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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

JR西日本 紀伊勝浦(きいかつうら)駅 JR-West Kii-Katsuura Station
2020(令和2)年10月訪問 GoogleMap「紀伊勝浦駅」

駅名標 駅舎 駅構内

新大阪駅から特急列車「くろしお」で約4時間。那智勝浦町は、県南東端に位置し太平洋に面する、人口約1万人の観光地。熊野那智大社や那智山など、ユネスコの世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」指定の名所を抱える。駅弁は国鉄時代からの駅弁屋が、駅前広場に店舗を構えて販売する。1912(大正元)年12月4日開業、和歌山県東牟婁郡勝浦町築地。

さんま姿寿司(650円)Sanma Sugatazushi
2004年7月24日に紀伊勝浦駅構内駅弁売店で予約購入 Jul. 24, 2004

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身

昭和60年代の発売か。駅弁では新宮駅のものに次ぐ、サンマの姿寿司。商品名を書いた細長いボール紙の容器の中に、酢飯の上に背開きのサンマを載せて、酢飯ごと一口サイズにカットされたものを詰めた容器を収める。三陸沖から熊野灘へ来たサンマを、手作業で骨を取ってミカン酢に漬けたという。今回はサンマが塩辛のように思えた。2004年度JR西日本「駅弁の達人」対象駅弁。価格は2004年の購入時で600円、2015年時点で650円。

※2021年3月補訂:発売時期を推定
※2015年9月補訂:値上げを追記
販売駅
紀勢本線 紀伊勝浦(きいかつうら)駅 1912(大正元)年12月4日開業 和歌山県東牟婁郡勝浦町築地
調製元
有限会社 川柳 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字築地4丁目3−27 0735(52)0860

鮪素停育(まぐろすていく)(1,080円)Maguro Steak
2004年7月24日に紀伊勝浦駅構内駅弁売店で予約購入 Jul. 24, 2004

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身

1987(昭和62)年または1988(昭和63)年の発売。JR1周年の記念駅弁とも、国鉄分割民営化で発足したてのJRからご当地名物の新作駅弁の開発を依頼されたとも、当時名物の駅弁であった「鯨弁当」が1982(昭和57)年の国際捕鯨委員会(IWC)の商業捕鯨モラトリアム(一時停止)で調製が困難になった代わりの新作ともされる。鮪素停育は「まぐろすていく」または「マグロステーキ」と読む。当て字の名前が、まずユニーク。

マグロと漁船を描いた細長いボール紙の長方形の容器の中に、片栗粉をまぶして揚げ、冷水で洗浄した後に味付けたというマグロステーキを3切れ、俵型の白飯を4個、名産のめはり寿しをひとつ、玉子焼、エビ、蒲鉾などを詰める。名前の奇抜さを感じさせない堅実あるいは地味な内容なので、駅弁誕生の物語などを記してもらえば、味わいが出たかもしれない。2004年度JR西日本「駅弁の達人」対象駅弁。価格は2004年の購入時で1,030円、2015年時点で1,080円。

昭和50年代の時刻表では、紀伊勝浦駅には東京駅からの寝台特急列車や、名古屋駅や大阪・天王寺駅からの夜行急行が運転されていたことがわかる。今ではそれらすべてが廃止され、昼行の特急列車「くろしお」「南紀」とわずかな普通列車のみが発着する。駅舎は南紀観光華やかりし頃の、1977(昭和52)年11月に完成。

※2021年3月補訂:発売年を追記
※2015年9月補訂:値上げを追記
※2004年5月補訂:「駅弁の達人」対象化に伴い駅弁の紹介文を改訂
※2004年8月補訂:写真の追加
販売駅
紀勢本線 紀伊勝浦(きいかつうら)駅 1912(大正元)年12月4日開業 和歌山県東牟婁郡勝浦町築地
調製元
有限会社 川柳 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字築地4丁目3−27 0735(52)0860