金沢駅から普通列車で3駅12分。JR北陸本線を2015(平成27)年3月に転換したIRいしかわ鉄道が、JR七尾線を分ける駅。駅弁は2000年頃までに失われ、かつては立売が実施されていた百年の歴史を刻む鉄道銘菓「きびあんころ」も、2017(平成29)年に駅からは失われた。1898(明治31)年11月1日開業、石川県河北郡津幡町字南中条。
1903(明治36)年の発売。津幡駅で百余年の歴史を刻んだ鉄道銘菓。餅米を使い、きび粉を練り込んだ小さなあんころもちが9個、竹皮に十字に包まれて、ひもで十字にしばられる。百年前から同じ製法で作られていることが売り文句。全国的にも北陸地方でも知名度は薄いと思うし、鉄道雑誌や駅弁紹介本でもほとんど取り上げられないものの、地元と駅に深く根付いた銘菓だと思う。
価格は2009(平成21)年の購入時で350円、2017年時点で370円。昔は立ち売りで、かつてはホーム上の立ち食いそば店で売られていたが、2014(平成26)年のキヨスクの閉店で駅から撤退、さらに2017(平成29)年4月頃に調製元が休業し製造をやめた。2018(平成30)年4月にプラ製パック入り6個280円で販売が復活したという。駅でなく、津幡町内にある「道の駅倶利伽羅源平の郷」とスーパー「カジマート」みなみ店で売られる模様。
加賀地方ではかつて、このようなあんころもちが各地で作られており、鉄道の開通で駅売り商品にもなり、過去には津幡駅よりも松任駅のものが有名だったそうな。金沢駅の「柳餅」は札幌駅の鉄道銘菓「柳もち」になったことが、札幌駅立売商会の公式サイトで紹介されている。
※2018年6月補訂:復活を追記東京駅から北陸新幹線で約3時間。小松市は石川県の南部で日本海に面する、人口約10万人の工業都市。同じ名前を持つ世界的な建設機械メーカーの企業城下町であり、駅前では巨大な建機が展示される。小松駅に駅弁屋はいないが、駅の売店で近隣の駅弁が売られたり、地元の弁当が入荷することがある。1897(明治30)年9月20日開業、石川県小松市土居原町。
小松の駅と空港で売られる土産品。酢飯にサバとサケとエビとタイを合わせた、棒状というよりはむしろ筒状の棒寿司を、ラップで巻き、竹皮で包み、透明な袋に入れ、ボール紙の箱に収め、掛紙を巻く。中身は掛紙の写真のとおり、具の境界によらずカットされる。具も酢飯も輝き、身は薄いのに味と香りが適度に乗り、掛紙の厚さも含めて、とてもしっかりした製品だと感じた。調製元は小松市街で戦前昭和に創業した寿司屋。
金沢の市中の土産物系お弁当か。紙箱の中に和紙風ビニール袋で密封したトレーが入り、そこに北陸系の詰まった酢飯が正方形で具が小さい笹包みの押寿司が6個入る。冷蔵して食べることを勧めるしおり付き。どこかの駅弁で、これとほとんど同じデザインのパッケージを見たような気がする。