名古屋駅から特急列車「ひだ」で約1時間半。金山は2004(平成16)年まで単独で町制を敷いた宿場町。かつては美濃と飛騨の国境に集まる物資で賑わい、鉄道の開通で機関区の駐泊所が置かれた。駅弁は昭和初期から売られ、「飛騨の栗こわい」などの名物駅弁を擁したが、2001(平成13)年に終売。1928(昭和3)年3月21日開業、岐阜県下呂市金山町大船渡。
名古屋駅から特急列車「ひだ」で2時間弱。下呂市は岐阜県の中部に位置する、人口約3万人の温泉町。日本三名泉のひとつに数えられるという温泉で賑わう。駅弁はかつて、飛騨金山駅と同じものが売られたが、2001(平成13)年に終売。1928(昭和3)年3月21日開業、岐阜県下呂市金山町大船渡。
1963(昭和38)年頃に発売。この名前により、1990年代までの鉄道雑学本には必ず登場した有名な駅弁。何も怖くはなく、この地域ではおこわを「こわめし」や「こわい」という。栗型というよりイチゴ型に近い木製容器の中に栗おこわが6つ、付け合わせとしては分量豊富な山菜や漬物とともに収められている。箸袋には食塩が入る。おいしく食べやすいため食後は物足りなさを感じるが分量は多い。2001(平成13)年9月末で駅弁業者が撤退し、販売が停止された。
飛騨名物の笹寿司が、そのまま駅弁に。長方形の発泡スチロール製容器に笹の葉が敷かれ、甘めの酢飯の上にます甘露煮、紅鮭、しめじ、ふきのとう、おぼろ昆布と生姜が載り、木のフタで押さえている。具の配置の乱雑さは、緻密な北陸の押寿司駅弁とはだいぶ雰囲気が異なる。2001(平成13)年9月末で駅弁業者が撤退したため、駅弁としては失われたが、土産物として市内で他社同等品の入手は可能である。
1987(昭和62)年に発売された、平成一桁代の鉄道雑学本には必ず登場した珍名駅弁。市販の弁当箱のようなひょうたん型のプラスティック製容器に、ふわふわ卵焼きときゅうりが巻かれた妙な巻きずしに、飯とウナギ蒲焼きの間にやっぱりふわふわ卵焼きが敷かれた妙なうな重が入る。巻き寿司だから「まきちゃん」で、駅弁らしくない駅弁を作りたいという調製元のセンスが「ミョーナ」であった。2001(平成13)年9月末で駅弁業者が撤退し、販売が停止された。