大阪阿部野橋駅から近鉄電車で約1時間半の終着駅。吉野町は奈良県の中部の山間に位置する、人口約6千人の町。千年以上の歴史が残る景勝地や聖地として、修験の道や春の桜など、年に百万人以上の観光客を集める。駅弁はない。1928(昭和3)年3月25日開業、奈良県吉野郡吉野町吉野山。
近鉄吉野駅前の食堂で店頭販売されていた奈良名物柿の葉寿司。柿の葉色一色の古風な包み紙で長方形の経木枠の容器を包む。中身はサバの柿の葉寿司が8個。飯は小粒で鯖は薄く、著名品と比較して旨味は劣る。中身はその場で詰められるので、鮭など他の種類を組み合わせることができる。
吉野は桜の時期には特に人を集める著名観光地で、吉野駅は大阪阿部野橋と近鉄特急で結ばれる。しかし訪問日は小雪舞う真冬の平日で、駅周辺には駅員と運転士と車掌と私しかいないような状態。それでも数軒が横並ぶ駅前商店群で唯一店を開けていた営業姿勢に敬意を表し、吉野駅の駅弁と考える。包装紙にも「近鉄吉野駅前売店」とあるのでOK。