東京駅から新幹線で3駅35分。小田原市は神奈川県の南西部で相模湾に面する人口約19万人の城下町かつ宿場町。関東地方の西の出入口として、戦国時代や江戸時代に歴史の舞台となった。駅弁は明治時代に国府津駅で創業した、東海道本線では最古の駅弁屋が健在だが、実態はJRや小田急の子会社が近隣のものを含めた駅弁を集めて売る。1920(大正9)年10月21日開業、神奈川県小田原市栄町1丁目。
2018(平成30)年の春頃に発売か。竹皮柄の市販容器に、キンメダイと梅干しで型押しのおむすびが各1個と、焼サバ、鶏照焼、玉子焼、れんこん、漬物。必要最小限以上の内容と分量を持つおにぎり弁当で、同じ値段の小田原駅弁「おにぎりころころ」とは似て非なる仕上がり。価格は2018年の発売時や2021年の購入時で550円、2022年1月15日から580円、2023年6月から650円、2024年5月11日から680円。
※2025年2月補訂:値上げを追記2018(平成30)年11月11日に購入した、小田原駅弁の掛紙。上記の2021年のものと、容器も内容も値段も同じ。掛紙をよく見比べると、2021年の「金目鯛の有馬煮と梅干」が、このときは「金目鯛のしぐれ煮と梅干」であった。
下記の駅弁「おにぎりころころ」の、2015年時点での姿。鮭おにぎり、梅おにぎり、玉子焼、レンコンのきんぴら、たくあん2切れ、鶏照焼、シュウマイという中身はあまり変わらないようで、焼き魚が消え、黄色いタクアンは白くなり、丸っこい握り飯は大きく平たい型押し三角飯になった。パッケージの見栄えや構造がまるで違い、過去に買っていたことを思い出せなかった。2018年までの販売か。
※2023年8月補訂:終売を追記小田原駅のおにぎり軽食駅弁。最近に発売か。竹皮柄の小さなボール紙の箱に直接、商品名と値段や駅弁マークを印字、中身もこの箱に直接、梅おにぎり、鮭おにぎり、玉子焼、レンコン、焼き魚と焼鳥の小片に焼売を詰める。見栄えも風味も品川駅や羽田空港で見覚えがある都市軽食弁当も、厚さが6ミリほどある大きなタクアンが2切れ入る点がユニーク。
商品としては2008(平成20)年8月2日に発売。駅弁としては2011年1月の京王百貨店の駅弁大会と阪神百貨店の駅弁大会でしか売られていないのではと思う。ボール紙製でカレー色の専用紙箱の中に、透明な袋に密封される、ごぼうと牛肉が入った丸いカレーパンが3個収まる。単独で百貨店の催事場にも来る富士屋ホテルの総料理長が監修ということで、小柄であるがなかなかうまい。調製元は小田原の駅弁屋であるのに、パッケージに駅弁マークが付いていない。
神奈川県足柄地域の情報発信による地域活性化を目指し、地元の商工業者などで2008年に「金太郎プロジェクト推進委員会」が発足、プロジェクトの第一弾として、地元のヒーローである金太郎、地元産の足柄牛、金太郎の息子の金平(きんぴら)にちなんでゴボウを使い、この「まさカリーパン」が誕生した。以後「まさカリーライス」「黄金のPOT」等の商品を生んだ。
調製元のベーカリー商品販売終了により、2023年4月限りで終売。個別の袋入りでなく、このような箱入りの商品は、その10年前くらいになくなっていたかもしれない。
※2023年4月補訂:終売を追記2009(平成21)年1月に発売か。小柄な長方形の容器にボール紙でふたをして、実は中身を控えめに描いているオレンジ色の掛紙で包む。中身はひじき混じりのおいなりさんが3個分6切れと、三色の細巻を3つ束ねた「かざり寿司」が4切れ。
おいなりさんは無難な味。かざり寿司は見栄えこそ個性的だが、中身がタクアン、カンピョウ、広島菜ということで、飯に合わずにまずかった。こうやって駅で普通に買えたけれど、収穫報告がほとんどない幻の駅弁。2011年以降は販売されていないのではないかと思う。
※2014年7月補訂:終売を追記小田原の駅弁屋さんのサンドイッチ。中身はタマゴサンドが2切れ、ハムサンドが2切れ、ポテトサンドが2切れ、同じくポテトサンドで黒パンを使用したものが2切れ。他駅のサンドイッチ駅弁と比較しても水気が少ないので飲料は必須だと思う。新幹線小田原駅のホーム上の売店以外での販売を見たことがない。なお、2004年4月1日のリニューアルにより、レタスが挟まれるようになったとのこと。2015年時点でこのような箱入りサンドイッチは販売していない模様。
※2015年9月補訂:終売を追記上記のサンドイッチの、2007(平成19)年時点での姿。紙箱の中に6切れのサンドイッチが入る姿だけ同じで、外観や中身は一変、価格はやや上昇。属地不詳度が増した柄の窓開き紙箱に透明なプラ製パックを入れて、そこにラップを介して玉子サンド、レタスハムサンド、レタスポテトサンドが各2切れずつ入る。以前より近代化されたが、まだまだ昔懐かしいタイプと風味。
小田原・東華軒のいなりずし。土産物風のパッケージで、包装紙を破いてふたを開けると、いなりずしが5個とかんぴょう巻が4個入っている。名が体を表す期待通りの駅弁。
味も辛すぎず酸っぱすぎず、食感もなかなかしっかりしていて、駅ビルのテナントが売るいなりずしより明らかに上質。価格も納得。小田原駅弁は東海道線の平塚から熱海まで、時刻表に駅弁の記号が付く全9駅で販売される。2009年頃に「箱根黒糖稲荷寿司」へリニューアルされた模様。
※2014年7月補訂:終売を追記1932(昭和7)年5月24日14時の調製と思われる、昔の国府津駅弁の掛紙。まるで夏空の汽車に駅弁を立ち売りするような、爽やかな絵柄を持つ。1889(明治22)年7月の全通から1934(昭和9)年12月の丹那トンネルの開通まで、現在の東海道本線は熱海駅経由でなく後の御殿場線を経由しており、今の小田原駅の駅弁屋は国府津駅で創業し駅弁を販売していた。