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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

(姫路駅幕の内辨當)(1,200円)Himeji-eki Makunouchi Bento
2012年9月17日に博物館明治村の食堂で購入 Sep. 17, 2012

掛紙 中身
掛紙 掛紙 外観 外観 外観 外観 外観 中身 中身 中身

愛知県犬山市のテーマパーク「博物館明治村」での企画催事「明治のりもの博」の開催に伴い、村内(施設内)の食堂で復刻販売した、かつての姫路駅の駅弁。この弁当の調製元であると思われる地元のホテルの名を記した和紙風風呂敷に包まれる、発泡材枠な正方形二段重ねの容器の中身は、下段が五目飯と日の丸御飯、上段がかまぼこ、有頭海老、伊達巻、サトイモやタケノコやナスなどの煮物、きんとんなど。

1889(明治22)年に姫路駅で初めて出現した幕の内駅弁は、現在も姫路駅の駅弁屋である調製元からも時々販売されている。それとこれで味はともかく中身がだいぶ異なると思うが、まあ「近いものを再現」したということで気にしない。

博物館明治村は名古屋鉄道が、その中興の祖である土川元夫の夢と力で、愛知県犬山市内で江戸時代初期に築造された農業用溜池である入鹿池のほとりの約15万坪の緩斜面に、約10億円をかけて設けたテーマパーク。日本の第二次大戦後の高度経済成長に伴い失われつつあった明治時代の建築物について、全国各地からまずは15軒を移築し公開した。同じ犬山市内に設けた野外民族学博物館のリトルワールドや、サルの研究や展示を行う日本モンキーセンターとともに、名鉄の文化事業と沿線観光開発を兼ねて、その企業イメージと収益をも支えた。

しかし、ピーク時の1968(昭和43=明治100)年度には年間で158万人もいた入館者数は、1990年代以降のバブル経済の崩壊やレジャー嗜好の変化により激減、2000(平成12)年度には40万人を割ってしまった。2000年代には名鉄グループの経営不振により、リトルワールドは閉鎖が検討され、モンキーセンターへのモノレールは廃線になり、明治村への投資も滞った。それでも現在は、開館当初の倍に拡張された敷地に国の重要文化財10を含む67の施設を抱え、テレビなどの撮影でも活用され、年間40万人台の入館者数で収支を償えるよう経営を見直し、その運営が続けられている。

販売駅
博物館明治村 1965(昭和40)年3月18日開村 愛知県犬山市字内山1番地
調製元
調製元の記載なし 所在地の記載なし 連絡先の記載なし

(名古屋折詰御辨當)(980円)Nagoya Orizume Obento
2012年9月17日に博物館明治村の売店で購入 Sep. 17, 2012

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 外観 外観 中身 中身 中身

愛知県犬山市のテーマパーク「博物館明治村」での企画催事「明治のりもの博」の開催に伴い、村内(施設内)の売店で復刻販売した、かつての名古屋駅の駅弁。明治時代の駅弁掛紙のコピーをかけた発泡材枠な正方形二段重ねの容器の中身は、下段が日の丸御飯、上段が鶏肉煮、アユ佃煮、玉子焼、かまぼこ、ウナギ蒲焼、カボチャやシイタケなどの煮物など。名古屋の駅弁屋は復刻駅弁を出さないため、これがいつどこの誰の駅弁を再現したのかは分からない。

明治村では、1874(明治7)年輸入の蒸気機関車が明治40年代製造の三等客車を牽引する「蒸気機関車」や、明治末期に製造された路面電車による「京都市電」で、園内を移動することができる。2010年12月20日から無期限の運休となり廃止が懸念されたが、今回の訪問時にはいずれも試運転を実施しており、京都市電は2012年9月28日に、蒸気機関車は同年11月8日に、それぞれ運行を再開した。

販売駅
博物館明治村 1965(昭和40)年3月18日開村 愛知県犬山市字内山1番地
調製元
岐南食品 有限会社 岐阜県羽島郡岐南町平島9丁目51番地 連絡先の記載なし http://www.baipasu.co.jp/

JR東海 三河安城(みかわあんじょう)駅 JR-Tokai Mikawa-Anjo Station
2013(平成25)年1月訪問 GoogleMap「三河安城駅」

駅名標 駅舎 駅構内

名古屋駅から新幹線で1駅約11分または在来線で約30分。安城市は人口約19万人の農工業都市で、19世紀末の明治用水の建設により「日本のデンマーク」と言われるくらい畑作や畜産で栄えた。駅弁は名古屋駅弁のごく一部が、新幹線駅の売店に入荷する。1988(昭和63)年3月13日開業、愛知県安城市三河安城町一丁目。

【終売】Oh!デンマーク(1,000円)Oh! Denmark (end of sales)
 

1988(昭和63)年3月13日の駅開業とともに「新幹線グルメ」のひとつとして誕生した洋風駅弁。酪農が盛んなこの地域が日本のデンマークと呼ばれたことに由来し、焼き豚を載せたピラフ、サンドイッチにハンバーグ、コーンにフライドポテトと、一般的な駅弁らしくない食材がふんだんに使用されている。残念ながら2001(平成13)年末頃に消滅。

販売駅
東海道新幹線 三河安城(みかわあんじょう)駅 1988(昭和63)年3月13日開業 愛知県安城市三河安城町一丁目
調製元
株式会社 だるま 名古屋支社 愛知県名古屋市中村区亀島2−1−1 052(452)2101

JR東海 岡崎(おかざき)駅 JR-Tokai Okazaki Station
2023(令和5)年9月訪問 GoogleMap「岡崎駅」

駅名標 駅舎 駅構内

名古屋駅から東海道線の快速電車で30分ほど。岡崎市は愛知県の中部に位置する、人口約38万人の城下町。江戸時代に東海道の宿場や矢作川の河港があり、徳川家康の生誕地として藩や城が置かれた。明治時代に官営紡績所の操業や鉄道の開通で工業化、第二次大戦後は名古屋のベッドタウンにもなる。駅弁は1907(明治40)年から1992(平成4)年頃まで売られた。1888(明治21)年9月1日開業、愛知県岡崎市羽根町字東荒子。

【掛紙】幕の内辨當(100円)Makunouchi Bento
調製年月日不詳 1960's

掛紙

1960年代頃、昭和30年代頃の調製と思われる、昔の岡崎駅弁の掛紙。岡崎市の電話番号に市内局番が付く、1966(昭和41)年頃より前もの。絵柄は岡崎城と花火大会。岡崎駅で明治時代から駅弁や雑貨などを販売した鍵屋は、名物の駅弁を持たないのに定評のある駅弁屋だったようだが1992(平成4)年頃に撤退、岡崎駅に駅弁やその痕跡は何もない。

販売駅
東海道本線 岡崎(おかざき)駅 1888(明治21)年9月1日開業 愛知県岡崎市羽根町字東荒子
調製元
鍵屋 愛知県岡崎市羽根町 74番

【掛紙】御辨當(30銭)Obento
調製年月日不詳 1941

掛紙

1941(昭和16)年5月不明日の調製と思われる、昔の岡崎駅弁の掛紙。大政翼賛、職域奉公、戦地偲んで感謝の節米、先着順に一列励行、そして価格停止品を示すマル停マークと、戦時であることが見て取れる。

販売駅
東海道本線 岡崎(おかざき)駅 1888(明治21)年9月1日開業 愛知県岡崎市羽根町字東荒子
調製元
鍵屋 岡崎駅構内 連絡先の記載なし