新潟駅から白新線の電車で約40分。新発田市は新潟県の北東部に位置する、人口約9万人の城下町。稲作などの農業が盛んで、かつての陸軍や現在の陸上自衛隊の駐屯地であり、繊維業から工業が興り、新潟のベッドタウンでもある。駅弁は1910年代から1990年代まで売られたが今はなく、以前の駅弁屋の駅弁が今は新潟駅や新津駅前で売られる。1912(大正元)年9月2日開業、新潟県新発田市諏訪町一丁目。
1982(昭和57)年8月9日の調製と思われる、昔の新発田駅弁の掛紙。ここでは月潟村の郷土芸能「角兵衛獅子」(かくべえじし)の光景を描いた。今でいう小中学生の踊りなので、ここでは少女を描いたようにみえる。中身は新潟米コシヒカリを使った特製幕の内弁当。
1929(昭和4)年6月13日の調製と思われる、昔の新発田駅弁の掛紙。路線図に新発田城と安兵衛手植えの松を描く。安兵衛とは赤穂浪士の堀部武庸あるいは堀部安兵衛のこと。新発田藩溝口家家臣の中山家に生まれ、養子になったり江戸へ出たりした後、吉良邸討ち入りに参加し切腹に至る。この手植えの松は新発田市内の長徳寺に当時現存し、現在は1997年からの二代目がある。
1929(昭和4)年6月13日の調製と思われる、昔の新発田駅弁の掛紙。菅谷不動尊に加治川の桜花という、季節外れに思える絵柄が賑やか。調製元の長谷川は、大正時代までに新発田駅で駅弁を売り始めた構内営業者で、1944年頃に廃業したという。