駅構内にそのまま残っており、このような駅弁も買うことができた。4月29日の全線での運転再開に合わせて「はやぶさ」も運行を再開したが、徐行区間のため所要時間は震災前より約1時間多く、そのため割増の特急料金は「はやて」などと同じ金額に値下げされた。運行本数も東京駅と新青森駅の間で1往復を減らした全4本での復活。
※2020年12月補訂:終売を追記東北新幹線「はやぶさ」のデビューを記念して、2011(平成23)年3月5日に発売。同列車に使われるE5系新幹線電車の車体をデザインした専用のボール紙箱は、その底面に封入されるパーツを付けることで先頭車の形状を模したものに化ける。小さく透明なプラ製容器にはケチャップライスが一面に敷かれ、その上にハンバーグ、半熟玉子、鶏唐揚、エビフライ、ハッシュドポテト、ブロッコリー、マカロニ、ポテトサラダ、鳥形のニンジン煮、りんごシロップ漬、チェリー。
過去に出た新幹線先頭車型の容器を使う駅弁と同じく、これも中身はお子様ランチ。ボール紙製容器の組み立ては簡単で、「チキン弁当」のケチャップライスに「ポケモン弁当」のハンバーグなど、既存の駅弁で実績のある中身がしっかりしており、その分量も価格も悪くない。駅弁大会向け粗製濫造商品とは一線を画す、お子様連れでの新幹線旅行のお供になれる一品。2012年までの販売か。
E5系新幹線電車は、いわゆる名古屋新幹線訴訟を受けた世界一厳しい環境基準を時速320km運転で満たすため、先頭車は全長27mのうち15mがノーズとなり、先頭車の客室がとても小さなものになった。東京方先頭車である1号車は普通車として、中間車であれば最大20列を取る座席を6列分だけ取り、新青森方先頭車である10号車は、普通車で横5人、グリーン車で横4人取る座席を3人分だけ取り、これを6列並べて定員18名の仮称「スーパーグリーン車」、正式名称「グランクラス」としている。
JRのグリーン車より上級な座席は、昔の三等級制は無視するとしても、すでにJR九州が2005年10月から「DXグリーン」を設けている。しかし在京マスコミは少なくとも1988(昭和63)年4月の全駅全列車分煙化の頃からJR九州の施策を知らないか取り上げないようで、グリーン車より高級なグレードを初めて設けたと騒ぎ立てた。おかげでグランクラスは連日満席の賑わい。見学禁止のために係員を張り付けるほどの注目を集めている。
※2019年9月補訂:終売を追記掛紙に記載のとおり、2011(平成23)年3月5・6日に東京駅で開催された第13回東日本縦断駅弁大会で販売された記念駅弁。この駅弁大会そのものが、東北新幹線「はやぶさ」のデビューを記念したものである。真っ黒な長方形の容器に、「はやぶさ」用新幹線電車の写真をデザインした、その車体の色の掛紙を巻く。
中身は「深川めし」とあるアサリ炊込飯、「鮭はらこめし」とある鮭の混ぜ御飯、メヒカリ唐揚、ホタテフライ、しそ巻クルミ揚、アピオス(ほどいも)の素揚げ、ナスずんだ和え、梅しそ巻、ミズ生姜漬、笹かまぼこ、ナガイモやニンジンなどの煮物、南蛮味噌。その内容は「はやぶさ」停車駅である東京と仙台と青森にちなんでいると思う。しかしそれぞれの具材はNREの駅弁に普段入るものより味が落ちる感じ。掛紙があれば足りる記念駅弁ではあるが、今回はどうしたものか。
東北新幹線「はやぶさ」は2011年3月5日の登場。最高時速320km運転を目指す新型の新幹線電車「E5系」のデビューに際し、2009年3月に廃止された東京発着九州方面の寝台特急列車から列車名を召し上げて、この車両を使う列車に付与した。この日から東京駅から新青森駅まで2往復、東京駅から仙台駅まで1往復で運行を開始、将来的にE5系は東北新幹線の標準的な車両とするようで、「やまびこ」「なすの」は分からないが「はやて」はすべてこれに置き換わるという新聞報道がなされている。
東北新幹線「はやぶさ」のデビューを記念して、2011(平成23)年3月5日に発売。E5系新幹線電車の写真を焼き付けたアルマイト製の弁当箱を、その車体色やロゴマークに弁当名とデビュー年月日などを印刷したボール紙の枠にはめる。中身は日の丸御飯にじゃこ山椒ともろみ漬を添えて、おかずとして大きな玉子焼とサーモントラウト塩焼、ホタテ煮、タケノコとレンコンとニンジンの煮物、イカ煮、ミズ生姜漬、りんごシロップ漬を詰めるもの。
