新宿駅から特急列車で2時間強。茅野市は長野県の中央部にある、人口約5.5万人の工業都市。白樺湖や蓼科やいくつかのスキー場を抱える観光地でもある。駅弁は上りホーム上で小淵沢駅のものが売られる。1905(明治38)年11月25日開業、長野県茅野市ちの。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2022(令和4)年秋の新商品か。中身を写真で解説した専用のボール紙箱に収めた、プラ製トレーの細長い5区画それぞれに、笹の葉をカットして敷き、酢飯を置き、鰻と玉子、牛肉とわさび菜、蟹、野沢菜ときんぴら、海老と椎茸を載せて、甘酢生姜とすずらん餅を添える。
この名前と姿に、昭和時代の長野駅の名駅弁「川中島合戦笹ずし」を思い起こした駅弁ファンは、少なくないと思う。これはそれと違い、現在の長野県や新潟県に伝わる郷土料理の笹寿司とは、形と具で似て非なるもの。発売は話題にならず、茅野駅や小淵沢駅で買えたという話も聞こえず、来年の今頃に存続しているかどうか。
2021(令和3)年9月の発売か。茅野駅の駅弁とされ、信州の文字を入れ、しかし小淵沢駅の駅弁屋の駅弁で同駅でも売られ、それよりも主にスーパーの駅弁大会や東京都内でよく売られる感じ。JR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2021」にエントリー。スリーブの市松模様は、2020(令和2)年の映画の公開と興行収入の記録更新でいよいよ日本中で話題となった、吾峠呼世晴の漫画作品「鬼滅の刃」の影響を受けたものにしか見えない。
内容は普通の牛肉駅弁で、飯を肉で覆い、玉子焼、わさび菜の醤油漬け、大根桜漬を添えるもの。御飯がわさび菜入りの青しそ御飯で、肉は牛炭火焼肉で、緑色の濃淡と「おとなの」の接頭辞をこれらで説明するのだろう。ワサビ風味の牛焼肉丼。牛肉駅弁で肉の量をケチらないのは、小淵沢駅弁の特長だと思う。価格は2021年の購入時で1,180円、2022年6月から1,200円、2023年時点で1,280円。
※2023年6月補訂:値上げを追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2008(平成20)年秋の新商品か。小淵沢駅の駅弁催事生まれの人気駅弁「甲州かつサンド」の派生商品と思われ、その千切りキャベツを野沢菜炒めに差し替えて、ボール紙の容器の絵柄を変えている。間違いなく野沢菜が挟まれるのに、味はまったくのトンカツサンド。価格は2008年の発売時で600円、2015年時点で650円、2017年時点で680円、2020年時点で720円、同年9月から750円、2023年時点で780円。
※2023年6月補訂:値上げを追記2020(令和2)年2月の鶴屋百貨店の駅弁大会で実演販売。掛紙の絵柄は上記の通常版と同じで、トンカツのソース漬けと野沢菜を耳あり食パンに挟む内容も通常版に似ていて、その分厚さが通常版の倍くらいある。ひとくちでは絶対に食べられないと思う、おそらく催事専用商品。
2008(平成20)年1月14日に購入した、茅野駅弁の紙箱。中身は上記の2017年のものと同じ。当時の紙箱には、おばあさんでなく、おっさんが描かれていた。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2012(平成24)年秋の新商品として、9月21日に発売。主にスーパーやデパートや日本レストランエンタプライズ(NRE)などの駅弁催事向けに出荷されているようだが、現地での販売もある模様。黒い掛け紙に包まれた、やや小柄な容器には、茶飯の上に鶏照焼がたっぷり載り、ししとう、にんじん、玉子焼、赤かぶ漬を添える。
さらに添付される塩こうじをかけると、そのまま食べればほぼ無味な鶏肉の味が引き立つ。そういう商品設計ならば、扱いにくいカップよりは、他の駅弁でタレを入れるようなボトルに塩こうじを入れてもらえると助かった。駅弁大会シーズンの終わりをもって、半年間で終売か。
※2015年9月補訂:終売を追記2008(平成20)年3月1日の発売とされる、茅野駅の駅弁としてスーパーの駅弁催事で販売されていた商品。楕円形の容器に透明なふたをして輪ゴムで留め、中身の解説イラストと商品名を書いたボール紙の枠にはめる。中身は五目飯の上にタケノコ焼と菜の花と姫竹と花豆を載せ、サワラ西京焼、カマボコ、ゴボウやシイタケなどの煮物、梅タケノコ、桜寒天餅を添えるもの。
おかずこそ駅弁の濃い味だったが、御飯とその上の具は風味が柔らかい。特に御飯の柔らかさとうまさは、これだけ食べてもいい感じ。収穫報告はイトーヨーカドーの駅弁催事でのものしか見あたらないが、現地ではいつどこで売られているのか。そもそも茅野駅では駅弁が売られているのだろうか。価格は2010年の購入時で880円、2015年時点で900円。2015年頃までの販売か。
※2020年5月補訂:終売を追記