東京駅から北陸新幹線で3時間強から4時間弱。敦賀市は福井県の中部で日本海の敦賀湾に面した、人口約6万人の港町。古代から大陸へ開かれた貿易港であり、明治時代には日本海側で初めて鉄道が通じ、今も港町の機能と雰囲気を備える。現在の駅弁屋は1903年から構内で営業、駅舎で棒寿司や押寿司などを販売する。1882(明治15)年3月10日開業、福井県敦賀市鉄輪町1丁目。
1900年代あるいは大正時代から販売されている、敦賀駅で伝統の駅弁。古くは「きすずし」や「きすたいずし」を名乗った時期がある。かつては経木でできていた、板紙に菱形の枠を貼り付けた容器に、立方体にカットした小鯛の押寿司を12個分並べる。ふんわりとしたタイの身と、程良い固さの酢飯が一体となり、口の中でしっかりと味と香りを出す実力派。
2003(平成15)年1月10日に購入した、敦賀駅弁の箱。当時は「元祖鯛鮨」の折箱を収める紙箱について、折箱の形に合わせ、四隅の角が落とされていた。この形状は昭和時代からのものであった。
1980年代に使われたのではないかと思われる、昔の敦賀駅弁の箱。上の約20年後と、おおむね変わらない。
敦賀駅の名物駅弁「元祖鯛鮨」の高級バージョン。中身と分量は元祖鯛鮨と同じで、容器が木箱となり、タイの身もある程度分厚くなっているものと思われる。自分で食べるだけなら元祖鯛鮨で十分かもしれないが、土産物として高級感を出したい場合にはこちらのほうが確実に見栄えがするだろう。2004年度JR西日本「駅弁の達人」対象駅弁。価格は2013年の購入時で1,350円、2015年時点で1,390円、2016年時点で1,600円。
※2020年5月補訂:値上げを追記2004年7月26日に購入した、敦賀駅弁のボール紙製パッケージ。容器と中身と味は2013年のものと同じで、パッケージの絵柄が異なる。
2013(平成25)年5月19日に購入した、敦賀駅弁の掛紙。同年の北陸本線全通100周年を記念し、敦賀駅弁「鯛の舞」のパッケージに掛紙を巻き付けて販売。掛紙にはパッケージの意匠に加え、蒸気機関車C5746が牽引する列車、485系電車の特別急行「雷鳥」、683系電車の特急列車「サンダーバード」の写真が印刷されている。
北陸本線は、滋賀県米原市の敦賀駅から新潟県上越市の直江津駅までの間、353.8kmを結ぶJR西日本の鉄道路線。まずは現在の東海道本線から日本海へ向けて、1882(明治15)年3月に長浜〜敦賀〜金ヶ崎(後の敦賀港)で開業、以後は福井、小松、金沢、高岡、富山、魚津、泊、青海そして直江津から名立、糸魚川と延伸を重ね、1913(大正2)年4月1日に全通した。地滑りや雪崩そして地震でたびたび被災する難路は、主に1960年代に大規模に改良されて複線電化の幹線鉄道に変貌した。
2014(平成26)年1月の京王百貨店の駅弁大会で販売された復刻駅弁。以後の京王百貨店の阪神百貨店の駅弁大会でも売られている。昔ながらの経木折を、第二次大戦前のものと思われる駅弁掛紙の絵柄を取り入れた掛紙で包む。中身は現行の駅弁「元祖鯛鮨」や「鯛の舞」と同じ。笹の葉が本物でなくビニールシートなので、経木折を使う意義がない。ここの塩気と歴史のある鯛鮨は、何度食べてもうまいと思った。価格は2014年の購入時で1,000円、2015年時点で1,030円。
※2020年5月補訂:値上げを追記2021(令和3)年1月の阪神百貨店の駅弁大会で販売。パッケージに「「復刻駅弁元祖鯛鮨」が再登場」と書いてあったため、上記の復刻版を売り止めて、これに置き換えたのだろう。同じ絵柄が使われているように見えて、地紋が濃くなり、構造が掛紙からボール紙のパッケージに変更されている。中身はタイの押し寿司のままながら、正方形12個分が9個分に減り、すき間を空けて斜めに並べられていた。値段は逆に上昇。2022年10月には日本鉄道構内営業中央会の鉄道開業150年記念復刻駅弁企画により、同月から期間限定で販売された31社34駅弁のひとつとして、敦賀駅にて1,200円で1か月間売られた。
※2023年4月補訂:再販を追記2013(平成15)年の秋までに発売か。その名のとおり、炙ったマス(サーモン)寿しを5個、敦賀駅弁の元祖鯛鮨を4個、加えて高菜巻を1個、プラ製トレーのくぼみにはめて、ガリと醤油を加え、名前と中身の写真を印刷したボール紙の箱に詰める。詰め方は味気ないが、味は確か。伝統の元祖鯛鮨に、トロトロで脂の乗る炙りマスに、モチモチ感を詰め高菜巻。価格は2014年の購入時で1,030円、2019年時点で1,100円、2020年時点で1,180円。
※2020年5月補訂:値上げを追記敦賀駅弁の主力商品「荘兵衛さんの鯖街道さばずし」の、サバがタイに変わったもの。酢飯の上に鯛の身を敷いて、抗菌シートとともにラップで巻いてから笹の葉で包み、針金で止めて化粧箱に入れる。うまみも強いがクセも強いので、万人受けはしないと思う、高品質で高価格な土産物系棒寿司駅弁。通信販売対応商品。価格は2004年の購入時で1,500円、2014年時点で1,550円、2020年時点で1,700円。
※2021年3月補訂:値上げを追記2016(平成28)年9月に「ますづくし」とともに、北陸自動車道や名神高速道路のサービスエリアで発売。12月頃から東京駅や駅弁催事に顔を出すようになった模様。中身はタイ押寿司とタイ飯のセット。立方体の押寿司はプラ製の仕切りトレーにより見栄え良く整列し、タイのフレークと切り身を乗せた御飯も正方形トレー内で美しく、アサリとコンブの和え物とワカメの酢の物を添付。味はいずれも淡く控えめで、少々の高級感を備えていた。2018年頃までの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記