これはまるで9年前の「はやて弁当」のフラッシュバック。今回は中身の紹介がまったくないため、そのコンセプトは分からないが、鮭やタケノコや玉子焼がなんとなくロングノーズしている気がする。容器は数量限定とされ、5月頃までは販売されていた模様。この駅弁の購入日である3月6日付でNREは容器在庫切れのニュースリリースを出したが、タイミングが良すぎるので話題作りの確信犯なのではと思うところ。
山形新幹線400系電車の引退を記念して、2010(平成22)年4月1日から18日まで、東京、上野、大宮の各駅で販売された記念駅弁。購入品は電車の顔写真を8個も使った銀色の掛紙を使うが、他にもう2種の別デザインがあったそうな。
プラ製トレーを接着して透明なふたをかけた長方形の容器の中身は、白御飯の上に山形豚の味噌焼を貼り、こごみとレンコンをさらに貼り、山形産のジャンボマッシュルームの揚げ物も載せ、玉こんにゃくやおみ漬や赤かぶ漬を添えるもの。記念弁当であるから味や中身は二の次だが、若者向けで意外にいける。もし山形駅にもNREが進出してしまった際には、定番の駅弁にできるのではないかと思う。
山形新幹線は1992(平成4)年7月に東京駅と山形駅の間で開業し、1999(平成11)年12月に新庄駅まで延伸された。在来線である奥羽本線の福島以北で線路の幅を新幹線と同じ1,435mmに広げ、しかしトンネルの断面は広げられないので在来線と同じ大きさの電車を製造し、新幹線と在来線で乗り換えのない直通運転を実現したもの。山形駅までの事業費520億円のうち国が47億円を補助、山形県が46億円と山形市が9億円を出資した山形ジェイアール直行特急保有という会社が資金調達と施設整備と車両保有を担当し、JR東日本が会社へリース料を支払っている。
その際に製造されたのが写真の400系電車。新幹線の区間は交流2.5万ボルトを受電し時速240kmで、在来線の区間は交流2万ボルトを受電し時速130kmで走り、見た目は大きいが在来線特急と同じサイズに収めている。2008年12月から2010年4月にかけて後継のE3系電車に置き換えられて、掛紙記載のとおり4月18日運転の「つばさ18号」を最後に引退した。実は登場時と引退時で塗色が異なる。
下記の駅弁「はやて弁当」の通常版。中身はまったく同じで、箱のデザインも同じで、その材質がアルマイトではなくボール紙となっている。発売時の話題性が先行したものの、上質な内容は千円出して買う価値があると評判を呼んだ。2004年1月の終売という。
東北新幹線の八戸駅までの延伸開業に伴い八戸発着列車に付けられた新しい列車名「はやて」。1929(昭和4)年に当時の鉄道省が旅客誘致のために、従前は列車番号で呼ばれていた特別急行列車に愛称を付ける際に公募した名称の上位十傑で、現在までに唯一使用されたことがなかったものが「疾風(はやて)」であった。
産業や生活に悪影響を及ぼす暴風のイメージが敬遠されたとされているが、第一次産業の従事人口が1割を切るに到ると、最高時速275km(新線区間は260km)の速さを表現するのにふさわしい名前と判断されたようだ。近年に何度も風台風が津軽平野のりんごに壊滅的打撃を与えたのに、よくぞ青森県内初進出の新幹線列車名に採用できたものだ。
※2011年11月補訂:終売時期を追記東北新幹線の八戸駅までの延伸開業による新幹線「はやて」登場を記念して、2002(平成14)年12月1日に発売。大きな南高梅とゴマやじゃこを載せた御飯に、東京築地の玉子焼専門店が手作りしたという玉子焼、色鮮やかな紅鮭、大粒な帆立や野菜の煮物など、普通の駅弁にありふれた食材を高級志向にして詰める。
通常の紙箱入り「はやて弁当」の定価は1,000円だが、2万個限定でアルマイト製容器に入れた1,600円のバージョンを期間限定で発売し、これが大変な人気だった。いずれも容器には新幹線「はやて」型車両と月光仮面を描いたイラストを載せる。東京・上野・大宮・仙台・八戸の各駅と新幹線「はやて」車内での販売。