東京駅から電車で約45分。大船駅のある鎌倉市は、神奈川県の東部で相模湾に面した、人口約17万人の古都。13世紀に幕府と呼ばれる武家政権がここを拠点とし、農漁村に戻るも明治時代に別荘地や観光地として再興、文人や要人が好んで住んだり訪れた。東海道本線が横須賀線を分岐する大船駅では、1898(明治31)年から大船軒が駅弁を販売、鎌倉の文人や駅前の映画撮影所の関係者に親しまれた。1888(明治21)年11月1日開業、神奈川県鎌倉市大船1丁目。
1997(平成9)年6月29日に発売した、下記の駅弁「さざえの浜ごはん」の姉妹品。「さざえの浜ごはん」と同じ容器に、マグロそぼろの混ぜ御飯の上にマグロの照焼を載せて、煮物類に付け合わせを添える。掛紙のデザインが秀逸でついつい手が伸びるが、大船軒の「鯵の押寿し」を除く駅弁は売り切れが早く昼過ぎ以降の入手が難しい。2003年4月25日に下記の駅弁「磯の浜ごはん」へリニューアル。
2003(平成15)年4月25日に下記の駅弁「さざえの浜ごはん」をリニューアルしたもの。以前と同じ楕円形の容器に白い掛紙をかける。中身は鶏そぼろが卵そぼろに、サザエ醤油煮がニシ貝醤油煮に変更された程度だが、前作では過剰なほど感じた磯の香りがすっかり消え、駅弁の名前からすればインパクト不足に感じる、口にも腹にも軽い仕上がりとなった。おそらく2008年4月に下記の駅弁「湘南浜ごはん」へのリニューアルで終売。
※2009年3月補訂:終売を追記上記の駅弁「磯の浜ごはん」を、2008(平成20)年4月にリニューアルか。中身と価格にほぼ変わりはないが、アサリに見えるニシ貝がアケ貝に変わり、煮物が大粒になり、なぜか鶏唐揚を加えた。いつもなぜ海藻をこんなに毒々しく染色するのかと思う。2009年までの販売か。
※2015年9月補訂:終売を追記1997(平成9)年2月15日の発売。発泡スチロール製楕円形の容器の中身は、マグロフレークとサザエの醤油煮とシソ味の海藻を載せた茶めしに、大根甘酢漬やわさび漬、鶏唐揚にごぼう・里芋・人参等の煮物とお多福豆が添えられる。名前のとおり磯の香りが強く、同時にいずれも味付けが濃く、食べ終わる頃には舌が痛くなった。2003年4月25日に上記の駅弁「磯の浜ごはん」へリニューアル。
駅のホームが横浜市と鎌倉市にまたがる大船駅。ドリーム交通モノレールの復活難航、鎌倉シネマワールドの閉鎖、JRの北口開設拒否によるバスターミナル整備の停滞といった問題を抱え、5方向に路線が出る駅の割には隣の戸塚駅や藤沢駅に比べて活気が少ないように思える。
2006(平成18)年3月3日のリニューアル。強度のない正方形の容器に木目柄の紙ぶたをかけ、以前と同じ絵柄を45度回転させた正方形の掛紙をかけて、紙ひもでしばる。中身は白御飯の上にまぐろフレークをかけて、まぐろ照焼、玉子焼、タケノコ磯部揚げなどを倒しかける。
雰囲気はプロが作った家庭のお弁当。前作と比べて150円も値上げされたものの、中身は見栄えも内容も分量も改善されており、こちらのほうが人気が出そう。ただ最近はマグロの価格が構造的に上昇してきているようなので、この価格と内容をどこまで維持できるか。2011年頃までの販売か。
※2015年9月補訂:終売を追記